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やがて最強の転生者 ~超速レベリング理論を構築した男、第二の人生で無双する~  作者: 絢乃
四章:夏祭り

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033 後藤の焦り

 小峰公園の園内には小さな洞窟がある。生い茂る木々の中にポツンと佇む洞窟で、奥行きは20メートルにも満たない。洞窟及び周辺一帯にレッドゴブリンが棲息していることから、「レッドゴブリンの巣」と呼ばれていた。


 龍斗たち四人はその場所を目指し、小峰公園の中を進んでいく。


「オラァ! オララァ!」


 後藤は左右の剣を振り回し、道中の雑魚を蹴散らしていく。麻衣にいい格好を見せようと前のめりになっていた。


(なるほど、後藤のスタイルは強化(バフ)スキルで自身を強化しての近接戦か。二刀流のようだが、左腕の動きがお粗末だな。筋力が足りていないようだから右腕一本で戦う方が強そうだ)


 龍斗は後方から分析する。戦闘に参加しないのは、後藤からそうするよう指示されたからだ。今日の主役はあくまでも後藤であり、龍斗はオマケ――ここで狩りをする為にやむなく招かれた存在に過ぎない。


「えいやーっ!」ブスッ。


 後藤の数歩後ろから攻撃を繰り出す麻衣。彼女は身の丈にあった細身の槍で堅実に敵を捌いていく。狙われた獲物は満足に動けない。妨害(デバフ)スキルによって地中から生えた蔦が足下に絡みついているからだ。


(麻衣はデバフで固めて確実に仕留めるスタイルか。地味だが手堅いな)


 龍斗の視線が愛果に向く。


 彼女は龍斗のすぐ隣で短剣を持ってビクビクしていた。自身や麻衣の周囲に半透明の青い盾をいくつも召喚している。敵の攻撃を防ぐ為の防御スキルだ。


(愛果は後方支援か。敵に対する恐怖心が凄まじい。冒険者向きではないな)


「ゴッブゥウウウウウ!」


 一般的な緑色のゴブリンが死角から愛果を襲う。


「来ないで!」


 愛果は目を瞑り、闇雲に短剣を振り回す。


「それじゃ駄目だ!」


 龍斗は後ろから愛果の腹部に腕を回すと、くるりと横に回転し、彼女と自分の位置をチェンジした。そこから振り返ってゴブリンと対峙したら、愛果の物とは比較にならない切れ味抜群の短剣でゴブリンに攻撃する。


「ゴヴォォ!」


 ゴブリンは粉々に散った。龍斗の攻撃力が高すぎるからだ。今回は直撃だったが、かすっただけでも即死していた。


「愛果!」


「大丈夫か!?」


 後藤と麻衣が振り返る。


「だ、大丈夫、龍斗君が守ってくれたから……!」


 愛果は頬を赤らめ、とろんとした目で龍斗を見つめる。一瞬にしてメロメロになってしまった。彼女にとって龍斗は白馬の王子様だ。


「陣川かっこいい! やっぱ本物の冒険者は違うなー!」


 麻衣が拍手する。


「な、なかなか、やるじゃないか」


 後藤は小さく舌打ちした。龍斗にいいところをもっていかれたのが気に食わないのだ。俺の見せ場だったのに、と心の中で毒づいていた。


「ただのゴブリンだから恐れることはない。目を開けてしっかり戦えば対処できる。愛果、攻撃力はいくつある?」


「えっと、5、かな」


「それだけあれば十分だ。怖がって目を瞑ることだけは極力避けろ、いいな?」


「うん! 龍斗君みたいになれるよう頑張る!」


 目をハートマークにして喜ぶ愛果。


「陣川って思ったより頼もしいんだねー! 中学の頃は全然そんな感じしなかったのに! 今の陣川なら女子からモテモテだろうね!」


「え、マジ? モテモテになれるかな?」


「なれるなれる! 愛果とかもう陣川に惚れてるんじゃない?」


「ちょっと麻衣ー!」


 龍斗たちが盛り上がるのを見て、後藤は再び舌打ちをする。


(この程度じゃ足りない。もっと暴れまくって麻衣に男らしさアピールしなければ。他の男よりも……そう、冒険者として活動する龍斗よりも強いところを見せつけてやるんだ)


 後藤は大きく息を吐くと、前方の木々――レッドゴブリンの巣に右手の剣を向けて言った。


「ここからは俺の時間だ!」


 駆け出す後藤。


「待て、後藤」


 背後から聞こえた龍斗の声が、彼をさらに加速させた。

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