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【完結済み】転生魔王の世界支配〜目が覚めたら魔王になってたので、世界を支配することにしました。〜  作者: テトラ
eighth:堕天使ルシファーと機械の心(【傲慢】の真実)
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case.3-3 三悪魔

この章はとにかく戦ってます

長めです




「―――来たれ、我が下僕たちよ」



 そのたった一言で、ルシファーの目の前には無数の悪魔が現れた。


 その全てが上級悪魔ハイデーモンであり、中には背中の翼が堕天使の物を持つ悪魔も居た。


 ラグエルはそれを、“堕天悪魔フォールンデーモン”と呼んでいた。


 本来であれば存在しない筈の種族。

 しかしそれは、ルシファーであるからこそ可能にすることができる。



 悪魔族を“堕天”させ、本来ならあり得ない種族へと堕とす。

 堕天の王たるルシファーにしかできない所業だ。



「さぁ、蹂躙し尽くせ。そしてあぶり出すのだ。魔王と……」



 ルシファーはそこまで言ってから、ニヤリと口角を吊り上げ、



「―――我が愚弟子を」



 そう、言った。



 その一言が、開戦の合図だった。


 上級悪魔達が一気にベルゼブブ・ラグエル・ムルに襲いかかる。



「チッ、数が大い……ッ! どうせルシファーはまだ戦わない筈。ならばまずはこの雑魚共をどうにか―――」



「―――させると思ったか?」



 刹那、ベルゼブブは意表を突かれ真横へと蹴り飛ばされてしまう。



「ガハッ……! ルシファー……お前にしては珍しい……な。最初から参戦するなんて……」


「ああ、そうだな。かつての友の顔を見たら少し戦いたくなってきてな」


「―――かつての友、か」



 ベルゼブブは驚きと共に、そんな一言を寂しそうに呟いた。


 しかしルシファーはそんな彼の気持ちには気づかない。



「フッ、無駄話もここまでだ。さあ、続けようかッ!」



 またも不意打ちで、拳を突き出してきたルシファー。

 しかし、今度はベルゼブブもそれに対応した。



「フンッ……!」



 腕でパンチを防ぎ、そのまま飛び上がる。


 手に雷を溜めながら、周囲の状況を確認した。



「ああもう次から次へとッ! “天誅”ッ!」


「「グギャァァァァァ…………」」



 ラグエルは、無限に湧き出てくる悪魔達の排除をしていた。


 光の柱によって一度に何体もの悪魔が死んでいくが、その穴を一瞬にして埋めるべく悪魔達は歩んでくる。



「ラグエル様……もう少しお待ちください……!」



 そしてムルは、先程ルシファーにやられた傷を癒やしていた。

 しかし、それももう終了したようだ。



「海王ムル……行きますッ!」



 扇を二つ手に持ち、青い髪と綺麗な和装を風になびかせながら駆ける。


 そしてラグエルの後ろで止まり、扇を広げた。



「久々の戦闘だからね……張り切るわよ……!」



 ムルは華麗な舞を舞い始めた。


 するとムルの周囲には水が集まっていく。



「―――水舞すいぶ:ノ型『水龍すいろう』ッ!!!」



 直後、咆哮と共に水で出来た龍が悪魔達へと襲いかかる。



「まだよッ! 水舞:いちノ型『津波つなみ』ッ!!」



 さらに、文字通り大きな津波が悪魔達へ覆いかぶさるように現れた。



「ほう? あれは厄介な術だな。貴様よりも先に排除した方が良さそうだ」



 ムルの放った技が、ルシファーの悪魔達を飲み込み殺していくのを見て、ルシファーはベルゼブブよりもムルに興味を示した。


 しかし、



「おい、待てよ。お前の相手は俺と―――」



「私よッ!!」



 それをベルゼブブと、そしてその元妻のラグエルが許さなかった。



「フフ……フハハ!面白い! いいだろう、それなら貴様らが私を楽しませてくれッ!」



 そう言いながらルシファーは、ムルの方向へ手をかざす。



「ッ……何!?」



 ムルの目の前に、3つの魔法陣が展開された。



「―――我が忠実なる下僕達よ。愚かな海王に罰を下す為、我が眼前に現れよ!」



 すると、その魔法陣から3体の悪魔が現れた。



「―――ゲヒヒ……お呼びですか、我が主よ」


「―――我ら三悪魔、主の命にて此処に降臨致しました」


「―――なんなりとご命令を」



 一体は巨大な筋肉質な悪魔。


