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case.20 すれ違い

新編集版に、明日はノベプラ版……

色々と忙しくなりそうです




「―――っと……。シュデンに到着よ」


「随分あっという間でしたね」



 そんなあっさりとした言葉が俺の口から漏れ出た。


 が、確かに一瞬でシュデンの街に着いたのは良いものの……。



「まずは、国内のこの惨状……その原因の調査から始めた方が良さそうですね」


「ええ……」



 ルインさんが、国内の建物……その倒壊した様子や、地面に染みている血の香りを感じながらそう言った。


 俺はそれに若干同意する。



「すいません。今ここで全員がバラバラになるのはあまり得策とは思えません」


「ん? だがよォ、ルインの嬢ちゃん。急にそんな事言われても、嬢ちゃんが今言った国内の調査……ってのをするにはバラバラになった方が効率いいんじゃねェか?」


「はい。サタール様。確かに、効率的な観点から言ってしまえば、国内の調査をするのには全員バラバラになって、各々で調査を進めてもらうのが一番効率がいいでしょう」


「なら……」


「ですが、先程も言いましたが、今ここで全員がバラバラになってしまうのはあまり得策ではないのです。その理由は、確定的な未来の話では無いのですが……」



 ルインさんは、再び周囲の様子を見ながら、続けた。



「恐らく……と言うか見なくても、この地では何か大きな事件が起きたことが分かりますよね?」


「ん、あァ、そうだな」


「そして事件が起きた……いや、まだ起きている・・・・・かもしれない事実がありますが……。そうなると、今は少しでも多くの人数で固まっていたほうが、どんな状況になっても対処する事が出来ます。故に、まずそれが一点」


「一点? それ、どういう意味―――」


「そして、まだ事件が起きている可能性も加味すると……我らが主様がここに居ると仮定して、主様は現在仲間たちとこの惨状をどうにかしているのではないか……と思います。そうなると、全員をとっ捕まえる……という私達の目的を達成する為には、こちらも戦力がかなり必要になると思います。―――まあ、主様達が私達に反抗するとは思いませんけどね」



 ……えっと、つまり。


 今のルインさんの話を簡単にまとめると……?




 ・この国でまだ事件が起きている可能性を考えて、有事の際に大人数で対処出来るようにする事。


・対魔王軍アニキたち用の戦力を固めておく事。




 って事だよな?



