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case.35 集いて死は香る

まだ溜める



《ミカエラ視点》




「ちょっと、面白いって言ったってねぇ……!」


「クハハ! 良いでは無いかミカエラよ!」


「あぁ、こりゃァ言わば“宴”みたいなモンだろうからなァッ!」



 あー……これはダメな二人ね。


 何となくだけど、根っこの部分で似てるんだわ。この二人。



「呆れたわ。この状況を楽しむなんてね」


「「クハハハハハハハ!」」



 笑い方まで同じなんて。


 うーん……まあ、それくらいの心持ちの方が返って良いのかもしれない……わね。




「―――ほう? 盛り上がってきた所で……」



「―――最初の花火が打ち上げられたなァ?」




 ……うん?


 二人とも、急に横を見ながら怖い笑いを浮かべているけど……何かあるの―――



「って……! なんかすごい量の魔力がこっちに向かって一直線に飛んできてるんですけど!?」


「ディラ、ここは俺様に任せておきなァ!」


「クハハ! いいだろう、任せてやろう!」


「ちょ、そんな呑気に楽しんでいる場合じゃ―――」




「―――“地獄炎壁インフェルノウォール”ッ!」




 一歩前に踏み出て、右手をかざし、そう唱えたサタン。


 すると、先程のディラの攻撃の時に使ったのより、さらに激しく燃え盛る炎の壁が現れる。



「……クッ……ハハ!」



 直後魔力の塊がこちらに辿り着き、サタンの出した炎のバリアとぶつかり合った。


 バチバチバチ……と火花を散らしながら、魔力塊とバリアはせめぎ合う。



「この程度……余裕で防げるぞォッ!」



 そんな雄叫びをあげながら、サタンは腕を振り払った。


 すると炎の壁は消え、魔力の塊も防ぎきって消えていた。



「ディラ、今のは一体何だったのよ……」


「―――気配が四つ……。なあ、ミカエラよ。その答え合わせは、我が言うまでもなく向こうからやってくるようだぞ」


「え……?」



 その時はディラの言うことが分からなかったが、確かにその言葉通り、私の疑問はすぐに解消される事になった。





「―――キャハハハハハハッ! 消エロ消エロォッ!!」




「チイッ……何なんだよこいつッ!」


「いいから走れ、アマクサッ!」



「あ、あれは……?」



 ディラの言葉通り、気配が四つ……前方から四人の人物が現れたのだ。


 一人を除いて、全員見覚えのある人物だ。



「ほう? アマクサにイクサ、それとヤマトではないか」


「ええ、あの人たち……何をしているのかしら」


「知り合いか。なら助けないとだなァ」



 自分でも驚くくらい余裕があるが、多分すぐ戦闘になるだろうな、と思いながら疑問を浮かべた。



「―――あっ、あの人たちはッ!!」


「ほほ、今気づきおったか」



 私たちに気づいたのか、三人は逃げる方向を私たちの方へと変えて走ってきた。


 しばらくして、三人は私たちの元へと辿り着く。



「ハァ……ハァ……さっきぶり、ですね……」


「この程度で息を切らしてるとはな……修行不足じゃぞ」



 相変わらずヤマトは厳しいわね。


 まあ、そんな事より……



「さっきぶりね、三人とも」


「クハハ! 無事で良かったぞ!」


「ええ、お陰様で―――って、そうじゃなくて!」



 ……ん、どうしたんだろう。


 って、ああそうか。

 さっきのあの変な奴が―――




「―――上から来るぜェッ!」



「キャハハハハハハハハハハハッ!!!」




 再会を喜ぶ暇も与えないって訳ね……!



「アハッ、アハハハ。さあ、ハーデス様のご寵愛の時間よォッ!!」


「ハァ? テメェ、何を言って―――」





 ―――キヒヒヒヒ…………うまい具合にバラけてくれたな。




「……ッ?!」



 突然、空から声が響いた。


 あの時と、同じ声だ。




―――今から、貴様ら害虫共にはとある“ゲーム”をしてもらおうと思う。



「ゲームだァ?! てか誰だテメェは!」


「クハハハ! いいではないかハーデスよッ! 同じ《十二神将》として褒めてやるぞッ!」




 ゲーム……?

