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case.11 色々試してみよう

土属性魔法初登場回




 どうせなら、色々な技とかの練習試してみよう。

 と、思った。


 それで、いい感じに接戦を演じて、それで最後に俺が『支配ルール』を使う。


 そうすれば、このもうよく分からない状況にも意味が出てくる。




 試したいことは色々あった。


 まず、スキル『天魔アーク』。

 これは、『天使エンジェル』と『悪魔デーモン』を融合させたスキルらしいのだが、あまりこの二つのスキルを使ってこなかったので、イマイチ進化されても実感がわかない。

 だから、まずは光と闇の悉くを操るというこのスキルの練習をしてみたいと思っていた。



 次に、スキル『死配デストゥルー』。

 これは、この世界に来たての頃に一瞬だけ俺が持っていたスキル。どういう訳かまたこのスキルを手にしていたので、死の悉くを操るというこのスキルも試してみたかった。



 ちなみに、これはベルゼブブに教わったのだが、スキルの“融合進化”というものがあるらしく、俺の『天魔』はそれで入手できたものなのだとか。

 それと同じ原理で、特定のスキルが揃えば、願うだけで融合され、纏まった一つのスキルになるらしい。


 そういえば、『天魔』だけじゃなくて、『粘液複合体スライムボディ』もそうだったな。


 そして、今度はハヌマーンに聞いてみたのだが、この『死配』のスキルは、俺の持つ『死霊』のスキルと上手く噛み合うらしく、もう一つ、『浄化』というスキルがあれば融合進化させることが出来るらしい。


 だから、その『浄化』というスキルを手にして、そのまま融合進化もさせてみたいところだ。



 まだまだあるぞ。


 他にも、『剣技』や『大魔道』を進化させてみたいし、『弓術』や鎌の技を上手く扱えるようにもなりたい。


 さらに、今まで使ったことのない属性の魔法とかも使ってみたい。

 氷や風、水や土などだな。


 スキル『大魔道』のお陰で、魔法のイメージは組み上がっている。

 あとはそれを俺が仕上げるだけだ。



 まあ、こんな感じでやりたいことは色々ある。

 それに、これは今思い出したのだが……確か“魔力変換チャージ”という魔法があったはずだ。

 あれは、レベルや魔力が高い者が使えば効力が増す魔法だったので、しばらく忘れてしまって使っていなかったのだが、今の俺なら最強クラスだし、使いこなせるのではないか?




 と、まあ色々と思い出したり思いついたりした。

 俺は、異空間から神器を取り出しながら、また一つのことに気づく。



 そういえば、魔帝八皇の奴らに俺が創った武器たちを渡さないとなー、と。




 俺は思考を切り替えて、まずは魔法を試そうと思ったので、前回の戦いで使った杖、“黒神覇杖こくしんはじょう”を取り出した。





『あら、私に魔法で戦うつもり? 元夫の全力の魔法でさえダメージを与えられなかったというのに?』




 そう言って余裕そうな表情のラグエルだが、俺は一言だけ言ってやった。




「世の中にはなぁ、無駄な事なんて一つもないんだよ」



『あら、言うじゃない』



「どんなに些細な出来事でも、それきっかけで波のように大きく広がっていくかもしれないだろ?」



 俺はそれを、サタールから教わった。

 ハヌマーン戦の時、俺とサタールの攻撃が効いてないと思っていたが、その時出来た僅かな切り傷をきっかけに、サタールたちがハヌマーンに大きなダメージを与えたんだ。




▶フッ、あれでも結構我慢してたんだからな? 我。




 あっ、そうなんだ。

 こほん。ま、まあ何にせよ、つまりはそういうことだ。




「と、いう訳だから、たかが俺の魔法だからと侮っていると痛い目見るぜ? 天使サマ」



『魔王の癖に生意気ね。いいわ、少しやる気が出てきた。本気で行くわよ?』



「ああ、その方が面白いだろ? 八百万神ヤオヨロズノカミとやらに見せつけてやればいい」



『ふふっ、そうね。貴方、やっぱり私と似てるわね。さすが【忍耐】の強い波動を持っているだけあるわ』



「お褒めに預かり光栄だ」




 ラグエルはふふっ、と微笑みながら手に雷光を纏わせていく。

 やる気モードだな。


 こちらも全力で相手しよう。



 まず、ラグエルは雷と光の属性を使う。

 なら、有利なのは土と闇。



 だが俺は土属性の魔法は今まで一回も見たことないし、使ったこともない。

 闇属性の魔法も、知識はほぼ皆無だ。



 しかしそんな時のチートスキルたち。

 『大魔道』と『天魔』の力で、あらかたイメージはついている。




「さて、早速始めようかッ!!!」




 俺はラグエル向かって駆け出した。


 まずは小手調べ、お手並み拝見だ!




