case.14 機械騎士暴動
あとがきにおしらせあり!!
―――あ、もしもし。聞こえてるー?
うおっ……! だ、誰だッ!…………って、その声……まさかお前―――
―――ん。僕だよ僕、ルヴェルフェだよ。
やっぱりルヴェルフェか……。驚かせるなよ。
―――別に驚かせるつもりは無かったんだけどねぇ。
で? 突然通信魔法なんか寄越して、一体どうしたんだ?
―――どうしたんだ……って。魔王様に頼まれてた“アレ”、多分準備出来たよ。
マジでか? もう、行けるのか?
―――うん。僕とリアとディラで調整しといたから、後は発動さえすれば、放置してても起動してるはず。
ナイスタイミングだ、ルヴェルフェ!
そろそろ発動したいとは思ってたんだよ!
―――ふーん。そりゃ良かった。それじゃ後は魔王様の方から合図を頂戴。それもらったらこっちも起動させて合流するからさ。
了解した。多分、すぐ合図を送ると思うから宜しく頼むぞ。
―――了解。それじゃあまた後で。
突然のルヴェルフェからの通信で驚いたが、どうやらアレの準備も整ったようだ。
後は、それを発動させて、この国の民たちに“徹底抗戦軍”の活躍を見せつければいいだけ。
簡単な話だ。
さて……視界の奥で狼狽えているお貴族様たちを、アマクサとイクサは一体どうするのか……。
それ次第では、今後の動き方も変わってくるからな。
「―――わ、我らは……ッ!」
ぁ……?
アマクサやイクサが声を上げるかと思っていたが、意外にも最初に喋り始めたのはその狼狽した貴族共だった。
「―――我らは貴様らに殺されたりもしないし、捕まりもしないッ!」
「ふざけるなッ! 今まで貴様らがして来た行い……数々の悪行を黙って見過ごす事など出来るかッ!!!」
「うるさいッ! 我らが正義と唱えば、それはもうこの国では正義なのだッ!!」
「何をふざけたことを……ッ! そんなの正義でも何でも無いッ!」
「違うッ! これは正義だ……国王様が決めた事なんだ……。正義……正義……正義の執行だ……ッ!」
そう叫ぶと、その男は体の向きをぐるりと変えて、後ろを向くと、そのまま窓……? いや、カーテンの方へとドスドス歩いていった。
何だ? 自殺でもするつもりか……?
なんて呑気に考えていたが、直後その考えは消え去った。
「―――備えあれば憂い無し……。戦いとは、準備がより整っている方に戦況が傾く物なんだよッ! いいか……刮目せよ。これが、我らが長年開発してきた人造の兵隊。殺戮マシーンの、《機械騎士》だッ!!!」
そう言って、男は目の前のカーテンを引きちぎった。
ガシャッ!と音を立ててカーテンは崩れ去った。
そしてその先にあったのは、窓なんかでは無く―――。
「―――なる程。そう……来たか」
ロールプレイ継続中のまま動揺してみせた俺は、内心結構ドキドキしていた。
目の前に現れたのは、窓なんかでは無く、“倉庫”のような物だった。
そしてそこには、男が言ったように、機械造りの騎士が沢山居たのだ。
だがまだ起動していないのか、動く気配は微塵も無い。
「クッ……クハハッ! この国を支配する為に開発したこの“機械騎士”を全機投入するッ! おいお前たち、コイツらを起動しろッ!」
「「ハッ!!」」
リーダー風の男が、後ろに居た二人の男にそう言うと、その二人は急いで倉庫の方へと駆けて行った。
そろそろこっちも動き出さないとマズそうだな……!
「アマクサ、イクサッ!」
「な、ど、どうしたッ!」
「多分この後暴動が起きる。だから俺たち魔王軍はそれを鎮圧してくる! お前たちはこの場で待機して、あのお貴族様達を監視しててくれッ!」
「だ……だが―――」
「アマクサッ! 今俺たちが話さなきゃいけないのはあの調子者共だッ! 魔王、そっちは全部任せても良いんだなッ!?」
たじろぐアマクサの代わりに、イクサが対応してくれた。
当然俺は頷いて返す。
「ああ、任せておけ。修行の成果を発揮したかった所だしな!」
「それでは頼むぞッ! コチラは俺たちに任せておけ」
「了解!」
イクサとの会話を終えると、次はヤマトとベルゼリオの方を向いた。
「さて、ヤマト」
「我はどうするかな?」
「アンタもここに残っててくれ。有事の際、実力者が一人でも多い方が安心出来るからな」
「……心得た。ここの監視・護衛は我に任せておけ」
「ああ、任せ―――ましたよ、師匠ッ!」
「―――ほほ……良いの。久々に滾るわい!」
別にたたかうわけでは無いのに、ヤマトは何故か燃えていた。
まあ……別にいいんだがな。
「さて……後はベルゼリオだが―――」
「我は、如何様な命令でも受けます故、何でも仰って下さい」
「ウム。だが、少しだけ待ってくれ」
「ハッ」
一度待機してもらって、俺はすぐにルヴェルフェたちに通信を入れた。
―――俺だ。聞こえるか? ルヴェルフェ、応答願う。
―――あー、あー、聞こえてる?
