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case.25 黒紫の竜巻

交互に切り替わるのだ



《魔王視点》



「それにしても、どうしてハーデスはいきなり攻撃を開始したんだ……?」



 俺は森の中を走りながらそう呟いた。


 実際問題、作戦会議をしている最中の出来事だったから何の情報も無くて、いきなり飛び込んできた情報な訳だから準備も遅れてしまったのだ。


 移動しながら状況整理をする他ないだろう。



「フム……“暗夜アンヤ”から受け取った情報によると、10名程度の人物の襲来によってハーデスが怒り、町中の死神兵達を起動したらしいな」


「襲来……一体誰が……?」


「ん……ベルゼリオは心当たり無いのか? ここは一応、腐っても《龍の隠れ里》なんだろ? だったらここの存在を知っているのは、関係者しか居ないはずだけど」


「厶……確かにその通りだな」



 ルヴェルフェが投げたそんな疑問に、ベルゼリオは返す言葉を見失っていた。



「まあ、誰が来ようと薙ぎ払うだけよ。《天帝八聖》のトップの威厳を保つためにもここは少し本気でやらせてもらうから!」


「ああ。頑張れよミカエラ」


「うん、私頑張るからね!」



 空を飛行しながら、ミカエラが覚悟を決めていた。


 俺はそれに励ましの言葉を入れながら、前方に視界を集中させる。



「ヤマト! あとどれくらいでこの森を出るか分かるか!?」


「待て……そうだな、ここからならあと2分もかからないだろうよ」


「2分……か。よし、皆ッ! 戦闘準備をしておけ!」



 ヤマトからその言葉を聞いて、俺は全員に指示を出した。


 それを聞いて、全員すぐに戦える態勢になる。



「クハハハ! 光が見えてきたなァッ! どうやら目的地はすぐのようだぞッ!」



 笑いながらディラが先頭に突っ込んでいく。


 軽やかに木々の隙間を縫っていき、いの一番に森を抜け出ていった。



「我が主よ、先導致します。我が後ろに続いて来て下さい」


「それじゃあ俺たちも先に行かせてもらうよ? イクサ!」


「無論。騎士としての誇りにかけて、必ず戦い抜いてみせると誓おう!」



 そう言うと今度は騎士組の3人、ベルゼリオ、アマクサ、イクサが先に森を抜け出た。



「さあ、僕たちもそろそろ出るよッ!」


「分かっている!」



 その直後、俺たちも森を抜け出るべく、木々の隙間から差し込む光へと飛び込んでいった。



 一瞬視界が白に染まるが、すぐに順応して視界が回復する。



「クハハハッ!! 尋常じゃない【死】の香りだな魔王よッ!!」


「は?」



 【死】の香り……?


 それってどういう意味だ?



