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case.52 使い魔契約とメインボス

最終決戦



『って訳なのよ……』


「なるほどな」



 と言う訳で、大方の説明をアルカナからしてもらった訳だが……。

 

 俺はそこで、視線を件の二人に向けた。



「お前たちも人が良いな」


「えへん! お姉ちゃんは優しい人なのです!

どうだ! お姉ちゃんの事好きになったか!?」


「ちょ、抜け駆けはずるいじゃん! 私の事も好きでいてよねっ?!」



 そう俺のそばまで近寄ってきたのは、アスモフィとミカエラだ。



 ……そういうの、本当に気持ちが揺らぎそうだからやめてほしい……。

 もう心臓に悪いな―――って、



「わ、話題を反らすな!」


「えへっ」


「うー……」



 二人とも、それぞれの反応を見せる中、俺は考える。

 もちろん、アルカナの今後についてだ。



「話を戻すと、だ。別に俺は構わない。だが、俺は良くても、話を聞く限りだと―――」



 そう言って、今度は別の人物に目を向けた。

 それは、




「―――俺は反対ですよ! どうしてそんな奴と一緒に戦わなくちゃいけないんですかッ!」




 そう声を荒げたのは、白夜だった。



(やっぱりそうなるよなぁ……)



 俺が居ない間に起きた事件で、白夜とアルカナには深い因縁があるらしく、それがどうしても許せないっぽいのだ。



『うっ……分かってるわよ。だから、早く私を殺して―――』



「「それはダメっ!!」」



 と、項垂れたアルカナに、今度はミカエラとアスモフィの二人が食いついた。



 これの繰り返しで、勝負は均衡状態になってしまう。



「―――分かりました。分かりましたよ……」



 すると、白夜が突然そう呟いた。



「判断は、全部兄貴に任せます。―――最悪、兄貴が管理してくれるなら、俺はもう文句を言いませんから」


「白夜……」



(妹の事でも頭が一杯のはずなのに、コイツは……)



 白夜が良いと言うなら……。

 それなら、俺の答えは一つだけだ。



「本当に、いいんだな?」


「はい。特別、何かを失ったという訳でもありませんし……ただ、心底嫌いですが」


「分かった。それじゃ、他に異論のあるヤツはいるか?」



 俺のそんな問いには、誰も答えない。

 異論無し、満場一致だ。



「フッ、それじゃあお前もそれでいいな?」


『わ……たしは……』


「まあ、強制するんだけど」


『え』



 コイツを逃がす訳にはいかない以上、コイツの答えがどうであれ、俺の答えはたった一つだ。



「―――我が傀儡となるがいい。悪しき死神王よ」




▶スキル『支配ルール』を発動する……ぞ!




 今回は完全支配にはしない。

 俺には少し考えがあってな。



『……あう』


「これで支配完了だ」



 これで、何か特別変な事が起きない限り、この死神王は俺から逃れられなくなった訳だが……。


 どうせなら、何かの役に立ってもらいたいと思っていた。



「さて、それで……だが」


『わ、私をどうするつもりよ』


「そうだな……」



 折角こんな丁度いい犬っころサイズの状態なんだし、それならそれで丁度いい仕事があるじゃないか。



「アルカナ、お前には―――」







『何で私がこんな……』

   

「ま、自由にさせてもらってるだけありがたいと思えよ」


『それはそうだけど……』



 と言う訳で俺とアルカナは、飼い主とペットのような関係になった。

 使い魔の契約をしたのだ。


 使い魔……まあ召喚獣とも言うが。



 実際にはそういう契約はしていない。

 そもそも俺が『支配』をかけた時点で、そう言った類の契約は無意味だからな。


 だから、普通に“命令”として、俺の使い魔となる事を誓わせたのだ。



 それに、傍から見ればこの死神王、黒い色で、狼のような見た目、それに九本の尻尾に赤い瞳。

 オマケに人型にもなれて大鎌を扱うなんて、なんともまあ中二心をくすぐられ―――




(って、小学生か俺は!)



『ん? どうかした?』


「い、いいや? 別に何にも無いけど」



 この話題は駄目だ。

 このままだと俺の黒歴史がどんどんと掘り返されてしまう気がする。



 ってか、それよりも……だ。結構な大所帯になった物だな。

 20人近くでぞろぞろと行進してて、かつ個々人の戦闘能力がかなり高いって、これまじで世界の脅威レベルの事なんじゃ無いのか?




 なーんて呑気に考えながら、ドライガルの大きな道を歩いていた時。




 ―――突然それは訪れた。





「―――この、気配は……」


「何かが来るぞッ!」



 ディラとサタンが前に飛び出して、防御障壁を展開した。

 そしてその直後だった。




―――ドガァァァァァァァァァァアアアンッ!




 という爆音が目の前で響き、辺りには煙が舞った。



「な、何事だ……!」



(この感じ……嫌な予感がする)



 こういう時の、俺の直感ってのは大体当たるから……本当に嫌なことが起きるんじゃ―――





『滅びよ……滅びよ……滅びよ―――』




 煙の中から、そんな呪怨のような言葉が聞こえてきた。




▶この、声は……まさか……!



「クハハ……尋常じゃない神気だな」



 ディラと、ハヌマーンが反応してる……?

 ということは多分……いや、確実に今やって来たのは―――



『ええ、お出ましみたいよ……』


「どうやら、そうみたいだな……!」



 俺はすぐに“神滅かみごろし”の剣を取り出した。

 俺が戦闘態勢に入ったの見ずしても、もう他のメンバーは戦闘態勢に入っていた。


 我ながら良く出来た配下達だ。




(さあ、いつでも来いよ……ッ!)




『滅びの刻だ……愚かな、害虫共が……貴様ら全員、我が滅ぼしてヤルッ!!!!!!』




 ―――冥王神、ハーデスッ!

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