case.5 目覚めた時のお話
新年一発目!
ドデカイお年玉爆弾投下です!
目が覚めた時、俺は広い草原の真ん中で寝ていた。
この感じは何度目だろう。
長い眠りから目覚める、この感じは。
重い体をゆっくりと動かし、起き上がる。
そして視線を下に向けると、ふと気が付いた。
「ミカエラ……」
隣には、ミカエラが寝ていたのだ。
ああ、そう言えば。
と、俺は少しずつ何が起きたのかを思い出していった。
確か、俺はミカエラを完全に『支配』して、それで―――
「誰かが、助けてくれた……?」
ポツンと呟きながら、今度は立ち上がった。
すると、背後に強烈なオーラを感じる。
寝起きの身体に鞭を打ち、即座に振り返って戦闘態勢を取るが、それは全くの無駄になった。
「落ち着け。我はもう貴様らの敵ではない!」
「えっと……お前は―――」
全体的に金色をしていて、上裸ってことは……
でも、なんか身体が一回り小さくなったような……?
「インドラ……だよな?」
「うむ。我の名は神帝インドラ……現在はディラの名を名乗っている!」
「ディラ……?」
寝起き早々、訳の分からない状況で、若干困惑してしまう。
が、そこでようやくとある事実に気が付いた。
インドラの裸体には、ところどころ血液が付着していて、さらに足元には一つの木箱……いや、救急箱か―――が置いてあった。
つまり、この事実をそのまま整理するなら、インドラが俺たちの治療をしてくれたという事になる……のか。
「そっちはもう大丈夫そうね」
「ああ。お前は戻ってていいぞ」
「りょーかい」
上空から声がしたので、インドラに続いて俺も空を見上げると、そこには一人の女がいた。
怪しい美女……一言で言うなら、こうなる。
ボンキュッボンなダイナマイトボディのお姉さんがそこには居たのだ。
「はぁい、私の事が分かるかしら?」
「えっ……?」
マズい、全く見当もつかないぞ。
あーいや、でも待てよ……?
インドラと親しげに話していて、なおかつこの場に居るということは……
まさか―――
「まさかお前、あのガネーシャ……なのか?」
「ピンポーン! だいせーいかーい!」
「嘘……だろ」
何だこの異様なまでの変わり具合は。
インドラが全然変わってないのに対して、お前は変わりすぎたろう!
「ちなみに今は、ガネーシャじゃなくてリアって名乗ってるわ。ガネリアのリアね」
「リア……?」
ダメだ。
本当に頭がこんがらがってきた。
「あはは、いきなり情報ブッ込み過ぎたかしらね。ごめんなさいね、私は一旦離脱させてもらうわ。落ち着いたらまた話しましょ」
「え? ……あ、ああ。助かる」
俺がそう言うと、「またあとでー」と言いながら去っていったリア?。
「我も少しだけ席を外しても構わないか?」
「え……? 別にいいが、何をしに?」
「見ればわかるだろう! 汚れを落としに行くのだ!」
「あ、ああ。すまない、ゆっくりと洗ってきてくれ」
「うむ。それでは遠慮なく」
そう言うとディラ?も何処かへ行ってしまった。
ただ一人、訳の分からぬまま俺は草原にポツンと取り残されてしまう。
いや、正確には一人では無いか。
隣にミカエラが―――
「ん……ぅん……?」
と、そこで丁度ミカエラも目を覚ました。
「起きたか?」
「ぅ……ぅん……?」
どうやらまだ寝ぼけているらしい。
虚ろな目で辺りを見回している。
そしてゆっくりと体を起こし、次第に目には光が戻ってきた。
「ぁ……れ? わたし……生きてる……?」
「はは、お前寝起き早々何言ってんだ……って言いたい所だけどな。俺も同じ気持ちだ。―――おはよう、ミカエラ」
「おは……よう?」
そう返しながら、ミカエラは涙をこぼしていた。
一筋の涙が頬を伝う。
そしてのろのろと立ち上がった後、ゆらゆらとこちらへ歩み寄ってきた。
「生きて……て……よかったよぉ…………!」
ポスッと俺の胸の中に収まったミカエラ。
その反応が、ミカエラがどれだけ苦しめられていたか、辛かったかが分かって、俺はすぐに彼女を慰めることにした。
「はは、そんなに泣くなよな」
頭をポンポンとしながら、俺は笑いかける。
するとミカエラは、上目遣いでこちらを見つめてきた。
「貴方が……助けてくれたの?」
「あー、それは……半分正解で半分間違い、だな」
「どういうこと?」
堕天使の状態から救ったのは確かに俺だ、だが、共倒れした後に俺たちを助けてくれたのは、神帝インドラや他の仲間たちだ。
と、ミカエラに説明した。
するとミカエラは、
「でも……私を助けてくれたのは、貴方なんでしょ……?」
「ああ、一応そうだな」
「それなら―――」
そう言うと、ミカエラは俺から離れて振り返ってしまう。
「―――やっぱり、こんなのおかしいわよ……」
そんな呟きが風に乗って聞こえてきた。
だから俺は、ついその事を聞いてしまった。
「何が……おかしいんだ?」
「えっ……? ―――〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!! べっ、別に何でも……何でも……」
「何でも……?」
「何でも無くは無いけど……でも……!」
キッと俺を睨み、拳に力を込めたミカエラ。
「この気持ちに、ケリをつけてあげるわ……!」
「この気持ち……?」
「こっちの話よ!」
力強くそう言ったミカエラは、握り拳を作ったままこちらへと歩いてくる。
一体何が起こるのか、と俺はつい身構えてしまうが、それは杞憂に終わることになった。
なぜなら。
「んっ……!」
「ッ……!?!?!?!?!??!!?!?!」
彼女が突然、俺の唇を奪ってきたからである。
「っはぁっ……! 一体……何を……!」
「これで……嫌いに…………」
一体、さっきからコイツは何の話を―――
「―――無理よ……。嫌いになんて……なれるわけ、ないわよぉ…………!」
そんな、嗚咽の混じった泣き声が、戸惑う俺の前で響くのだった。
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