お、ああ。聞こえているぞ。
―――えっと……そっちから連絡が来たってことは……?
ああ、想像通りだ。
アレの発動を頼む。
―――了解。今から国中に展開するよ。
あー、後それを起動し終わったら、俺たちの方へと来てくれ。
なるべく早く、な。
―――あいあい。善処しますよ。それじゃあ。
と、そこで通信が切れた。
そしてその直後だった。
―――ブゥゥゥゥ…………ン。
という怪しげな音が響いたかと思えば、倉庫の方からガシャッ、ガシャッという金属の足音が響いた。
「―――さあ、殺戮の時だッ! お前たち、全軍突撃せよッ!!!」
『ギ―――ガ…………コロ……ス。ニンゲン……コロスッ!!!!』
先頭にいた機械騎士がそう言って、窓の方へと駆けて行った。
そしてガシャァンッ!と激しい音を点てて窓を破壊し、そこから国内へと放たれていく。
次々と機械騎士たちが、国内へと侵攻していき、状況は刻一刻と悪くなっていく。
と……さらにその直後だ。
「な、何だコレ!!」「誰かが映ってるぞ……!」「おい、盗撮か何かか!?」
と、国内で声が上がっていた。
どうやらルヴェルフェたちも動き出してくれたようだ。
ちなみに何を頼んだか。
それは、いわゆるライブビューイングというやつだ。
俺たちの戦いや反乱軍の活躍を、リアルタイムでシュデンの国民に共有出来るように、ルヴェルフェたちに作成をお願いしていた魔法。
投影魔法と撮影魔法、それに複製魔法の組み合わせによって、国中に、SF作品で見るような電子のモニターが現れ、そこに中継映像が流れる仕組みになっている。
という訳で、今この城内や国内は中継されているのだ。
ちなみにカメラ担当は、ガネーシャの配下たちのようだ。
「さて、ベルゼリオ」
「どうしました?」
「準備が完全に整ったようだ。我らはこれより、修行の成果を発揮するべく、現在も尚解き放たれている無数の機械騎士共を殲滅する」
そして俺はそのまま窓の外を見た。
「ここから見たら分かりやすいが、この国は6つの地区に分かれている。そして機械騎士共は国中へと散らばっている。それを全て線滅するとなると、流石にバラけた方が効率は良くなるはずだ。幸い、今目的が無いメンバーは俺たちを含めてちょうど6人居る。まあ、つまりは―――」
「一人、一地区。制圧をすると言う事ですね?」
「フッ、その通りだ。ミカエラ! お前もそれでいいな?!」
ボーッと立っていたミカエラを見て、俺はそう問う。
すると、ミカエラはハッと我に返ったように俺の方を向き、脳死で、
「うん!」
と無邪気に答えてきた。
「よし、それじゃあルヴェルフェたちには後で通信魔法で担当地区を伝える! ミカエラとベルゼリオはこの城から東側の二地区をそれぞれ担当してくれ!」
「畏まりました」
「オッケー!」
そう言って二人は、壊れた窓の外へと飛び出して行った。
それを見届けた俺は、すぐにルヴェルフェたちへと連絡を入れる。
―――おい、ルヴェルフェ!
―――……ああ、魔王様? どうしたの?
よかった、通じたか。
お前たち、もう移動は開始してるか?
―――いや、ちょっと込み入った事情があってね……ってか……今襲われてるんだよねッ!
襲われてる……って、機械騎士にか?
―――ああ、そうそう。機械仕掛けの騎士に襲われてるんだよ!
ちょうどよかった。お前たちにも作戦を伝えよう。
少しだけ聞いてくれ!
―――了解……?
そうして俺は、ルヴェルフェと近くにいるらしいリアとディラにも作戦を伝えた。
三人には中央から西側の三地区をそれぞれ担当してもらう事にした。
―――あー、なるほどね。オーケーオーケー。任せといて!
頼んだぞ! それじゃあまた後で合流だ!
―――おいすー。
通信を終えた俺は、そのまま窓の下……この国の中央地区を見て、収納魔法から剣を取り出した。
「さて……俺も暴れるとしますかね……ッ!」
そう、不敵に笑いながら窓の外へと落ちていく。
いよいよ、修行の成果の発揮どころだ。
2/1〜 新編集版「転生魔王」始動
(加筆修正を加え、一日3回の更新)
+
通常通りの最新話更新
4/1〜 新作「(仮)」始動
(ラブコメ×異世界召喚 逆無双)
一応予定ですが、こんな感じにしたいなと思ってます!
まだ予定なので未定ですが!
できればやりたいなと!!
お楽しみに!
ついでにブクマや高評価もしてってくれー!




