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メイドな悪魔のロールプレイ〜強制ハードモードなメイドの奮闘記〜  作者: ガブ


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32/48

32話

難産でした。やはり書き続けないと腕は落ち続けるんだなと泣

32話




 テンドウに連れられ、案内されたのは白亜の壁の紅一点──門だ。

 普段は信徒を迎えるため開かれてるはずの門は、今日に限って固く閉ざされている。


 私が無理やりこじ開けようか、そう思った瞬間──カチン、という小さな音が鳴った。

 するとどうだろう。あんなにも私たちを拒んでいた門は、細切れになって塵となってしまった。


「正面突破、なのじゃろう?」

「ええ。私が壊そうかと思っていましたが、貴方がやってくれるのならば話が早いです」


 私はテンドウにあることを耳打ちする。それに対してテンドウは目を細め、唸り声を上げた。


「たしかに、ワシならば可能じゃ。じゃが──いや、なんでもない。巻き込むモノもおらんしな」

 

 テンドウが城を見据えて刀に手を掛ける。私から言っておいて申し訳ないが、一旦待ったをかける。


「少し待ってください。一つだけ、聞かなければならないことがあります」

「なんじゃ?」

「預言者についてです」


 そう。一番の不安要素が、この預言者とやらだ。

 勇者が口にしていたが、預言者という存在は私の知識に存在しない。


 悪魔として産まれた(キャラメイクをした)時に備えられた知識の中に、それが存在しないのだ。

 どこから来たのか、なぜ神に召し上げられるほど強力な存在が、悪魔に識られていないのか。


 下手をすればウロボロスよりも強力。その可能性を捨て切れないのだ。


「預言者は、ここ100年ほど前にウロボロスの元へ来た人間じゃ。まあ、今もなお現役ということは、人間ではないんじゃろうがな」

「……率直に聞きますが、預言者は"強い"ですか?」


 テンドウなら預言者について、何かしら知っているはず。

 しまったな、前もって預言者についてもっと話を聞いておくべきだった。


「……奴の強さは、正直わからん。気配を読んでも、平均的な人間としかわからんのだ。じゃが、名前の通り奴は未来を読める。そのアドバンテージは計り知れないじゃろう」

「……よほど気配を偽るのが上手いようですね」


 流石に未来が読めるだけ──というのはみくびりすぎだろう。警戒するに越したことはない。


「予知の精度の方はどうだ?極東の巫女は万物を見通すと聞くが」


 ご主人様の疑問に、テンドウは目を細めて答えた。


「預言者の予知は──巫女様よりも内容は抽象的じゃが、その分的中精度は高い。それに頻度も多く、代償も軽いようじゃ」


 へえ、ダイワ国にも予知を使える人がいるのか。まあ日本モチーフの国だし、巫女がいてもおかしくないか。


「巫女様は──いや、話がそれたな。お喋りはここまでにして、そろそろ仕掛けるとしよう」

「ええ。頼みましたよ」


 私たち4人は聖都の中に足を踏み入れる。その瞬間、肌がピリつくような感覚が私を襲う。

 

「……これが対魔結界ですか」


 アルジェントとご主人様はピンピンしてる。当然だ。アルジェントは成り立てとはいえ神、ご主人様は人なのだから。


「……斬るか(・・・)?」

「いえ、私が対処します。貴方は、私の合図を待ってください」


 殺戮前だったら、不可能だっただろう。レベルも、スキルも、神に挑むには足りなかった。

 しかし今の私は、【根源悪】。《災厄の悪魔》なのだ。


 改めて、ステータスオープン。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

名前:イア・ノワリンデ 性別:女 種族:悪魔族(デーモン)LV50/50

【根源悪】……あらゆる全てと敵対する。

【契約中】……契約中、悪魔は十全に力を扱える。

【未受肉】


HP【6000】

MP【6000】

SP【6000】


《神の呪い》


《称号》

《災厄の悪魔》

 約500年前、亡国の王子によって呼び出され、世界の半分を滅ぼした存在。

「君は世界を滅ぼすだろう。おめでとう、君は世界の敵対者だ」

 スキル獲得……《神聖特攻》《人類特攻》


《血塗れの怪物》

 通った道は血に塗れ、目に入った全てを鏖殺する。まるでその様子は──血塗れの怪物

「いったい何人殺した?なぜ何も感じない。……え、お前はアリを踏み殺した時、何か思うかい、だって?」

 スキル獲得……《畏怖》《怪物》


《神殺し》

「神聖は失墜し、地に溺れる」

 スキル獲得…《神特攻》


《精霊の天敵》

「おめでとう。君はこの世の理をも凌駕する。君は、あらゆる自然の敵となったのだ」

 スキル獲得……《精霊特攻》《自然影響無効》


〈罪業スキル〉

《知恵の実》

「人が人たる所以は、全てこの罪によって始まった」

貴方は目に見える全てを解析することができる。


〈固有スキル〉

《黒霧》《月下の獣》《怪物》


〈種族スキル〉

《魂食》《不死》《堕落》《誘惑》《道連れ》


〈術系統スキル〉

《契約術Lv3》《料理術Lv1》《食器戦闘技術Lv4》《投擲技術Lv4》《掃除術Lv1》《幻惑術Lv1》《悪魔術Lv5》《交渉術Lv1》《隠密術Lv6》


〈魔法系統スキル〉

《空間魔法Lv20》

第10階位:〈収納〉〈回帰付与〉

第9階位:〈座標設定〉

第8階位:〈空間隔離〉

第7階位:〈瞬歩〉

第6階位:〈空間断絶〉

第5階位:〈空間転移〉


〈強化系統スキル〉

《脚力上昇Lv6》《腕力上昇Lv4》《嗅覚上昇Lv2》《瞬間強化Lv1》《神聖特攻》《神特攻》《人類特攻》


〈耐性系統スキル〉

《自然影響無効》《苦痛耐性Lv3》


〈その他スキル〉

《畏怖》《分身Lv3》《予測Lv4》《気配察知Lv6》《飛翔Lv2》《変装Lv1》《作り笑いLv-》《作り泣きLv-》《鑑定Lv2》《人化Lv–》《世界共通言語Lv–》


〈戦闘技能〉

《回転脚》《爆裂脚》


〈眷属〉

《月の銀獅子:アルジェント》


残りSLP0

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 この通り、弱体化した神が創った結界如き、破れないはずがない。

 

「【知恵の実】──ふふ、厨二御心をくすぐられますね」


 ──解析完了。


 もし効果音が鳴るのならば、パキンとガラスが割れるような音がしたのだろう。

 まるで空が砕けたような、そんな光景。創国からこの国を護り続けた結界は、呆気なくその姿を消すのだった。

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― 新着の感想 ―
契約術Lv22まで上げてなかったけ?
次話も楽しみにしてます 頑張ってくださいb
強くて多少人の心がない女の子大好きなのでこの作品に本当に救われています。ありがとうございます!!!
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