 一体、この声は何を言って……?



 てかディラ……何面白がってるのよ。




―――その前に先に名乗っておこう。我が名は冥王神ハーデス! 偉大なる創造神アダム様の忠実なる下僕であり、これから貴様ら害虫共を殺す神であるッ!




「ハーデス……?」


「出たな……我が仇め……ッ」



 サタンが疑問を浮かべる中、ヤマトは心中の怒りを表情に出していた。


 事情を知ってるからこそ、より負けることの重みを、私たちは知っている。




―――さて、そんな我が提案するゲームの内容だが。その内容は至って簡単だ。


 “先に王を討ち取った方の勝ち”、ただそれだけだ。


 こちらの王は我だ。そちらの王は魔王だ。


 さらに加えて特別なルールとして、我と貴様らの両方の陣営に、縛りを儲けようと思う。




■「―――縛り、ねぇ? ふざけた提案だわ」




「……フム。だが、向こうにも縛りが設けられるのなら、或いは―――」




―――その縛りとは。まず貴様らに掛ける枷だが、“今その場にいる相手が己の相棒となる相手”だ。そして、その相棒と己自身はこれから“死の鎖”で繋がれる事になる。

 “死の鎖”とは、文字通り死すら共有される“鎖”の事だ。




「死すら……共有ねぇ?」


「流石は死を司る神と言った所か」


「だが奴は死神では無いがな! クハハハ!」




 だから何を呑気にこの神は笑ってるのよ、本当。


 まあともかく、かなり危険なルールだってのは分かるわね。




―――己が死ねば、相棒も死ぬ。そんな枷となるのが、“死の鎖”だ。


 そして、我に掛ける枷だが。


 無限に眷属を召喚できる我が能力、『異界門』。

 その効果で召喚できる眷属のランクを、冥界で最も弱い種族の死神までにしておこう。


 それ以上の味方は生み出さないし、仲間を呼ぶこともしない。




「巫山戯ているのか……ッ!?」

 

「ほう? それは俺たちを舐めてるって事だよなァ?」



 

 ヤマトとサタンが、それぞれの理由で怒りを顕わにした。




―――偉大なるアダム様からの御信託通りのゲーム内容にしたッ! だから我はそれを実行するまでだ!


 いいか害虫共ッ! アダム様からの御信託が無ければ、我は今すぐにでも貴様ら害虫を駆逐していたのだからなッ!





■「―――あら、じゃあそのアダム様ってのには感謝しないとね」



 御信託が無ければ、そのゲームとやらの難易度が上がっていたって訳ね……。


 それなら、確かにアダム様ってのには感謝だけど……。



―――さあ、それでは始めようじゃないかッ! 見事我を討ち取ってみせろよ害虫共ッ!




「フン、神というのも馬鹿げている物だな」


「おいイクサ、冗談でもそんな事言うもんじゃないぞ―――っつっても確かにこれは馬鹿げてるな……」



 アマクサとイクサの二人が、そんな会話をした直後だ。



「本当に。バカバカし―――ィッ!?」


「きゃぁっ!? な、何よこれ……ぇ!」



 突然紫色の手が現れて、それが私たち全員の首を掴んだのだ。




「キャハハハハハ!! ハーデスさまぁ! ご寵愛を、ありがとうございますぅっ!」




 狂ってるわよ……あの女……!


 てか誰よ、あの女は……。

 ……なんて言ってる場合じゃない……ようね。




「フンッ…………! クハハ……神ですら解けないとはな……!」



 ディラでも解けないって……どんな技なのよ……これ!


 なんて思ってたら、私たちの首を掴んでいた手は、それぞれ伸びて、一つにくっついてしまった。


 それと同時に、首の締付け感は消える。



「ハァ……ハァ……一体、何だったのよ……」


「さっきのが“死の鎖”なのよッ! キャハハハハハ!!」


「だから、アンタは誰なのよ……!」


「私ぃ? 私はねぇ……」



 空に浮かぶ一人の黒い女に、そう問いかけると、女は一つの大鎌を取り出して、こう名乗ったのだ。





「私は、《六死神フィアーズ》が一人。【全滅】のシュリーユよ」




 ―――さあ、殺し合いゲームを始めましょう?

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