「“石弾ストーンバレット”ッ!!!」



 俺は走りながら、手から小さな石を……正確には土属性の魔力弾を高速で射出していく。


 さらに、それだけではない。

 同時に闇属性の魔法も試すことにした。



「まだだッ! “闇染やみぞめ”―――」



 闇染は、文字通り対象を“闇に染める”魔法。

 今回はラグエルの放つ光を対象に発動させた。


 これで“雷光”は使えなくなるだろう。

 “雷闇”となってしまう訳だからな。



『―――ッ、厄介ね。……でもッ!』



 ラグエルは正面に障壁を張って石弾を防いだ。

 さらに、手に纏う雷光……もとい“雷闇”は、そのまま天へと放ち、逃した。


 しかし、今度はその一瞬の隙を俺が突く。



「“土天どてん”ッ!」



 上空から土属性の魔力弾が降り注ぐ、“天”シリーズの土属性版。

 これはただの囮に過ぎない。


 ラグエルを上空に意識を向かせておく、それだけの為に撃った。



『ああもう、次から次へとっ!』



 ラグエルは障壁で防いでいる。



 ―――上を向いて。



 これなら余裕だ。

 完全に俺から気が逸れている。



「―――大地の震撼アースクエイクッ!!」



 俺がその魔法を放つと地面が盛り上がったり、土属性のゴーレムが精製されたりし始めた。

 土属性の初級魔法集合しました、みたいな魔法だ。


 さっき撃った“石弾ストーンバレット”や、“土天どてん”、他にも“土人形精製クリエイトゴーレム”や“隕石メテオ”などの魔法も含まれている。

 それが、地震と共に相手を襲う……そんな魔法が今、ラグエルに襲いかかる。




『―――なっ!!! そんな魔法卑怯よッ!』



「いやいや、これは土属性の初級魔法らしいぞ!? これくらい何とか出来るだろうがッ!」


『は、はぁ!? これが初級ですって!? 貴方バカなのッ!? 魔法なんて使う人の魔力に依存するんだから、これだって相当な威力になってるわよ!?!?』



 え……?

 そうなの?



▶ああ、一応今の話は正しいな。全ての魔法は使用者の魔力に依存する。だから魔王が使えば、全ての魔法は……それこそ“〜バレット”みたいな超初歩的な魔法でもかなりの威力を誇るだろうさ。



 じゃあ、さっきのも……。



『ああもうッ! “天使の裁きホーリーブレイク”ッ!』



 ラグエルは、辺り一帯に雷光を走らせた。

 訓練場は、一瞬にして落雷地帯へと変化した。


 危うく俺もその落雷に巻き込まれそうになる。

 本来ならここで“雷鎧らいがい”だとか、“王壁雷おうへきらい”みたいなのを使ってダメージ軽減なりをするのだが。



 これも魔法なんだよな?

 だったら、“魔力変換チャージ”を試すか???

 なんて思ったりしていた。



 まあ、トライアンドエラーだよな。

 まずは試してみるとするか!



『さあ、逃げ惑いなさい! 貴方の魔法は何とか壊せるみたいだし! これなら私の雷光も―――』



「―――“魔力変換チャージ”ッ!」



 俺は両手を横に広げて魔法を使った。

 辺り構わず落ちる雷は、俺の手に集まっていく。まるで俺の手が掃除機にでもなっているかのような感覚だ。



『―――何、何をしているの?!』



 おお、成功しているようだ。

 魔力が回復していくのが分かる。


 気づいたときには落雷の発生源である所も俺によって吸収されてしまっていた。



『貴方……化け物なのッ!?』


「ああ、いや。俺はただ……」



 言ってから気づいた、「ただ」、その一言で片付けるには確かに狂気じみたことをしてたかもしれない、と。


 天使の、それも“七つの美徳”の強力な雷光を軽々と吸収するとは、傍から見たら俺は化け物なんだろうな。



「―――怖いか?」



 俺は、少しカマをかけてみた。

 すると、意外にも、



『―――ええ、少しだけね?』



 なんて、額に汗を浮かべながら言うもんだから。

 少し、少しだけ興が乗ってしまった。



 俺は、“双滅鎌トワイライト”を取り出して、『天魔』の翼を2枚展開した。



 そして、そろそろ終わらせるべく、あのセリフを言った。




「―――俺の傀儡となれ、これから未来永劫なッ!!!」



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