case.15-D 修行の成果(?)【Side:Indra/Ganeshaya】
4/4 修行の成果編おしまい。
次回から話は進みます!
「フム……頼まれてやってきたは良いが―――」
機械騎士が国中に放たれて、それが国民を襲っているということで、その殲滅を魔王から、ルヴェルフェを通じて命じられた。
だから、西側の真ん中の地区へとやってきたのだが……。
『センメツ』
『センメツ』
『センメツ』
所詮は鉄クズだ。
それが知能を得て、見境もなく人を襲うマシーンになっている。
そんな低レベルな兵器で、神である我に適う訳が無いだろうに。
「フン、肩慣らしにもならんな。もう少し骨のある奴なら良かったのだが」
まあ、文句を言ってもしょうがないか。
我は、今の主の命令にただ従うのみ。
今は、国民を襲う機械騎士とやらを一匹残らず殲滅する事だけを考えようか。
「―――“神帝武流・速”」
ガシャァァアンッ!
と、刹那にして蹴り飛ばした機械騎士は崩れ去った。
数は居るが、個々の能力値はかなり低い。
本当に兵器なのか怪しいくらいだ。
だがまあ、これなら余裕そうだな。
サックリと片づけようじゃないか。
「―――民衆よ! この場から早く逃げろ!」
見るとかなりの人が逃げ遅れていたようだから、すぐに声を上げて避難を促した。
「―――“速”」
合間を見て技を放ち、機械騎士を蹴り飛ばす事でガシャァァンッ!と大きな音を立たせながら機械騎士を壊していく。
捕まっている人々も全員助け、すぐに避難させる。
そうして我は、ずっと“速”の技を使いながら機械騎士共をブッ潰していった。
「本当にこれだけなのか。つまらん、つまらんぞ」
そう文句を言いながら、我は近づいてくる機械騎士を殴り飛ばしていた。
もはや片手で、欠伸をしながらでも余裕だ。
むしろ小指一本だけでいいくらいなのだから。
「ハァ、退屈だ」
『センメ―――』
ガシャァァンッ!
『セン―――』
ドガァァンッ!
『セ―――』
ガッシヤァァァァンッ!
我は小指を弾いて機械騎士を弾き飛ばしていく。
もうこの程度のレベルの敵しかいないのであれば、纏めて“爆”で吹き飛ばして、すぐに誰かと合流したいのだがな。
もうそれでいいか?
いいよな?
面倒だし、それで一気に解決―――
『対象、確認。殲滅、実行』
―――しようと思ったが……なんだァ、アイツは。
物陰から突然現れて、しかもいっちょ前にマントなんか着けやがって。
それに、手に嵌めているのは……グローブか……?
“機械騎士”っていうくらいだから、騎士しか居ないのかと思っていたが、それ以外のヤツも居るんじゃねえか!
ありゃ、多分……武道家だろう??
多分、そうだよな。
そうに違いねぇ。
「ヘッ……なんだよ、まだ楽しめそうなヤツが居るんじゃねえか」
『ラーニング、開始』
「ラーニングだァ? ンな事させねぇよッ!!」
ラーニングってあれだろ?
学習して強くなっていくやつ。
それならこの戦闘、長引けば長引く程相手が倒しにくくなる訳だ。
それなら速攻、悪即斬だなッ!
「おらッ!!」
『防御、防御、防御、防御』
チッ……コイツ、ただ殴ってるだけじゃ勝てなさそうだな。
なんか、ヤケに硬いぞ……?
「チッ……それならッ! ―――“神帝武流・豪”ッ!!」
『防御―――ッ!?!』
力を込めた渾身の一撃を受けて、流石に無傷な訳も無く、武道家型の機械兵は攻撃を防ぎきれず、一気に後ろへと吹き飛ばされた。
そしてそこへ一気に叩き込む。
「―――“神帝武流・豪速”ッ!!」
『―――“シンテイブリュウ・ソク”』
刹那、我らはすれ違った。
今、一体何が起きた……?
機械兵如きが、我の技を使ったと言うのか……?
