case.5 からまるこうさく前編
タイトル思いつかなかったんだ……
《レヴィーナ視点》
―――二つのチームが“呪占迷宮”に入る、さらに一時間前―――
「さて、早速で悪いんだけど、少しだけ休暇を頂いてもいいかしら?」
「それは、どうして?」
私は、《発展チーム》のリーダーとして今ここに居るメンバー、アスモデウス様・月夜ちゃん・ラージエリ・スレイドの計四名を纏め上げて、上手くこの国を発展させる予定なのだが……。
私はチーム別行動が開始して直後、少しだけ“面白いこと”を見つけたから、そっちが少しだけ気になってしまったのだ。
だから、お休みをいただこうとした。
と、皆に伝えた。
すると、
「まあ、いいんじゃない? 結局、今一番この国に欲しいのは、国として他国に認められるだけの実力や地位でしょ? それなら、わざわざこの国に留まって策を考えても無駄だろうからね」
とアスモデウス様が言ったので、私は肯定する事にした。
「そうですよね。とにかく今は動いて、国民を集めたり、技術者を集めたり、他国の偵察をしたり……やるべき事はたくさんありますよね」
「うん、だからいいんじゃない? 実質このチームは休暇チームと言っても過言ではないだろうからね」
う……確かにそうだが。
まあ、天才である私からしたら、この国を発展させる事なんて容易い事だけどね!
「レヴィーナ、私も共に行動しても宜しいですか?」
「え? ……まあ、別にいいけど……どうして?」
突然同行を求めてきたラージエリに、私は疑問を浮かべた。
すると、ラージエリは、耳元で小声でこう囁いたのだ。
「―――“面白いこと”って、“彼ら”の事でしょう?」
「―――ッ、バレてたのね」
「そりゃあ……ねぇ?」
まさか、ラージエリに気づかれてるとは。
もう、二人で楽しむとしますか……。
「―――分かったわ。それじゃあ、行きましょうか」
「ふふ、ありがとうございます」
そう、私たちは不敵な笑みを浮かべながら、二人でとある場所へ向かって飛び立つのだった。
「それじゃあ、早速行ってくるわ。皆も自由にしてて!」
「了解しました!」
私の言葉に、スレイドさんが肯定する。
それを受けて私とラージエリは飛び立つ。
「さ、面白いことになりそうよ……?」
「ええ、そうですね……!」
「にぃ、ちゃんとやってるかなぁ」
……?
一人……多い―――って!!!
「月夜ちゃん!?」
「自由にしていいとのことだったので! 私、白夜にぃの妹として同行させてもらいます!」
なんて言いながら、月夜ちゃんが飛んでいたのだ。
「月夜ちゃんが……空を!?」
「あ、はい! 『飛翔』のスキルを習得しましたので!」
「えっ!? ど、どうやって……!?」
「飛びたいなと思ってたら、ゲットする事が出来ましたよ?」
思ってたらゲットした……?!
そ、そんな夢のような話が―――
「いや。―――【巫女】の力なのかもしれないわね」
「ああ、なるほど。それで……」
巫女なら、有り得なくはない。
とにかくまあ……真相は分からないが、着いてきてしまった以上は連れて行くしかないだろう。
―――それで、肝心の目的だが。
私はさっき聞いてしまったのだ。
白夜とラグマリアが、サタン様をボコボコにしたあと、《中央商帝国アルマス》にデートに行くと。
これは保護者として見守るしかないイベントではないか。
だからこそ、面白いことと称して尾行でもしてやろうかと思っていたのだが……。
どうやら感の鋭い二人が着いてきてしまった。
まあ、ラージエリも月夜ちゃんも、尾行対象の姉・妹だからってのもあるかもしれないが、なかなか感が鋭かったな。
と、いう訳で、私たちはこれからアルマスに向かうのだ。
わかったかしらね?
それじゃあ飛ばすわよ―――ッ!
