表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
165/369

case.15 VS群神ガネーシャ




『―――インドラ。これはどういう状況なのですか?』


『見たら分かるだろうッ!! 我がッ! 雑魚を淘汰しているのだッ!!』



 言われてガネーシャは、改めて今の状況を確認してみた。



 確かにインドラの言葉に偽りは無い。



 小人族ドワーフ、“竜人族トール”、“妖精族エルフ”の三体を一人で圧倒しているようで、無傷のインドラに対して、かなりのダメージを負った様子の敵三体。



『フン、最初こそ苦戦したものの、やはり我が軽く力を出せば、コイツらなどそこら辺を転がっている塵芥同然よ』


『じゃあ何で私を呼んだ』


『―――その方が、面白いと思ったからだ』






 最悪だ……。


 人のせいにするつもりは無いし、事実全員が弱かっただけの話なのだが、レヴィーナが機能しなさ過ぎる……!



「ハァ……ッ……ハァ……ッ」


「おい、何へばってんだよ……この程度で疲れてるようじゃ、天才の名も廃るぞ?」


「うるっさいわね! アンタたちと違って“神化”してないんだから、弱いのも疲れるのも当然でしょうっ!?」


「おい、今はそんなくだらない話をしている場合では無いぞッ!」



 インドラ一体でも相当キツイってのに、群神ガネーシャまで来るなんて、最悪中の最悪。まさに“災厄”だ。



『フン、まあいい。この前のお詫びという事で付き合ってやるさ』


『感謝するぜ。これでも一応、コイツらは魔王軍の幹部だからな。これ以上の力を秘めている可能性だってある訳だ』


『確かにな。見たところあのエルフの娘だけ、自身に強化を掛けていないようだからな』


「うっ」



 なんか神々の会話でレヴィーナがダメージを受けている。


 図星を突かれたからか。



「……やっぱり、使った方がいいのかしらね」


「ああ、出し惜しみはしない方がいいぞ」


「ウム。生か死か、選ぶのは簡単なはずだ」


「そうか……そうよねぇ……。相手は、《十二神将》なんだもんねぇ……」



 しばらく、俯向きながら考えていたレヴィーナだったが、やがて決心したように立ち上がり、そして神々を見て、拳を握った。



「いいわ、やってやるわよ」


「フッ、どうせ使うなら最初から使っていれば良かったのにな」


「いちいち煩いわね、アンタ」



 まあいいわ、そう言いながらレヴィーナは魔力を解き放った。



「久々ね、これを使うのは」



 そう言いながら、レヴィーナは躊躇いも無く服を脱ぎ捨てていった。



「前振りは無しよ。ルヴェルフェ、ベルゼリオ……一気にアイツらを叩くわ。ついてこれるかしら?」



 一枚一枚着ているものを脱ぎ捨てながら、レヴィーナは僕たちを煽るようにそう言った。


 そんな質問あおりに、僕は言ったやった。



「ハッ、笑わせるな。お前こそ僕たちについてこれるのか?」


「あら、言ってくれるじゃない。―――いいわ、どっちが強いかハッキリさせましょうか」


「望むところだ」



 そして、レヴィーナは全ての服を脱ぎ終え、神化を始めた。




「ふぅっ……さて、始めましょうか」


「ああ」



 僕たちもレヴィーナに続いて並び立つ。


 再び“神化”の重ねがけをする為だ。



「準備はいい?」


「我はいつでも」


「僕もいけるよ」


「それじゃあ―――」



『ほう? まだ諦めないか……面白いッ!』


『私が来た甲斐もまだありそうだな!』



 神々の視線が、僕たちに集まる。


 そして魔力が高まり、全ての準備が整った瞬間、僕たちは一気に叫んだ。




「―――『邪神化』ッ!!」


「―――『龍神化』ッ!!」




「―――『妖神化』」




 刹那、オーラの柱が立ち上がり、僕は黒、ベルゼリオは青、そしてレヴィーナは紫の光に飲まれてしまう。


 やがてそれが収まった時、僕とベルゼリオに変化は無く、ただスキル効果の延長が出来ただけなのだが、レヴィーナには大きく変化が訪れていた。



 紫炎が彼女の裸体、その秘部を包み隠し、スレンダーな肉体は妖艶な、豊かな肉付きをしている。

 ハッキリ言えば、胸と尻がデカくなって、もともと細かった腰がさらに強調されている形となっているのだ。