「我が主。何やら地上の方が騒がしいようです……。恐らく、其処が事の発端かと」


「地上……というとこのクソ長い階段を下った先か?」


「ええ。かなり離れているようですが、音が聞こえてきますので」


「何か音が聞こえるのか……? 俺には全く聞こえないんだが」


「……金属の打ち合う……斬撃音と、爆発魔法のような音が聞こえてきますね」



 斬撃音と……爆発魔法か。



「クハハハッ! 時間も無さそうだし急ぐとしようかッ!」


「―――我らもディラに続きましょう。主様」


「っ……あ、ああ!」



 ディラはそう笑いながら再び走り出した。


 クソほど長い階段を勢いよく駆け下りていく様は見ていて爽快だったが、すぐに俺たちもその後を追うことになった。





《勇者視点》



「―――ッ! サタールさん、後ろですッ!」



『殺す殺す殺す殺す殺す殺すッ!!』



「チッ、次から次へとッ! “斬虎ざんこ”ッ!」



『コロ…………』



 サタールさんの斬撃によって真っ二つにされたロボットは、ガシャァンッと音を立てて崩れ去った。



「助かったぜ白夜! だが、お前も油断をするなよ……!? おら、お前も後ろに―――」



「―――“氷柱アイスロッド”ッ!」




 俺の手から生み出された一本の氷柱は、背後から近づいてきていたロボットに突き刺さり、そのまま倒した。



「ヘェ、お前も中々強くなったモンだなァ?」


「レベルだけなら、もうサタールさんより高いんじゃないですかね?」


「……生意気言うようになったじゃねェか。それならどっちが多くの敵を壊せるか勝負しようぜ?」


「…………良いですよ。受けて立ちましょう!」




「ちょっと二人ともッ! 今はそんな勝負している場合じゃないわよ!? 状況分かってる!?」



 ……と、俺とサタールさんが勝負をする事に決まった時、レヴィーナさんがそれを止めてきた。



 ちなみに……今さら説明するまでも無いと思うが、現在進行形で俺たちはあのロボット達に一斉に襲われているので、それを対処している最中だ。



「それにしてもキリがないッスね……!」


「……! スレイドさん、気を抜かないようにッ!」



 疲れた様子のスレイドさんに迫るロボット兵を、近くにいたクサナギさんが斬り捨てた。



「あ……ありがとうございま―――」


「お礼は大丈夫ですから、今は戦闘に集中して下さいね……ッ!」


「了解ッス!」



 うん……この二人は問題無さそうだな。



 というか……基本的に二人一組になって対処している形になっているな。


 俺とサタールさん、スレイドさんとクサナギさん、アスモフィさんとマノンさん、ルインさんとサタンさん……そんなペアが完成している。



「でもスレイドさんの言う通り、キリがないですよ……ッ!?」


「確かにね……ッ! ルインちゃん、どうする!?」



 俺とレヴィーナさんが交互にロボット兵を薙ぎ倒しながら、ルインさんに問いかける。



「ひとまず、安息地を探して突き進みます! マノンさん、爆発魔法をお願い出来ますか?」


「おう! 任せておけッ!」


「じゃあお姉ちゃんもサポートするわよ!」


「それなら俺も……ッ!」



 ルインさんの指示で、マノンさん……そしてそれに協力する様子のアスモフィさんとスレイドさんが前に立った。



「ぶっ放すぞッ! 準備はいいか!?」


「いけるわよー!」


「任せてくださいッス!」


「そんじゃ……ッ!」



 マノンさんのその言葉をきっかけに、3人の前には無数の魔法陣が展開されていく。



『殺す……殺す……!』


『殲滅……殲滅ッ!』


「……うるせェぞッ! オラ! 全弾ぶっ放せェッ!」



 刹那、マノンさんのその掛け声に合わせて魔法陣が赤く光り始めた。



「「「―――“爆発炎魔エクスプロージョン”……ッ!!!」」」




《魔王視点》




 ―――ドゴォォォォォォン……



 耳を劈くようなまさしく爆音が近くで鳴り響いた。


 見ると、大きな黒煙球が立ち上り、煙の匂いを周囲に充満させていた。



「おい……今のは!」


「うん。もうとっくに戦いは始まってるっぽいね」


「そんな事は分かっている事だ! 早く現場に向うぞッ!」



 さらに階段を下るスピードを上げる俺たち。


 ミカエラだけは先に飛行して下って行っているが、そんなミカエラが突然大声を上げた。



「みんな! 地上が見えたわよッ!」


「……! 了解した!」



 その言葉を聞いて、警戒心をより一層強めた上でさらに階段を下っていく。



「クハハハハッ! いよいよ到着だなッ!!」


「ああ、マジでこの階段……長かったな―――っと!」



 そんな俺の言葉とともに、全員が地上に辿り着いた。



「さて……一体何が起きているのかを―――」



 そんな言葉を呟きかけたときだった。





―――狂え狂え……踊り狂えッ!!!このアダム様に仇なす害虫共めェィッ! 我らが聖地から消え去れェェェイッ!




 空から狂気に満ちた叫び声が響き、かと思えばその直後、黒紫色の巨大な竜巻が俺たちの前に現れる。



「おい……何だよアレは……!」


「分からんが……アレは避けきれんぞ……ッ!?」


「ちょ……嘘だろ? ―――って……」



 マズい……ヤマトの言葉通り、この竜巻は避けきれな―――




「「「「グァァァァァァァァァアッ!」」」」





《勇者視点》



「道を切り開けたのはいいが、これからどうするんだよ! まだまだ敵はウジャウジャいるぜェ!?」


「分かりませんッ! でもとりあえず進むしかないでしょう……!」


「そうだなァ……とりあえず走れ! 前に進めばきっと何かがあるだろ!」


「そんな適当な……」



 サタールさんの言葉に若干呆れつつも、とりあえず皆が走り出した…………



 ―――そんな時だった。




―――狂え狂え……踊り狂えッ!このアダム様に仇なす害虫共めェィッ! 我らが聖地から消え去れェェェイッ!




 空から狂気に満ちた声が響き渡り、かと思えばその直後、俺たちの後ろに黒紫色の巨大な竜巻が発生した。



「おい何だあれ……!」


「何かあれ……だんだん広がっていってねェか……!?」


「マズイです……アレは避けきれな―――」



 ルインさんがそこまで言いかけた瞬間。




「「「「「グァァァァァァァアッ!」」」」」




 俺たちは全員、その竜巻に飲み込まれてしまったのだった。

もうすぐ200話……すごいね

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