■
「もし……そこを征く旅のお方よ」
アルマスについた私たちは、突然全身ローブのかすれ声の人物が手招きしながらこちらを見ていた。
「なあに?」
「こちらのアトラクションは如何ですかな?」
「……巨大迷路……?」
いや……ただの巨大な迷路じゃない……。
この気配は、何かがある……。
理由は単純。
私のスキル、『危機感知』『罠検知』スキルが反応しているからだ。
それに、『気配感知』のスキルが、この眼色内からの反応が無い。
ということは、これだけ巨大で目を引くのに、人が居ないという事になる。
それはつまり……
「二人とも、調べてみましょう」
「あれ、でもにぃたちは―――」
「―――ヒヒヒッ、三名様ご案内……」
そう言って私たちは、ローブマンに連れて行かれて、巨大迷路……“呪占迷宮”へと足を踏み入れるのだった。
■
【第一問】『女の子と手を繋ぐ方法は?』
「……なにこれ」
迷宮内に入るなり、こんな変な質問が書いてある石板を見つけた。
「これで謎解きのつもりなのかしらね」
「ふふ、確かにバカバカしいですね」
「あ、二人とも! 左に道があるよ!」
月夜ちゃんが、左の細道を指差しながらそう言った。
私は一度周囲を確認し、前方正面の扉は鍵が付いていて、右側の道は、左側の道と同じく進めるようになっていたのだ。
『罠検知』のスキルには何も引っかかっていない。
となれば、左右の道のどちらかに進めばいいのだろう。
まあ、せっかく月夜ちゃんが左って言ってくれたから……左に行ってみましょうか。
「―――二人とも、この先何があるか分からないけど、とにかく進みましょう。せっかくだし、今回は左の道を選ぶわよ」
「了解しました」
「うん!」
という訳で私たちは左の道を進むことにしたのだが……
私たちが道に入った瞬間だった。
―――ビキビキビキ……
「ビキビキビキ?」
「―――って! 足元! 床! 床!!」
「床……?」
―――バキッ……ガラララッ!
「うわぁぁぁぁ、崩れてますよぉぉぉ!」
「と、とにかく走るのよ! 何とか向こう岸まで間に合いそうだわ!!」
私の『罠検知』スキルにも引っかからなかった罠が発動して、私たちは早速ピンチに陥るのだった。
■
《勇者・白夜視点》
「―――ただの迷路ね……」
「ああ……驚くくらい何にも無いな」
あの広間から右の道に進んで、だいぶ歩いたが、その間特に異常は無く、ただの迷路だった。
謎解きも、なぞなぞのような問題がいくつか出てきただけで、別に大した障害にはならなかった。
トラップも無ければお化けも出てこない。
まさにさっき言った通り、《ただの迷路》なのだ。
「てか、今俺たちはどこに居るんだ……?」
「えっと……結構グルグルしたけど、ちょうどそろそろ中央辺りってところかな……」
「中央……」
もしこれがRPGなら、こういう迷宮の中央……もしくは出口前のところにボスみたいなのがいると思うが、まさかここではそんなこと有り得ないだろう。
と、いうかだ……
「―――よく、そんな事が分かるな。すげぇよ、ラグマリア」
「え、えへへ! そんなに褒めないでよ、照れちゃうよ……!」
「いやいや実際すげぇって。こんなに左右に入り組んだ動きをしてきたのに、よくそろそろ中央に着くって分かったな」
「んー、まあ私記憶能力が高いから、意外と覚えてるのよねー。それで、そろそろかなって」
記憶能力……ってことは、今まで通ってきた道を覚えてるってことか?
もしそうだとしたらマジですごいぞ……。
「んー、次は右かな」
「じゃあその次は左だろ」
こんな感じで少しずつ、だが確実に前進していた俺たちは、ついにゴールのような場所が見えてきた。
あと少しで、そこへ抜け出る……。
「さあ、ゴールだ―――」
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