表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
やがて最強の転生者 ~超速レベリング理論を構築した男、第二の人生で無双する~  作者: 絢乃
五章:ラストナイト

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/49

047 告げる時

 それは龍斗にとって信じがたい発言だった。


「PTを抜ける……?」


「勘違いしないでほしいんだけど、別に龍斗のことが嫌になったわけじゃないよ」


 がっつり勘違いしていた龍斗は、ホッと胸を撫で下ろす。


「ならどうしてだ?」


「色々とちょうどいいタイミングかなって。クラーケンの狩りを終える頃だし、私自身もアーリーリタイアできるだけのお金が貯まったから」


「あぁ、そういえば、そんなことを言っていたな」


 仁美は最初から「長々と冒険者をしているつもりはない」と豪語していた。遊んで暮らせるだけのお金を貯めたらアーリーリタイアするのだ、と。


「でも、今の貯金って4億か5億くらいじゃないか。もう少しあったほうがいいと思うけど」


 これに対して、仁美は「まぁね」と頷く。


「定年間際でリタイアするならまだしも今は24だからね。税金を払った後に残るお金って2億か3億くらいだろうし、そう考えたらもう少し稼いでおきたいという気持ちはある」


「ならなんで」


「父親がね、もう長くないんだ」


 仁美が悲しそうに窓の外を見る。


 脳裏には闘病中の父親の姿がよぎっていた。


「医者が言うには年明けまでもつか分からないんだって」


「そうなのか……」


「幸いにもまだ話せる状態だし、お父さんの残りの時間を一緒に過ごしたいと思っているの。だから、少し早いけど、冒険者から足を洗うのにちょうどいいかなって」


「なるほど」


 事情が事情なので、龍斗も引き留めようとは思わない。


「そういうことなら仕方ないな」


「ごめんね、事前に言えなくて。それに、クラーケンではコカトリス以上に寄生させてもらったし」


「構わないさ。事前に言えなかったことも、寄生になったことも問題ない」


「ありがと」


 微笑む仁美。


 その笑顔はどこか儚げだ。


「それで、あと一つは?」


「えっ」


「言いたいことは二つなんだろ?」


「あー」


 そこから先の言葉が出てこない仁美。


「言いにくいなら言わなくてもいいが」


 龍斗が気を利かせる。


「いいや、今、言わせてほしい」


「分かった」


 ここで再び静寂が訪れた。


 仁美は目を左右に泳がせ、体をもじもじしている。


 言いたいけど、どう言えばいいのか。


 本当に言ってもいいのだろうか。


 色々と考える。


 考えた末に、言わないと後悔するぞ、と結論づけた。


 覚悟を決めて、口を開く。


「龍斗、あのね」


「おう」


「何言ってんだこいつって思うかもしれないけどさ、聞いてほしい」


「そんなことは思わないと思うがどうした?」


「私ね」


 仁美は目を瞑り、唾を飲み込む。


 深呼吸をすると、閉じていた目を開いた。


 真っ直ぐに龍斗を見つめ、気持ちを口にする。


「私、龍斗のことが好きなんだ」


「へっ」


「友達としてじゃなくて、恋愛感情として好きなの」


 窓の外では木枯らしが吹いていた。

お読みくださりありがとうございます。

評価・ブックマーク等で応援していただけると励みになります。

楽しんで頂けた方は是非……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