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case.?-4 旅立ち

次回から9章!!!

平和回は来るんでしょうか




「それはそうと、お前たち《天帝八聖》はどうしてこうも急に現れ始めたんだ?」



 俺は飛行中にこんな質問をミカエラにしてみた。



「そうね……まあ別に言ってもいいか。―――私たち天帝八聖は、魔王側近の配下である《魔帝八皇》を皆殺しにする為に出動してるのよ」


「だろうな」



 ミカエラの言葉にベルゼリオが同意する。



「我らの因縁は、過去に何度かあった程度だが―――」


「一回一回が大きかったからね」



 とルヴェルフェまでうんうんと頷き始めた。



「そ。で、久々にまた出動命令が出て、私がたまたまこの《ディブリビアゼ》に来たら、アンタたちと、あの神様を見つけたって訳。んで、流石にあの状況はマズいと思ったから、アンタたちの加勢に入ったって感じよ」


「なるほどな」



 その場のノリってヤツか。



「それで? 今狙われてる天帝八聖の奴らはどんな奴なのさ」


「うーんと、そうねぇ……」



 ルヴェルフェの問いに、ミカエラは暫し考えたが、すぐに「ああ」と答え始めた。



「えっとね、二人はラグマリアとラージエリっていって、大天使ラグエル様と大天使ラジエル様の力を受け継ぐ者なんだけど、二人はいつも一緒に行動してるわね……。そこは流石姉妹と言ったところかしら」


「姉妹なのか」


「ええ、二人は同時に生を受け、そして同時に《美徳》の力を授かっていることが判明した、色んな意味で双翼の姉妹よ」



 “双翼の姉妹”か、なんかカッコイイな。


 それにしても、そろそろ待ちの中心部に来てもいいと思うんだが……



「―――我が主。前方を」



 突然、ベルゼリオにそう言われて、俺たちは前を見た。


 するとそこには、



「―――見つけたぞ……!」



 二人の天使を追いかけている神帝インドラを見つけた。



「ミカエラ、あの二人が?!」


「ッ……ええ、間違いなくラグマリアとラージエリね。急いで助けましょう!」


「「「了解!」」」



 俺たち魔王軍メンバーが声を揃えると、ミカエラに続いて加速をした。





『フハハハハッ! まずは雑魚そうな奴から殺すのが我の戦い方よッ!』


『まあ下衆だよねぇ、アンタ』


『勝てれば良かろうなのだッ!!!』



 そう叫びながら、インドラは天使たちを追いかける。


 あと数メートルというところで、インドラは立ち止まることになるのだが。



『チッ……しつこい奴らだ……ッ!』


『うん? どうしたんだインドラ?』


『わりぃな、“ガネーシャ”。あの天使共はお前一人で追ってくれ』


『え、は?! ちょ、おま、待て―――』



 “ガネーシャ”と呼ばれた“不可視”の神の静止も聞かずに、インドラは今来た道を向き、90°方向転換した後、そのまま真横に飛行していった。



『あっちにも天使が居たよなァ……アイツもどうせ殺すことになるんだろ? だったら別にガネーシャの奴に着いてく必要無かったじゃねぇの』



 そうして、インドラが独り言を零すその一瞬の間に、両者は邂逅する。




「うっし……追いついたぞ」


「ハァ……ハァ……結構疲れたね」


「フン、鍛錬が足りんのだ鍛錬が」


「煩い! 早く戦闘準備!」




 ミカエラに急かされた俺たちは、すぐに戦闘態勢に入る。



『さあ、愚者たちよ。再戦といこうか―――』


「望むところよッ!」



 なんて短い会話があった後、すぐ戦闘が始まるかと思ったそんな瞬間。




『だぁぁぁもう! インドラ、帰るわよっ!』




 と、また空から声が響いた。


 その声に、インドラはまた脱力し、こう返す。



『おいガネーシャ! 貴様は何故先程から我の邪魔をするのだッ!?』


『っるさいわね!! いいから帰るわよっ!』


『ええい邪魔だ! 遅かれ早かれ、コイツらは殺すのであろう!? ならそれが今なだけだッ!』


『駄目よ!? 準備は万全の状態で戦わないと、でしょう!?』



 突然始まった謎の声とインドラの喧嘩に、俺たちはただ息を呑んで見守ることしか出来なかった。



『準備など要らん! というか我の準備はもう完璧に整っている!!』


『私がまだなのよッ!!! いいから帰るわよっ!?』


『ム……じゃあ貴様だけ帰ればいいだろうに』


『だっからねぇぇぇぇ!? もういいわ、強制的に連れて帰る!』


『ヤメ……おい! ふざけるなッ!』



 と、そこでインドラが急に引っ張られるように上へと移動していく。


 そんなインドラは、俺たちに言った。



『クソ、今度会った時は貴様らも、逃げた天使共も全員ブッ殺してやるッ! だからそれまでに、本気の我と対等に戦えるくらいには強くなっていやがれッ!』


『煩いッ! さあ、帰るわよ!!!』


『―――ってぇな……わーったよ!!!』



 そんなやり取りが聞こえたのを最後に、二人の気配は完全に無くなった。




「一体……何だったんだ?」


「……さあ」



 俺たちは、何がなんだか分からないまま取り残されてしまった。



「えっと……一応、全部解決したのよね?」


「うん。神様たちの撤退で、僕たちも天使たちも無事。だから、完全にミッションコンプリートだよ」



 ルヴェルフェのその言葉で、俺たちはホッと一息をつき、安心感で胸が満たされていった。



「それにしても、ガネーシャって言ってたね……」


「ああ。どこに居るか、全く分からなかったがな」


「しかし主よ。インドラが何者かに引っ張られるのは視認出来ました。従って、彼処には“何か”が居たのは確かかと」


「うーむ、まあそうなんだろうけどな」



 姿が見えなかったのだけが、どうしても気がかりだが……



「まあいいじゃないの。とりあえず皆無事って事で」


「ああ。ミカエラの言う通りだな」



 そうだ。


 《十二神将》の襲来を見事に躱せたんだから、今はただ純粋にその事に喜んでいればいいだろう。



 それに……それよりも、だ。




「―――んで、君たちはこれからどうするつもりなのさ」



 

