case.15-A 修行の成果【Side:Luminous】
Dまであります
全4話で次に繋がるかたち
さて……と。
早速地上へと降り立った俺は、周囲を一度グルッと見回した。
ふんふん……結構、魑魅魍魎……混沌とした状況になっているな。
機械騎士共は、どうやら目に入った敵を全部襲っているようで、逃げ遅れた人たちがソイツらに襲われているのが見える。
「キ……キャァァァァァァ!」
「ママァァァッ!」
まあ、当然このまま見過ごす訳も無い。
もちろん……助けさせてもらうさ。
新技とかも織り交ぜながら……なッ!
「―――“縮地”ッ!」
刹那、世界の時が止まる。
いや、止まっているように見える。
この技は、超高速で動くことの出来る力で、剣術の最高奥義だという。
“縮地”を使っている間は、他のどんな物よりも早く動くことができ、解除も任意で出来ると言う。
俺はこの技を、基本技能として師匠から教わった。
そして俺は今、その“縮地”を使いこなし、機械騎士に襲われている竜人の親子の目の前へと一瞬で到着した。
「無機物には、容赦しないぞ? ―――“一閃”ッ!」
“縮地”を解除し、右手に持った“シロガネノツルギ”を振るった。
為す術無く、機械騎士はガキン!と音を立てたかと思えば、すぐに真っ二つになって壊れてしまった。
何だ……案外脆いな。
「あ……ありがとうございますッ!」
「ああいや、気にするな。それよりも、早く安全な場所へ避難するといい」
「わ、分かりましたッ! ほら、行くわよ―――」
竜人の女性は、子供を伴って機械騎士の居ない方へと駆けて行った。
多分、もう大丈夫だろう。
それよりも、この数の機械騎士を一体どう殲滅してくれようか。
って……全員こっち向いてるぞ……?
『敵対勢力の確認―――』
『対象をロックオン―――』
『これより対象の殲滅を実行―――』
『ゼングン トツゲキ ッ!!!』
などと無機質に言い放ち、無数の機械騎士共は一直線にこちらへと駆けてきた。
クソ……もう作戦なんか考えてる時間は無いか……ッ!
もう適当に……それでどうにかなれ!
「“水切り”ッ!」
まずは群がってきた機械騎士共の何処かに、逃げ道を作る為に、水魔法を纏わせた刀で軽く横に凪いだ。
するとスパスパッと騎士たちは壊れていき、簡単に道が生まれる。
しかしそこへ今度は、一体の戦士のような風貌の機械兵が現れる。
「ぁ……? 戦士……?」
『サツリク……!』
うわ……っ! っぶねぇな!
その戦士は、巨大な大剣を軽々しく持ち上げ、そして軽々しく振り回してきた。
さらに俺が態勢を崩した所に、今度は量産型の騎士が襲いかかってくる。
『サツリク!』
『サツリク!』
「クソ……ッ! 数の暴力とは……また面倒くさいッ!」
どうにか一気に殲滅したいな。
……折角だし、あの技を使ってみるか……?
まあ、物は試しだ。
やってみてから考える事にしよう。
『サツ……リクッ!!』
「クソ……がっ!」
俺はそう叫びながら、剣を振り下ろしてきた機械戦士を蹴り飛ばし、そのままソイツを踏み台にしてジャンプし、天高くまで飛び上がった。
俺の眼下に、大量の機械兵共が群がっているのを確認した後、そのまま刀を直下に構え、一気に落下していく。
「行くぞ……ッ! “大和流剣術・一の調”―――」
俺はそのまま硬い地面へ向かって落下していき、刀をその勢いのまま突き刺した。
「―――『衝波』ッ!!!」
刀を突き刺した時の勢いで、そこを中心に衝撃波が生まれ、しかもその衝撃波が、斬撃の力を持った物となる。
一気に広がった衝撃波は、普通に斬った時と同じように、機械騎士達を両断していく。
しかし、中には賢いやつもいたようで、さっきの戦士型のやつや、さらには見たことのない奴まで現れて、ソイツらだけが残っていた。
多分、上手いこと躱したのだろう。
「チッ……流石にそう簡単にはいかねぇってか」
『―――フム。これより……殺戮を実行する。戦士達よ、小隊を作り、陣形を整えた後行動せよ』
『リョウカイ』
って……待てよ。何だアイツ……!
見た感じ、侍っぽいけど……めちゃくちゃ賢そうじゃんか。
てか、あの的確な指示……ありゃ早めに仕留めとかないと面倒だぞ……!
「―――先手必勝で行かせてもらうぞ……ッ!」
『フム。来るがいい』
チッ、その余裕そうな態度……何だかムカつくな。
その傲慢な高い鼻をすぐにへし折ってやるよ!
「―――“飛剣一閃”ッ!!」
『グゥ……ッ!』
侍型の周囲をグルグルと飛び回り、乱雑に斬撃を与えた。
俺の想像とは遥かに弱く、脆く、所詮は機械なのだろうと感じさせる程に、大したこと無かった。
侍型の機械兵は、俺のスピードに付いてこれず、ダメージを全身に、完璧に負ってしまっていた。
リーダー風の侍型の負傷によって、戦士や騎士たちの陣形は崩れるが、すぐにそのリカバリーをするべく、戦士型の小隊が乱雑に俺に襲いかかる。
「そっちがそう来るなら、こっちは―――」
戦士型や騎士型の軽く攻撃を刀でいなした後、俺は一度そいつらと距離を取り、再び大和流剣術の構えを取った。
次は地上から、一気にコイツらを殲滅してやる……!
「―――“大和流剣術・三の調”」
今度は低い位置に腰を据え、刀を地面と水平になるように構える。
そして動き出す瞬間だけ“縮地”を使い、瞬時に機械戦士の小隊の真後ろに立った。
その、たった一瞬の動きで、俺は全ての機械兵を切り捨てた。
「―――『閃光』」
カッコよく刀を納刀した後、俺は振り返った。
ガギギギギ!という歪な音と共に、機械戦士達は真っ二つに崩れ去っていった。
残るは雑魚の機械騎士共と、リーダー風の侍(手負い)だけだ。
フッ……何だ。全然余裕じゃないか。
「あとは掃討戦、って感じだな。サックリと終わらせるとしますか……ッ!」
思ってたより敵が弱くて、気づけば結構居たはずの機械騎士やその他の軍勢は、次々と消えていった。
バッサバッサと凪ぎ倒していくその様は、まるで無双ゲームのキャラか何かのような感じだ。
敵が弱すぎるのか、はたまた俺が強くなり過ぎたのか……。
まあ、何にせよ。とりあえず俺の担当地区は余裕で片付きそうで良かった。
あとは、他の皆がどうなってるか……。
心配、というよりかは楽しみだな。
他の皆も、修行の結果が出てればいいが―――
ブクマぁぁぁぁぁ高評価ぁぁぁぁぁ!
せっかくですから押してってくだせぇ……




