あなたと、これからも一緒に居たい
「ウェリタ、大丈夫か?」
顔を真っ赤にしていた私は、その後落ち着くためにとクリティドと一緒にベランダに出た。
星空が美しくきらめいている。
じっと、クリティドを見ていると……なんてかっこいいのだろうとまた顔が赤くなりそうになる。
つい先ほど、私はクリティドのことが好きだとそう気づいた。そしたら私はすっかりなんだろう……クリティドのことを直視できない状況になってしまった。
本当になんて、私はちょろいのかしら! と自分で自分に呆れてしまう。
でもクリティドって、とても素敵なの。見た目も本当にかっこいいの。美しいさらさらの青い髪に、鋭利な私を射抜くような赤い瞳。宝石のようにキラキラしているその目が私のことをじっと見ていて……は、恥ずかしいわ!!
それに優しい。冷たいなんて言われているけれどそんなことはなくて、私のことを大切にしてくれて、いつも優しく微笑んでくれて……。
「ウェリタ……?」
「え、えっと、ちょっとクリティド、私から視線を逸らしてください!」
「どうしてだ……? 私のことを、嫌になったか……?」
私の言葉を聞いて、クリティドがしゅんとした顔をしている。私がクリティドから距離を置こうとして、視線を向けないでほしいなんて言うから心配になったの?
え、なにそれ、可愛い。
などと思っているあたり、私はかなりの重症だと思う。
「そ、そんなわけないじゃないですか!! えっとですね、その……」
私はクリティドの言葉に全力で否定をした。私がクリティドのことを嫌いになるはずなんてない。寧ろ、今は大好きって気持ちがあふれ出てやばいぐらいなのに。
それにしてもいざ、自分の気持ちを口にしようとするとなかなか口に出せない。
誰かにこうやって好きですって口にするのは、とても勇気がいることなのだと気づいた。きっとクリティドだって勇気を出して、私に好きだって言ってくれたはずだ。
私はそういう気持ちが分からなくて、待ってもらっていて。
最悪の場合はこんなによくしてもらっているのに、その気持ちを返せない未来もあったのかもしれない。
――それでもクリティドはまっすぐに私のことを好きだと、そう言ってくれているんだ。
なら、私も緊張するからとかで先延ばしにしない方がいい。
「クリティド、目を瞑って屈んでください!」
私はクリティドにそう言った。
クリティドは私の言葉を聞くと、すぐさま瞳を閉じる。こうして私に言われるままなのは、クリティドが私のことを信頼してくれている証よね。
だって信頼できない人の前でこんなことをしたら何をされるか分からなくて、警戒するものだもの。
――私のことを信頼してくれて、愛してくれている。
そう思うと、胸がより一層鼓動した。そして、私はやっぱり大好きだなってそう思った。
だから――私はクリティドの顔に、自分の顔を近づける。そしてその唇に、自分の唇を押し付けた。
クリティドが驚いたように目を開ける。
「私、クリティドのこと、大好き」
私はそう口にする。そしてそのまま私は続ける。
「好きだってあなたに告げられてからまだ少ししか経っていないのに、単純だなと自分でも思うのですけれど、その……私も、同じ気持ちです。そうつい、先ほど気づいたので……それでクリティドの顔をまっすぐ見れないというか、好きだなと思うと挙動不審になってしまいそうで見ないでほしいといったんです。嫌いなわけなくて、好きです」
突然、私がこんな行動をし始めた理由をクリティドに私は伝える。
今も、絶賛挙動不審になっていると思う。クリティドはこんな私を見たら引いたりしないだろうかと少しだけ心配になる。
私はまっすぐにクリティドの目を見て告げる。そうしたら、クリティドの表情がみるみる変わる。
――それはもう、幸せそうに、嬉しそうに笑った。
その笑顔を見て、私の心は打ち抜かれてしまう。だって、可愛くて、素敵で、かっこよくて――うん、全ての要素を持ち合わせているとか、最強では? などと変な思考になっていた。
そんな私は、
「ウェリタ!」
すぐさまクリティドに抱きしめられた。
「ありがとう、私のことを好きになってくれて」
そしてそんなことを口にするクリティド。私はそんなクリティドを抱きしめ返す。
「お礼を言うのは私の方こそです。私が此処にいるのは、クリティドが助けてくれたから。私が幸せなのは、あなたがいるから。……だから、これからもずっと一緒に居たいです」
私はこれからも、クリティドと一緒に居たい。そう思って、そう口にする。
「もちろんだ」
そう言って笑ったクリティドに、その場で口づけを何度もされた。
……ちなみに余談だが、その時の私達のやり取りは結構な数の人数に目撃されており、その後大変恥ずかしい思いをした。生暖かい目で見られて……!
でもこのパーティーの一件で、私とクリティドの仲の良さやクリティドが私を溺愛しているということが広まって……恥ずかしいけれど嬉しかった。
ティアヒムとクリヒムもにこにこしていて、私はなんて幸せだろうかと思った。
夫を殺すようにと命じられて結婚した私に、こんな幸せが待っているなんて思ってもいなかった。
クリティドを殺すぐらいなら私が死のうと思っていたのに、私は家族に助けられてこうして幸福の中にいる。
――私は、これからもずっと家族の傍で生き続ける。