 一体は眼鏡をかけた紳士風な悪魔。


 一体は、全身に黒いローブを纏った悪魔。



 そんな三体が、ムルの前、ルシファーの眼前、悪魔の大軍の前……そんな場所に現れたのだ。



「ああ、皆。そこの哀れな娘を殺せ。但し油断はするな、彼女は強い―――良いな?ぬかるなよ」


「「「ハッ」」」


「フラウロス、フルーレティ、メフィストフェレス……お前たちがこの戦いで活躍すれば、我の側近として働くことを許そう。大いに活躍してくれたまえ」



 ルシファーが、そう言った瞬間だった。


 フラウロス、フルーレティ、メフィストフェレスと呼ばれた三体の悪魔は、突然震え始めた。


 それは怒りか、悲しみか。


 否。否である。



 それは、純粋な喜びからきていた。



「フハハ……フハハハハッ! おいテメェら! やるぞォッ!?」


「ええ、任せて下さい」


「ああ」



 そう言いながら三悪魔は、魔力を高めていった。

 目視できるレベルまで魔力が可視化されている。


 相当な魔力量……それは、この場にいた誰もが分かった。



「ムルよ、一人で大丈夫か?」


「ベルゼブブ様……大丈夫よ。任せなさい。私一人でどうにかしてみせるわ」


「分かった」



 そう言ってベルゼブブはすぐさまルシファーへと向き直る。


 しかし、ラグエルは不安そうにムルを見つめていた。



「おい、ラグエル」


「何……?」


「不安なら、我とムル……二人のサポートをしろ。貴様はサポートが得意だろう?」


「……二人の……?」


「なんだ? まさか出来ないのか?」


「……ハァ?」



 ラグエルは、ベルゼブブの安い挑発に乗ってしまった。

 それは後に後悔の種となるのだが、それはまだ彼女には分からない。



「―――いいわ。やってやるわよ!」


「そうだ、それでいい。さぁ、ルシファーよ、待たせたなッ!」



 言いながらベルゼブブは溜めていた雷を放った。



「フハハハハッ! 随分と待ったな。まあよい、これから我も、貴様らも退屈などさせぬからな!」


「ほざけ……ッ! “雷刃らいじん”ッ!」



 ベルゼブブの手からは雷を纏った魔力の刃が飛んでいく。

 さらに、



「“招王雷しょうおうらい”ッ!!!」



 魔王の得意としていた技をコピーして、使った。

 ルシファーの上空から落雷と雷刃が彼を襲う。



「―――ッフ。無駄よ。この程度では我には届かんさ」



 しかし。

 ルシファーは人差し指を天に掲げただけで、その全てを打ち消してしまう。



「チッ……クソがッ!」


「“堕天だてん”―――」



 ルシファーは間髪入れず攻撃を仕掛けてきた。


 “堕天”……空から黒い魔力弾が降り注ぐ“天”シリーズの魔法の一種。

 それがベルゼブブとラグエルを襲う。



「だったらこっちもッ!」



 しかし、今度はそれをラグエルが人差し指から障壁を展開して防いだ。



「それにしても、まさかあの三悪魔まで従えているとはな、驚いたぞ」


「我も、奴らが共に戦ってくれるなんて、夢にも思わなかったさ」



 二人は、真下で繰り広げられている戦いを見ながら、そう言葉を交わした。



風舞ふうぶ:はちノ型『天照てんしょう』ッ!」



 ムルの放った風の舞が、三悪魔や後ろの悪魔の大軍達に向かって、上から打ち付けるように襲いかかる。


 だが、ムルはその程度では全てを処理できるとは思っていなかった。


 特に、目の前の三悪魔と呼ばれた奴らは。



「無駄無駄ァ!」



 フラウロスと呼ばれた筋肉モリモリの悪魔が突進しながらそう叫ぶ。


 さらに、



「相変わらず脳まで筋肉で出来ているのですか? 貴方は」



 声が聞こえてきたのは背後。


 いつの間に背後を……!?


 そこに居たのは紳士風な悪魔、フルーレティだ。



 しかし、ムルはそう驚いている暇を与えられなかった。



「この程度の技、ボクならすぐ対処できるよ」



 ムルの上空に居た、ローブの悪魔……確か名をメフィストフェレスと言ったか。


 が、ムルの放った風を打ち消しながらそう言った。



「さぁ、哀れな海王よ。この状況をどう切り抜けるか、見物だな―――」



 絶望的な状況の中、ムルは思う。




 ―――これくらいなんとか出来なきゃ……ダーリンのダーリンは務まらないわ……!



 そう、未来の希望を考えながら扇を強く握りしめた。

寒い―――

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