とうし
【主要登場人物】
リン・フォワード
(主人公、男、白髪、825歳)
フィロ・ネリウス
(猫獣人、女、褐色肌、黒髪、16歳)
ジェット・エーギル
(傭兵、酒と女好き、男、金髪、28歳)
オウル・P・マギー
(妖人と人間の混合種、ハッカー、男、青髪、17歳)
カレン・クジョウ
(元工作員、針使い、女、赤紫髪、23歳)
ロック・ロック
(元Riバース、元二重人格、改造、男、緑髪、21歳)
ドムさんとの戦闘から撤退してきた僕達は、病院での検査のあと、科学都市の宿屋まで戻っていた。
「それで、技師の街は、けっこう遠いのか?」
「そうね、地図で見るとだいぶあるわ」
「くるま、こわれちゃったんだよね?」
そう、車は壊れた。
レイス都市長から譲り受けた、大型の高級車がだ。
弁償することはないだろうが、短期間で大破させてしまったことは、レイス都市長も夢には思わないだろう。
「歩くと1ヶ月以上はかかりますよ」
「この都市の車屋で安いのがあればいいけど、僕達の財だけじゃ無理かもなぁ」
「ぬすんじゃお!」
「パクろうぜ!」
それはナンセンス。
持ち運べないし、簡単にバレるだろう。
いや、本当に、これ以上レイス都市長には迷惑はかけられない。
どうしたものか。
「車なら、もうオレっちが準備してるっすよ」
ロックの言葉に全員がキョトンとする。
「いまなんて?」
「オレっちオレっちオレっち車車車準備準備準備完了完了完了っっっすよ!!!」
本当に?
というか、いつの間に?
「お前また俺達を騙そうとしてるんじゃないか?」
「ごかんべぇくだせぇ兄貴、オレっちは皆様方のために購入したんすよ」
いつ購入をしたのか尋ねると、昨日の時点だった。
確かにグループ行動だったが、ずっと一緒にいるわけではない。
僕と離れている時間に車屋に行っていたのは理解できるが、購入する必要はあったのだろうか。
まるで、車を大破させる前提のような気がしてくる。
「その理屈だと最初から壊す予定だったんですか?」
そうだよね。
オウルだけじゃなく、他の皆もそう気づくよね。
「このゴーグルはただのゴーグルじゃねぇっす!この耳も眼も鼻も口も顎も頭も腕も足も全部特別製なんすよ!」
さすがに、全部というのは嘘だろう。
見た目的に改造しているのは片腕と片足、それと片目。
「ゴーグルのここで感度を調節すれば、あら不思議。広範囲が見渡せるだけじゃなく、透けて感知して予測するんす」
つまりは、内臓型の自動駆動みたいなものか。
ただ透けるというのはどういう意味なのか。
「まさか、私達も透けて視えるんじゃないんでしょうね?」
「視ようと思えば視えるっす。ただそれはデータ……ホログラムというやつでして、分かるっすか?」
ジェットとフィロはちんぷんかんぷん。
カレンとオウルはなんとなくという感じ。
僕は分かる、元研究員だし、その時代にそういうのは当たり前にあった。
「まぁ、あれだよ…ロボットのような機械人間のような眼の見方ができるってことだよね?」
「そうそうそうっす。建物のどこに人がいるかなんかが解る判る理解るっす。そんでもってついでに言えば、微細な自動駆動も視えるっすから、音声変換からBOSSが居ることは知ってたっす」
「それなら最初から言ってくれれば…いや言えないか…」
ロックがボイルと僕の事を知っていないにせよ、名前は知っているだろうし、ロックの判断は間違いではなかったのかもしれない。
「あの目立つ高級車は売ろうと思ったんすけどね、大破爆破はははーすね。オレっちは大損すけど、これは未来将来明日への投資っすから問題ないっす」
つまりは、ロックの持ち金で購入。
Riバースの給料事情は悪の組織だけあって潤沢のようだ。




