表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/369

case.9 早すぎる最後の一撃




「―――雷は我の特権だろうがッ!」




『―――いいえ、それは私が教えた魔法でしょッ!?』




 空中で、ベルゼブブとラグエルは雷の撃ち合いをしていた。


 しかも、それだけじゃない。



▶フハハ! フハハハハッ! 愉快愉快!



 なんて、【雷】を司る神であるハヌマーンは、余裕そうに高笑いしていた。




「大体何なんだッ! どいつもこいつも我と似たようなことをしおって!」



『ごちゃごちゃ煩いわねッ! 早くお縄につきなさいよ!』




 ……あーもうダメだ……。

 本当に、(元)夫婦喧嘩だなぁ……。



 そもそも、どうしてこうなったのかと言うと……。

 ……と説明しようかなと思ったが、これは勝負が始まってすぐのことだったので、特に言うことはないか。



 そう、勝負が始まってすぐに、この状況になったのだ。

 きっかけはベルゼブブが放った一言。



「我の雷が最強」



 これに反応したラグエルが怒り、それに応じてベルゼブブも怒る。

 さらにはハヌマーンまで参戦するという、なかなかにカオスな状況が出来上がっていた。




「チッ、お前には一度分からせないといけないようだなッ!」


『それはこっちのセリフよ!』



 おいおい、ヒートアップするのもいいが、本来の目的を忘れるなよ?




「ああ、分かってる! だか、『支配』するにしたって、体力は削っておいた方がいいだろう? ほら、あれだ! 貴様の記憶にあった……あのゲーム……ポケモ―――」




 おい、待て。

 それ以上は言ってはいけない。




「ああ、そうなのか。まあいいさ、つまりはそういうことだ」



 う……む、了解した。



「さて……ラグエル。仕切り直しだ」



 ベルゼブブは、ラグエルの方に再び向き直った。

 手には雷を纏わせていた。



『あら、そんなチンケな“電気”で挑発のつもりかしら』



 ベルゼブブの眉がピクッと動く。




▶クハハ! 言われてやんの!




 ベルゼブブの眉はさらにピクピクピクピクと動く。

 手だけではなく全身に雷を纏わせはじめた。


 そして、こう一言。




「―――殺す」




 目的を見失ってないか?……やっぱり。

 殺しちゃダメだろ……。




「―――絶対殺す、殺すからな」



『あら、やってみなさいよ。大罪と美徳、どちらの方が上か思い知らせてあげるわ』




 二人ともヒートアップしてきたな。

 これは……演技とか心配する必要ないな。



 どこか、いいタイミングで俺が割って入ろう。

 それで万事解決だ。



 さあ、ベルゼブブがどこまでやれるのか見物だな。







 我は怒ってなどいない。


 断じてイライラなどしていない。




 ただ、過去の女が出てきただけだし。


 ただ、煽られただけだし。



 別に、悔しくも怒ってもない。


 しかし、殺意が湧いたのだ。



 目的は見失っていない。


 ちゃんとラグエルは助ける。



 だが……その前にアイツに痛い目を見てもらわないと気がすまない。




「クソ天使がよ……ッ!」



 手から一筋の雷光線を放った。

 しかし、ラグエルはそれを軽くいなした。



『あら、そんな程度の攻撃で私にダメージを与えられると思っているの? かわいいわね、ベルちゃん♡』


「チッ」




 まあ、怒ってないけどね?


 少しだけ、少しだけ威力を上げようかな。




 それに……少し癪だが、仕方ない。

 ハヌマーン、お前の力を貸せ。



▶我も癪だがな? まあ、主には逆らえんよ。同じ雷使いとして、全力でサポートさせていただこう。



 フッ、協力感謝するぞ。


 これで多少はマシになるはずだ。




「ラグエル、死の覚悟をしておくことを推奨しよう」



『あら、突然どうしたの?』 



「―――こういうことだ。“焉雷えんらい”ッ!!!」



 一瞬にして我は“焉雷”を発現させた。


 さすがにこれは予想外だったのか、ラグエルのヤツは反応が遅れて、“焉雷”をモロに喰らっていた。


 しかし、さすがの我もこんな程度のことで勝てるとは思っていない。


 どうせまだ……




『―――アハッ♡』




 ほらな。

 どうせまだバリバリに元気だろうと思ったよ。


 我は、“焉雷”を喰らって尚、普通に笑っているラグエルを見て、そう思った。




「昔から、そこだけは変わってないのだな」



『なによ』



「その鋼鉄みたいに硬い身体だ」



『ああ、そうね? 天使の硬さはお墨付きよ』



「誰のだよ」



 ああ、イカンイカン。

 つい昔の癖ですぐツッコんでしまった。


 チッ……どうもコイツといると調子が狂うんだよな。

 まあ、昔からそうなのだが……。




『さて、アナタからこないのなら私から行くわ。“さばき”ッ!』



 この技は……ッ!


 我を中心に十字状に、光の柱が現れた。

 それを斜めに飛び上がり回避した。


 危ない、あと数秒遅れていたら魔王ワレの身体は四つに引き裂かれていただろうな。




『まだよ……“天誅”!』




 これは確か……空からッ!



 すぐに気づいた我は頭上に障壁を展開した。

 直後、空から光の柱が落ちてきた。



「ク…………ッ!」



 なんとか耐えられるレベルの攻撃だったが、少しキツくなってきたかもしれない。


 現界時間にも限界がある。


 早いとこ決着をつけるか、致命傷を与えるかしないとな。




「やられてばかりではこちらも面子が立たないのでな。少々本気を出させてもらうぞッ!」



『―――来なさいッ!』




 さあ、一世一代の大技といこうじゃないか。


 “焉魔法”を超える、七つの大罪にのみ与えられた攻撃魔法。



 ハヌマーンのサポート無しでは、完成させられない魔法。



 別に、魔法自体にそれといった変化はない。

 ただ、名前が変わるだけ。


 そのたった小さな変化が、思いの外大きな変化をもたらすものだ。



 頼んだぞ、ハヌマーン。




▶あいよ。あれだな? “終焉”、だよな?




 そうだ、それで大丈夫だ。



 “終焉魔法”……これが、その名前だ。

 我が扱えるのは“焉雷えんらい”の進化系、“暴食焉雷グラットンエンド”のみ。



 これでラグエルはほぼ確定で致命傷以上には至るだろう。



 だが、油断してはいけない。



 七つの大罪にこういった魔法が使えるように、七つの美徳にもこういう魔法が使えるのだ。



 “奇跡”。そしてその進化系、“最終奇跡”。

 ラグエルなら、もちろんどちらも使えるだろうな。


 【忍耐】を司るラグエルは、その奇跡も似たような力を使うのだろう。

 実際、使うところを見たことはない為、ハッキリと言い切ることはできないのだが。



 これが、まあ早い気もするが最後の一撃にしようか。





「我が【暴食】の大罪を執行しよう。―――“終焉魔法”、終末の開始だ」



『フフ、やっぱりそうなのね! なら私も全力で受けてみるわッ! ―――“最終奇跡”、聖戦の幕開けよッ!』


ブクマや評価での応援を、是非宜しくお願いします!

がんばれます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