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case.45 【予兆】の死神王フィー

死神王、5体目。



「「“神帝武流合技―――”」」



「キャハハハ! 無駄よ無駄ぁっ! 私には効かないわよっ!!」



「「―――“コウメツレンゲキ”!!!!」」



 そう技名を叫んだ私たちは、高速で飛行した。

 まずは私が、光の波動砲を超火力で放出する。



「キャハハハ! 痛い痛ーい!」



 そしてそこに、ディラが同じく神気の波動砲を撃ち込んだ。



「我が神性……受けてみろッ!」


「キャハハハ! 無駄む……だ―――」



 次はそこに私が“レン”を叩き込む。

 光の力を纏わせた拳に、さらに“加護”の力の一つ、“光照陽神アマテラス”の力も加えた。


 ……ちなみに“アマテラス”と一口に言っても、様々な種類がいて、使い分けるのが難しいのはナイショだ。



「神様仕込みの高速連撃よ! 少しはダメージが通るといいのだけどッ!!」



 私は死神王シュリーユを殴りながらそう叫ぶ。

 気づけばサタンの放ったドーム攻撃は消えていた。



「最後だ―――」



 そんな言葉が後ろから聞こえてくる。

 私はすぐに攻撃を止め、そのまま上に飛翔した。



 最後の仕上げ―――ディラの“ゲキ”。



 それが、死神王シュリーユを襲―――




「―――流石に、それはちょっと許容できないかなぁ」



 ―――おうとした瞬間、ディラは地面に叩き落されていた。



「グァッ……!?」


「その声は……!」



 私はそこに現れた、新たな敵を見据えながら、ゆっくりと下降していく。



「危なかったね、シュリーユ」


「キャハ……うん、危なかったかも……。それよりも、あの子は?」


「ああ、アルカナなら寝ちゃったよ。またすぐ起きてくると思うけどね」



 そう、その敵とは―――



「フィー……だったかしら」


「うん。そうだよ。ボクは死神王フィー。さっきぶりだね」



 ぺっ。会いたくもないのに。

 敵が増えて嬉しくなる奴なんているはずないわ。



「さっきぶりで悪いんだけどさぁ―――キミタチ、死んでくれないかなァ?」


「―――ヘッ、ヤなこった! “獄炎天インフェルノレイン”!」



 いつの間にか背後から近づいていたサタンが、死神王フィーへと魔法を撃ち放った。


 その隙に私とディラは態勢を立て直す。



「あーあー、無駄なんだよ。僕には《予兆の魔眼》があるからね」



 ―――そんな言葉が、私たちの後ろから・・・・聞こえてきた。



「んな……ッ! いつの間に!」


「シュリーユ」


「キャハッ! うん!」



 今度は上空から聞こえてきた声が、死神王シュリーユを呼んだ。



(何……? さっきから何が起きているの……?)



 と思ったのもつかの間、



「―――“切断ギロチン”ッ!」


「させるかッ!」



 突然現れた死神王シュリーユの攻撃を、またもやディラが防いでくれた。



「キャハハハ!」


「―――次は後ろから」



 そんな声は、左横から聞こえてくる。


 でも、そこに死神王フィーの姿は見えない。



(何……何なのよ!)



「キャハハハッ!」


「アハハハハ!」



 不気味だ。

 死神王フィーが来てから、何か流れが変わったのは確実だ。



「透明化、或いは転移か。どちらかは分からないが、相当厄介な術を使っているようだな」 


「あァ……攻撃が当たらない上に、そういう事をされちまうと、厄介極まりねェなァ……」


「でも、今はとにかく凌ぐしかないでしょ?」



 じゃないと、殺されるし……!




「―――キャハハハ! アイツら怖がっているね!」


「―――うん、そりゃ当然だよね。ボクたちが消えたり出てきたりしてるんだから!」



 見えない状態のまま会話するんじゃないわよ……!

 厄介極まりないどころか不気味極まりないわよ!



「でももう怖がる反応も飽きたし、そろそろ殺そうよー」


「うん、そうだね。とっとと殺しちゃおうか」



 余裕そうな会話を、不可視の状態でしている死神王二人。

 そんな会話を聞いたディラとサタンは、眉をピクッと反応させた。



「ムカつくなァ」


「ああ。我らを前にしてあの態度……」


「分からせてやるかァ?」


「そうだな、分からせてやるか」


「「クハハハハ…………」」



 ちょっと待ってよ。

 こっちはこっちで不気味というか、不穏な会話繰り広げてるし。



「アハハハハ!」


「キャハハハ!」


「「クハハハハ!」」



「もう、嫌だ………」



 まさに狂喜乱舞、不気味な奴のパーティーだわ、これ。

 この隙にクサナギたちと合流して隠れててもいいかしら。


 そーっと、逃げて―――



「逃さないよー! “闇拘束ダークバインド”!」


「へっ……? きゃぁぁぁ!」



 死神王フィーから放たれたのは、一本の鎖。

 まるであの時の、“死の鎖”を連想させるようなソレは、私の足首をガッチリと縛り付けていた。



「シュリーユ」


「うん! 殺してくるね!」



 ヤバ……ッ!

 殺され―――




―――グサッ。




 直後、辺りに響いたのはそんな音だった。



(何……? 何が、起きたの……?)



「―――え……?」



 驚いたのは、私ではない。

 死神王、フィーだ。



 何が起きたか。

 私は顔を上げて、状況を確認する。


 ……と、そこに居たのは―――




「どう……して? ねぇ……アルカナ!」


「―――カ……ハッ」



 黒い球体、そう、すなわち死神王アルカナだったのだ。


 アルカナは、いつの間に現れていたのか、死神王フィーと死神王シュリーユの背後に居て、そして、黒い棘のような物を伸ばし、死神王シュリーユの身体を貫いていた。



「仲間割れ……か?」


「どっちにしろ好機じゃねェのか?」



 私の足を縛り付けた鎖は消えていた。

 私はそのまま、視線を死神王フィーの方へと向ける。



「ね……ぇ、何でだよ。なんでキミがシュリーユを殺したんだよ……」


「―――ふふっ」



(え……? 今、笑ったの……?)



 私には確かに聞こえた。

 今、あの黒い球体が、笑い声を零したのを。



「ねぇ! どうして急に―――」




―――グサッ。




「…………え?」



 再び響く、その音は。


 アルカナの、黒い棘。



 もちろん、棘が貫いたのは、死神王フィー。



 そして黒い球体アルカナは、黒い棘に刺したままの二人の死神王をそのまま自分の方へと垂らして―――




―――グシャァァッ!




 と、勢いよく、食べ始めたのだ。




「あは……アハハハハッ!




 ―――あぁ、美味しかった」


ブックマークと高評価で蟹

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