「んーん……。まァ、ちょっと分かり辛ェが、まあ何となく俺たちが固まってた方がいい利点ってのは分かった気がする」


「うん。一応納得は出来るわよね」



 ルインさんの言葉に、サタールさんやアスモフィさんが同意していく。



「―――だがよォ、ルインの嬢ちゃん」



 しかし、そこでサタールさんは疑問を浮かべる。



「俺らが一緒にいる理由は分かった。だけどそれじゃあ、この国の惨状を調査する〜っていう話はどうなる? ありゃァ、誰がやるんだ?」


「あ……はい。それに関しては、身軽な少数精鋭で行こうと思ってます。私と、レヴィーナさんが適任かと」


「私……? ん……面倒だけど、まあこんな時まで仕事サボってちゃ面目立たないわよね。いいわ、やってあげる」



 と、指名されたレヴィーナさんは少々ダルそうにしながらも了承の返事をした。



「なるほどね、オッケーだ。今の所疑問は一つも無いぜェ」


「はい。良かったです。―――という訳で早速、私とレヴィーナさんは行動開始しようと思うのですが……大丈夫ですか?」


「私はいつでも」


「はい。それでは早速行きましょうか」



 そう言うと、こちらもあっさりと消えて行ってしまった。



 という訳で、ルインさんとレヴィーナさんを除いた7人が取り残される。



「そうは言ってもなァ……? 俺達はどうするよ」


「そりゃァ、俺達は俺達で動いといた方が良いだろ……な?」



 サタールさんとマノンさんが、二人で頭を抱えて困っていた。


 そこにアスモフィさんが答える。



「まあ、マノンの言う通り……固まっていれば文句は無いだろうから、私達は私達で魔王様を探しましょ」


「ん、だな」



 と、言う訳で俺達は歩き始めることになった。


 と言っても目的地は無いから、それぞれ周囲を見回しながら、事件が起きたその都度に対応していくって感じになると思うけど。



「フフ、皆でこうしてお散歩するのも楽しいけど、まあそう簡単に魔王様が見つかる訳が無い―――あれ?」



 先頭を歩いていたアスモフィさんが、突然立ち止まった。


 その後ろを歩いていた俺は、それに気付かずアスモフィさんの背中にぶつかってしまう。



「ど……どうしたんですか?」


「今……何かあそこで光ったような気が……」



 そう言って、アスモフィさんは近くの裏路地を指差した。


 とてもじゃないが、人一人がぎりぎり通れるか……?という位の狭さの路地だ。



「ちょっと調べてきても―――」


「待て待て、アスモフィ」



 アスモフィさんがそう言って飛び出そうとした時、サタールさんはその頭を掴んで引き止めた。



「ちょっ! 離しなさいよ!」


「だから待てって。今はそんな事よりも……ほら。あそこに人が居るぜ」



 人が……って、本当だ!


 あそこに騎士が立ってるぞ!



 第一村人、発見! ってね。



「う……分かったわよ。話を聞きに行きましょう?」


「おう!」



 という訳で今度はその騎士さんに話を聞くことにした。


 代表して、何故か俺が聞くことになったのは……まあいいけど。



「あの……すいません」


「あぁ、どうしました?」


「あ、あの。僕たち、今しがたこの国に到着したのですが、見ると結構な惨状になっているじゃないですか。一体、何があったのかなぁ……と思いまして」


「あぁ……そういう事でしたか。それならば、私が説明致しましょう。かくかくしかじかで―――」



 と、それから騎士さんによる事件の説明を聞かされた俺達。


 話によると、やっぱりこの国には兄貴達が来ていたらしい。


 そして、この国で起きた事件を鎮めたのも兄貴達だと。



 そして、ここが一番重用なのだが……



「兄貴達が、今さっきここを通った……!?」


「ええ。“リア”、という方を城に残して、残りの方々は先程この道を通って、あそこの裏路地へと入って行きましたね」


「裏路地……ってやっぱりさっきの!!」



 アスモフィさんはそう言って、後ろへと駆けていってしまった。



「っておい、待てよアスモフィ!」



 それをサタールさんが追いかける。



「ちょ、師匠!? ああもう!」



 と苦労した様子でクサナギさんも追いかけて行った。



「あー……大丈夫ですか?」


「あ、大丈夫です。お構いなく」


「それなら良かったです」


「それよりも……あの裏路地って、一体何があるんですか?」


「いや……それが私にも分からなくて。どうしてあんな狭い路地へと入っていったのか……皆目検討もつかないのですよね」


「なるほど……すいません。分からないことを聞いてしまって」


「いえ、謝られる義理は無いですよ。それよりも、早く追わなくて大丈夫ですか?」


「あ、そうですね……。ありがとうございました!」


「お気を付けて!」



 と、気前のいい騎士さんに見送られて俺たちは駆けていったアスモフィさんたちを追って走り始めた。



「あの……白夜さん! 確か、ウチの師匠も魔王と一緒に居るんでしたよね?」


「あ、はい。確か、そのはずですが」



 走りながら、スレイドさんがそう聞いてきたので、俺はそのまま答えた。



「んー……なら、あの路地にはもしかすると呪術の類の物が仕掛けられている可能性がありますね……。追跡を避けるために」


「あー……なるほど」



 それなら、なおさら先走った三人が危険かもしれないな。



 なんて考えていると……今度は背後から二人の人物が現れた。




「―――遅れました! 今はどういう状況ですか!?」


「あ……ルインさん! ということは……」


「うん。私も居るわよ」


「レヴィーナさん!」



 ルインさんとレヴィーナさんが合流してきた。



「それで? 現在の状況は?」


「俺から説明してやる!」


「マノンが……?」


「えっと……かくかくしかじかで―――」



 と、簡単にマノンさんが説明をし始めた。


 それを聞いてルインさんたちは頷きながら、



「うん……私達が得た情報と、ほぼ差は無いようですね」


「そうね……あの裏路地に消えたってのも、情報通りね」


「それじゃあ、超なおさら急がないと……ですね!」



 そう言って、俺たちはさらに走るスピードを上げて、先程見た裏路地へと向かって走っていくのだった。

ブクマや高評価、拡散等ぜひぜひお願いします!

活力になります!!

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