 そう。


 今ルヴェルフェが聞いたこの質問も、俺がしたかった物だ。



 と、まずはベルゼリオが口を開いた。



「すいません。まずは私から―――二つほどお話がございます」


「二つ?」


「はい。まず一つ目なのですが……私と共に行動していたレオンですが―――逃走してしまいました」



 レオンが、逃走した!?


 って……ああ、そうか……『支配』を解いてしまったから、意思が戻ってしまったのか……。



「まあ、それは俺の責任でもある……。だからそんなに心配するな。それで、レオンは何か言っていたか?」


「いや……それが、『我は新たな神の下に向かう!』などと叫んで消えてしまって……」


「“新たな神”……だと?」


「はい。私にも分かりかねるのですが……」



 まあ、そりゃそうだろう。


 実際訳のわからない事なのだから。



「それで? 二つ目ってのは?」


「ハッ。二つ目は私のお願いに御座います」


「お願い……か、何だ? 言ってみろ」


「―――私を、お供としてお連れください」



 ……あぁ、そう来たか。


 もしかして、連れて帰られる可能性があるかな……とは思ってたけど、まさかのお願いだな。



「俺を連れて帰らなくていいのか?」


「いえ……それも考えたのですが、同行者を取り逃がした手前、ただおめおめと逃げ帰ることなど出来ませんので、我が主と共に修行でもしてから帰ろうかと」



 ふーむ……まあ分からなくもないな。



「ベルゼリオは了解した。一緒に修行して、強くなってから帰ろう」


「ハッ、有難き幸せッ!!」



 それにしても、かなりキャラが変わったよな、ベルゼリオの奴。


 まあ、今のも嫌いじゃないが。



「それじゃあ、僕も着いていくことにするよ」


「お前もか?」


「じゃあこの流れに便乗して、私も一緒に同行させてもらうわ」


「え、あ、お前も??」



 ベルゼリオとの会話が終わった直後、ルヴェルフェとミカエラが順番にそう言ってきた。



「二人とも、いいのか……? 特にミカエラは」


「僕はどうせ魔王城に向かおうと思ってたし、大差ないでしょ」


「確かに、ルヴェルフェはそうだな」



 これで、完全に《魔帝八皇》が揃ったことになるか。


 そしてミカエラだが……



「私は……そうね……。何か同行する名目をつけるとしたら、“魔王軍アナタたちの監視”っていうのはどうかしらね」


「殺さないのか?」


「まあ……そうねぇ、殺してもいいけど、《七つの美徳》の方々から教えられてきたような悪い人じゃなさそうなのよね、貴方たち」



 そう言いながらミカエラは手を差し出してきた。



「だから、ほら。しばらくはよろしくしてあげるわ」



 俺はその手を握りながら言う。



「ああ、よろしくだ」



 仲間……というよりは休戦って感じがするが、まあ仲間でいいだろう。


 《天帝八聖》の最初の一人だな。

 徐々に集まってきてる……いい感じだ。



「ところで我が主よ。これから何処へ向かうのですか? 魔王城に帰る訳ではないでしょう?」


「あー、そうだよなぁ……」



 何処へ向かうか、なんて考えていなかったな。


 俺も何の考えも無しに走ってた訳だし、目的地は決めないと……だよな?



 だが……



「すまん、俺には皆目検討もつかない。お前たちに何か提案があれば、そこへ向かおうと思うが……あ、ちなみに修行出来る場所だと助かる」



 と、俺が言うと、質問してきたベルゼリオが真っ先に答えた。



「それならば、一つだけ提案が御座います」


「お、ベルゼリオ。言ってみてくれ」


「ハッ。その場所とは―――我が故郷、シュデンの秘境の地にある、《龍の隠れ里》という名の集落に御座います」


「龍の……隠れ里?」


「もしよければ、そこで修行を積むと宜しいかと」



 ……まあ、行く宛も無いしな。


 別に断わる理由も無い。



 それなら。



「ああ、どういう所かは、また後で聞くことにしよう。今はとりあえず、そこに向かって進もうか」



 というのも、周囲に人が集まり始めていたのだ。


 インドラとの戦闘で発生した爆音が、町の人たちを動かしたのだろう。



 だから、とにかく俺はすぐに移動がしたかったのだ。 



「そうですね、畏まりました。それではまず、《護王国シュデン》へと向かいましょうか」


「ああ」



 ルヴェルフェとミカエラの二人も頷いて、俺たちはその場を後にした。



 目指すは《護王国シュデン》の秘境にあるという、《龍の隠れ里》。



 そこで修行をして、強くなってから……魔王城に帰還しよう。



 もし、その途中で、消えたレオンや、神帝インドラたちを捕らえることが出来たらならば、収穫としては上々と言った所か。




 ま、やることは色々あるが……今はとにかく強くなる事だけを考えよう。


 魔王城に残してきた奴らの心配は……フッ、無用だろうな。




 さあ、まずは強くなりに行こうか!



「行くぞお前たちッ!」


「「「了解!」」」

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