聞き間違いでなければ、コヤツは今確かに“シンテイブリュウ”と言った。
我のみが授けることの出来る“神帝武流”を、見ただけ受けただけでコピーしただと……?
「フッ……クハハ……クアハハハハッ! ―――舐めるなよ、鉄クズ如きがッ!」
『“シンテイブリュウ・ソク”』
機械兵はまた超速でこちらへ詰め寄ってきた。
だが、我は今少しだけ楽しくもあり、また、怒ってもいる。
だから、やられない。
「砕け散れッ!! ―――“神帝武流・撃”ッ!!」
向こうの到着スピードを読み、そのタイミングに合わせて我は拳を撃ち放った。
神気を纏った強烈な一撃が、我の読み通り機械兵に炸裂する。
『ガ……ガ……―――』
そして思いっきり打撃を喰らった機械兵は、ピキピキと音を立てて、そして呆気なく崩れ去った。
「フ……余裕だったな」
だが……まさか我の技を瞬時にコピーするとは、中々―――
「面白かったな」
さて、あとは残りの雑魚を殲滅して、ルヴェルフェやガネーシャと合流するとするか。
■
はい。ガネーシャことリアです。
絶賛機械兵殲滅中です。
「ほい、ほい、ほい!」
私のスキル、『時空』の効果でどんどんと雑魚を殲滅していってるけど……流石に数が多過ぎないかしら!?
『センメツ』
『センメツ』
『センメツ』
『センメツ』
『センメツ』
倒しても倒しても、次から次へと湧いてくるのだ。
ああもう、何で!?
ここって、城から一番遠い地区じゃなかったの!?
西側の一番奥ねって言われたから来てみれば……!
「ああもう……ダルいなッ!!」
ドガシャァァンッ!!
と、纏めて吹き飛ばしいくが、それでも全然足りないくらい数がいた。
もう戦争用に構成された軍勢が、そのまま私に襲いかかってきてるみたいだ。
でも……向こうが軍勢を使役すると言うのなら、こちらにだって秘策はある。
というか、私の前で「軍勢」だなんて、よくもまあ舐めてくれた物だ。
少しだけ本気を出したほうがいいのかもしれないわね。
「神将スキル……使い時はここかしらね」
『センメツ! センメツ! センメツ! センメツ!』
あーあ。もういよいよ隊列組み始めちゃったわよ。
これじゃあますます私が力を使わない訳にはいかないじゃない。
「いいわ、見せてあげるわよ。私の神将スキル……その力の真髄をッ!」
私の神将スキル……それは『群喚』と言うものだ。
……ルヴェルフェには悪いけど、技を教えるときあえて誤報をさせてもらったの。
まあ、手の内を一つでも多く隠しておいた方が有利だと思ったからね。
という訳でスキルは『群喚』なのだが……まあ効果は文字通りだから説明は割愛するわよ。
そんでもって、習うより慣れろ……って言うし、見たらわかるはずよ!
「とりあえず……刮目しなさいッ!!」
私がそう叫ぶと、目の前には無数の魔法陣が現れ始めた。
召喚用の魔法陣だ。
そしてそこから頭を覗かせたのは、無数の機械兵だった。
「さて……これでコピー完了ね。―――行きなさい、私のかわいい機械兵ちゃんたち。向こうの敵戦力を全て枯らすのよ!」
『センメツ、ジッコウ!!』
そう命令すると、忠実な複製機械兵達は進軍していく。
ちなみにここで少しだけ補足しておこう。
このスキルは、対象を指定して、その対象と同じ物を何体も何体も複製して召喚するという効果を持つ。
今回それで対象にしたのはもちろん“機械騎士”。
そして私が召喚した方の複製達は、本来のコピー元……つまり“オリジナル”よりもレベルが高く、私の力が強く濃く出ているのだ。
まあつまりは、最強なのだ。
「ふふん、これだけ召喚すればもうあとは心配要らないわね。さ、私は早いとこ誰かと合流しちゃいましょう」
もうこれ以上ここにいる必要が無くなったと悟った私は、すぐに飛び立ち、ひとまず西側地区の城側の方へ向かって飛び始めたのだった。
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