case.4 準備と復活
★年内最後の更新になります!
明日、年末の更新はありません!お気を付けて!
年内最後なのに、あんまり面白くない話です……
流し見してください……
「さて、それでは早速修行開始と行こうか」
話が終わると、すぐにヤマトはそう言ってきた。
「もうか!? 流石に早すぎじゃ……」
「いや。今から始めても時間が足りるかどうか……。我らの動きにヤツが気づいたらその時が最期。だから、ヤツが気づくまでの間に強くなっておかねばならない」
「うっ……」
確かにその通りだ。
反論の余地が一切ない。
「で……でも、修行するって言ったって、一体何をするんだ?」
「そうじゃな……確かに、ベルゼリオへの稽古は簡単じゃ。同じ剣を扱う者として、ただその道を鍛えあげれば良い。だが、御主は剣など全く使わないのだろう?」
「ああ。僕は剣じゃなくて魔法の方かな」
「なら……そうだなぁ……」
ヤマトは顎を指でさすりながら考えていた。
「ハーデスの能力は強力じゃ。何百、何千の死神の軍隊を操り、来る者去る者を一匹たりとも逃したりはしない……そんな力じゃった」
「ああ。その話は僕たちも聞いている。《十二神将》の中でも最強クラスの“能力”なんだってな」
「そうなれば、まずはそのヤツの軍隊を屠る事の出来る力と、それに長時間の戦闘に耐え得ることの出来る忍耐力が必要だな」
「その修行をする……ってことか?」
前者は面白そうだが、後者は正直ダルそうだな。
「うむ……。しかし、我ら里の民は剣術以外学んだ事が無い故、一体どうしたら良いか……」
「ああ、それなら僕一人でも―――」
そう言って、僕が一人になろうとした瞬間だった。
「―――それなら、私が教えてあげるわよ」
そう言って、部屋に飛び込んで来たのは、ガネーシャ……改めリアだった。
「お前が……? 一体どういう事だ。それに、魔王たちの治療はどうなっている」
「ああ、それなら―――」
そう言って、リアは後ろを振り返った。
それに釣られて僕たちもそっちの方を見た。
するとそこには、
「ふははははは! ふははははは! 鈍っている身体を存分に動かすのだー!!!!」
「容赦ねぇなぁ!?」
「ちょ、酷いわよ!?」
と、楽しそうに追いかけっこをしていたインドラ……改めディラと、いつの間にか元気になっていた魔王ルミナスとミカエラが居た。
当然、僕は治療が完了した事に驚いていたのだが、僕よりも驚いているヤツがここに一人居た。
「―――我が主。我があるじィィィィィイ!」
「ぐぁっ」
僕を簡単に吹き飛ばして、ベルゼリオは家を高速で出ていってしまった。
「いったた……クソ、何なんだよ……!」
「それだけあの魔王が大事な存在って訳でしょ。それよりもじいさん。一つ聞いていいかしら?」
倒れている僕を横目に、リアはヤマトに向かってそう言い放った。
「なんですかな?」
「あの……なんて言ったかしら、“秘伝の霊薬”? あれって、一体何なの? あれを使った瞬間、みるみる内に傷が治っていたんだけど」
ああ、あれか。
あの小さな木箱に入っているって言ってた。
「ほほ、あれですか……。あれは……本当に“秘伝の霊薬”なのですよ」
「どういうこと?」
「……それが、我にも分からないのです。その霊薬の作り方を知っているのは、今は亡き里の民……その長である長老のみでしたもので」
「今はもう亡き……か。ごめんなさい、嫌なこと聞いちゃったわね」
「いえ、お気になさらず……。まだ霊薬の残りはある故、二つの消費なら全く問題ないので」
「そう? それなら良かったわ……かなりの効力だったから、使ったあとちょっとだけ心配だったのよね」
そう言って、リアは手を振って僕の方へとやってきた。
「それじゃあまあ、そういう訳で話を戻すけど。私が貴方に魔法を教えてあげるわよ」
「いいのか?」
「ええ」
「……そうだな……。《十二神将》の教えを受けるチャンスなんて、そうそう無いだろうしなぁ……」
ここは稽古をつけてもらって、そこで何かハーデスに対する有効打の計算とかをしようか。
魔法が扱えるリアとなら、何かを思いつくかもしれないしな。
「よし。それじゃあお言葉に甘えて……リア。頼めるか?」
「ふふん、任せておきなさい。私が強いってこと、ハッキリと証明してみせるわ」
そう言って自信満々に胸をポンと叩いたリアは、早速修行をするべく、家の外へと出ていった。
「ほら、早くアンタも来なさい!」
「あいよ」
リアに急かされて、僕は渋々家を出るのだった。
さあ、修行の始まりだ。
■
「さてと……」
ヤマトは家の壁にかけてあった一本の白い刀を取り、家の外へとゆっくり出た。
そして楽しそうに追いかけっこをしている四人の下へ、瞬時に近寄る。
―――シュン!
という風を切る音が聞こえる位の高速で、ヤマトはそこに現れた。
「し……師匠!?」
ベルゼリオがヤマトの存在に気づき、そしてそれに続くようにルミナス、ミカエラ、インドラが気付く。
「師匠、どうなさったのですか?」
四人の中で唯一のヤマトとの顔見知りであるベルゼリオが、そう言った。
ヤマトは、四人……いや、正確にはインドラ以外の三人を一人ひとり見てから、答えた。
「修行を、しようか。一分一秒たりとも無駄には出来ないからな」
「しゅ、修行……ですか。我は構いませんが……、どうなさいますか、我が主よ」
「そうだなぁ……ひとまず、修行よりもお礼と状況確認、それから今後の予定をそれぞれ聞きたい、かなぁ……」
ルミナスはそう言った。
確かになるほど、とヤマトは思う。
「フム。確かに我も、貴方とはお話したかったのですよ」
「俺と?」
「ええ。だって貴方、ここへ来たときはかなりの傷を負ってましたからね。それにそちらのお嬢さんも」
「あ、ああ……そういう」
「ですから、少しでもお話を聞ければなぁ、と思いましてね」
ヤマトがそう言うと、ルミナスは若干戸惑いながらも、こう答える。
「アハハ、大した話も出来ないと思いますが、それでもよければ」
「ええ、ええ、是非ともお願いしますよ」
そうしてルミナスとの約束を取り付けたあと、ヤマトは再びこう言ったのだ。
「それでは退屈かもしれないが、またあのログハウスでお話といきましょうか……」
そう言うと、五人はログハウスへと向かって歩み始めた。
どうやらまだ話は続きそうだ。
今度は、魔王ルミナスと、神帝インドラ、天帝八聖ミカエラの三名を加えて。
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それではよいお年を!!