 これがレヴィーナの神化、『妖神化アヤカシガミ』の状態だ。



 この状態になると、ありとあらゆる“妖術”を使いこなし、一筋縄じゃいかない相手と化すのだ。



「―――だから負けた気になるから嫌なのよ」



 僕たちの視線を感じたのか、レヴィーナは呆れたようにそう呟いた。


 十中八九胸の事だろう。


 もともと控えめだったレヴィーナの胸は、神化する事で大きくなる。



 それを彼女は嫌だと言っていたのだ。




「まあいいわ。あまり持続時間も少ないし、さっさと終わらせましょう?」


「あ、ああ」


「心得た」



『準備は、整ったようね』


『我はあの女を叩く。貴様は残りの雑魚を相手しておけ』



 チッ、僕たちはもう雑魚扱いかよ。


 まあいい、事実は事実だ。

 今更あーだこーだ言うつもりは無い。


 だが、やはりこのまま負けたままというのも癪だ。



「ベルゼリオ、少しばかり本気でいこうか」


「無論、負けるつもりは毛頭ない。我も最初から本気でいかせてもらう」


『いいわね、貴方達。面白いわ、纏めて潰してあげるッ!!』



 そう言って、ガネーシャは突っ込んで来た。


 気づけば隣ではインドラとレヴィーナの戦闘も始まっている。



 それを確認した僕は、すぐにガネーシャへと視線を戻し、戦闘態勢を取る―――が、ガネーシャは視界から消えていた。




「―――ッ、何処に行きやがった……!」


「分からない。だが、警戒だけはしておけ。自身の周囲全部だ」


「了解……!」



 確か、先日インドラと戦闘したときにもコイツは居たはずだ。


 その時も姿が見えなかったから、少しばかり考察はしていたが―――マジで一体何の力だ?



「透明化か……?」


『クククッ! あんまり考え事をしていると―――』



「―――右だッ!!」


『遅いッ!』



 僅か数秒の内に、ガネーシャとベルゼリオの声が飛び交い、かと思えば直後、僕の横腹は強烈な痛みに襲われた。



「グハァッ……!」


「ルヴェルフェッ!」


「だい……じょうぶだッ! それよりも……次の攻撃に備えておけ……ッ!」


「了解したッ!」



 僕は自身に回復魔法を掛けながら、周囲の状況を見回す。


 やっぱりガネーシャは居ない。



「何だ……この神は何の力を使っている……?」


「チッ……もどかしい……ッ!」



 どこから来るか分からない恐怖が、ベルゼリオの焦燥感を煽り、身体の節々に隙を作ってしまっていた。



「ベルゼリオ、焦るな、落ち着け」



 僕は回復を終え、ベルゼリオの背中に僕の背中を合わせながらそう言った。



「……むぅ……」


「いいか、落ち着いて音を聞け。目が駄目なら耳を使えばいいだろう?」


「音を……聞く」



 ベルゼリオは、僕にそう言われて目を閉じた。


 恐らく音に集中し始めたのだろう。



 その間に僕は、この状況を打開する策を考えなければ……。




 まず、一番に思い当たるのはやっぱり透明化だ。

 それか、もしくは気配隠蔽系の魔法を使っている……そうとしか考えられない。


 が、もし仮に、神にしか扱えないスキルや力があるのだとしたら、それの可能性も大いにある。



 となれば、ひとまずは前者の対策の為、“呪術”を使い、さらにそれと同時に後者であった時の為に、相手が見えなくても戦闘できるようにこちらも“呪術”を使おう。




『―――フッ!!』



 と、ここまで考えたところで、少し離れたところからガネーシャが姿を現した。


 方向はベルゼリオの左斜め前。



「―――ベルゼリオッ!」


「任せろッ!」



 即座に僕の声に反応したベルゼリオは、驚異の身体能力でガネーシャを躱し、追撃を狙う。


 が、攻撃を躱されたガネーシャはすぐに消えてしまい、また元の同じ状況に戻ってしまう。




「クソッ! ちょこまかちょこまかと逃げるとは……! 卑怯だぞッ!!」


「だから落ち着いてって。今からその対策をするから」


「対策だと……?」


「ああ、対ガネーシャ用の作戦だ」



 言いながら僕は、腰から短剣……クロノダガーを取り出して笑った。




「―――だから、お前は僕を全力で守れ。僕史上最高の“呪術”を見せてやるよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