case.8 聖城へ
夕方!
「さて、そろそろ魔界に戻るとするか。ルシファルナも待ってるだろうしな」
この国についてから、すぐアスモフィと戦闘に入ったから正直もう疲れたのだ。
帰ってぐったりしたい。
そう思っていたのだが……
「ダメです! ダメですよ!」
アスモフィに思っきり叱られてしまった。
「……何でだ?」
「戦う前にも話したでしょ! 魔族を無理矢理利用しているハゲオヤジをどうにかしないと!」
あぁ……そうか。そんな話してたな。
えっと……確か“皇帝エスペル”、だったか。
「もういっそのこと国ごとぶっ壊そうぜ」
どうせ魔族の事を粗雑に扱う、勇斗達みたいなやつらと同じってことだ。それならぶっ壊しても問題ないだろう。
「いやいやいや! ダメだよ!? そしたら全勢力を以て魔界が襲われちゃうよ!?」
む……ダメか。
「じゃあどうするんだ」
「ふふふ、おねえちゃんには考えがあるのです!」
「それは?」
「はい! 魔王様の力で国のお偉いさん全員を『支配』しちゃってください!」
ええ……。
まあ、出来なくもないが、そういう奴らの為にSP消費したくないんだよな。
「なあ、やっぱりぶっ壊さないか」
「ダメです! はぁ、もうしょうがないですね……それならお偉いさんだけにしてください!」
いいのかよ。
さっきお偉いさんを『支配』しろとか言っていたが。
「まあ要するに、お偉いさんをどうにかしてしまえばいいのですよ!」
なるほど。
それなら、そいつらだけ消すか。
そんで、代わりを置く。
これでよしだな。
「じゃあせっかくだし、先に見ておきましょ?」
「ああ、了解だ。ルイン、マノン、お前らはどうする?」
俺は、暇そうに話を聞いていた2人に声をかける。
「俺は行くぜ! どうせドカンとやるんだろ?!」
「わ、私も行きます! 主様をアスモフィ様と一緒にさせておくと、何かと危ないですからね!」
「……分かった。それじゃあ行くぞ」
「はい! じゃあおねえちゃんについてきてください!」
そう言ってアスモフィは俺たちを引っ張って、とある場所へと向かうのだった。
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「ここは……?」
目の前には城。城があった。
もちろん、街の外観を損なわない、白い城。
「はい到着☆聖城です!」
「せいじょう……」
「はい、確かに近くに居るだけで何か身体がピリピリします……」
ああ、確かに言われてみれば。
ルインの言うとおり、ピリピリと身体が痛い感覚がする。
「これは聖属性の魔法で、“結界”っていう厄介なやつなのよ。まあいわゆる“魔除け”ね」
つくづく魔族を嫌う国だな。
やはり生かしてはおけない。
「さて、ここまで来たはいいが、どうやって中に?」
「はい、そこ! いい質問です! それでは早速答えをお見せしましょう! 隠☆蔽!」
アスモフィは指をパチン!と鳴らした。
するとみんなの姿が見えなくなっていく。
「アスモフィ、これは?」
「はい! 隠蔽魔法の初歩的な魔法、“隠蔽”です!」
効果を聞くと、視覚的に他人から見えないようになる魔法とのこと。
「それじゃあ〜潜入開始です☆」
その言葉を合図に、俺たちは聖城の中へと入っていった。
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「この国にネズミが紛れ込んでるようだな?」
「ええ、我々も気づいておりますぞ」
ハゲ頭のオッサン、皇帝エスペルは自らの私兵である“聖騎士団”の団長、リガーテに言った。
「はあ、始末しておけ」
「はっ」
リガーテは動く。
いくら憎いとはいえ、エスペルの頼みだ。
やらなければこちらが“殺”られてしまう。
だから動く。
魔族を始末する為に。
明日も2回行動したい!




