無免許
【主要登場人物】
リン・フォワード(主人公、男、白髪、?歳)
フィロ・ネリウス(獣人、女、黒髪、16歳)
ジェット・エーギル(傭兵、男、金髪、28歳)
オウル・P・マギー(ハッカー、男、青髪、17歳)
カレン・クジョウ(?、女、赤紫髪、23歳)
ロック・ロック(?、男、緑髪、21歳)
情報整理をしていくなかで、ドムさんが指名手配になっていることを知った。
あれだけのことをして、どこに潜んでいるかも分からないのだ。
警戒態勢になるのも無理はない。
手配情報はこの都市と近くの街や都市にしか伝わっていない。
そもそも今の時代に情報を世界に発信することはできない。
都市や街の独自のネットワークはあっても、外部にはないことが多い。
荒野など街などに属さない地域で、オウルが持つようなパソコンが使えるのは高性能だからだ。
だがそれでも仙都には情報を伝えることはできないため、時間はかかるがレイス都市長からギリコ都市長へ、一報を入れる、ということになった。
「科学都市まではかなりの距離があるから困ってたけど、これは大助かりだね」
「さすがは都市長ですね。羨ましいかぎりです」
「かっこいい!」
「キタキタキター!」
「これは貰いもんでいーんだよなカレン!イジってもいーんだよな!」
「ええ、レイス都市長にはちゃんとお礼を言ってね」
ドムさんの娘、アイちゃんが手術を受けたという都市は西にある科学都市。
調査でそこに行くことになったのだが、普通に歩いてもかなりの距離があることが判明。
どうしようかと考えていたときに、手を差し伸べてくれたのはレイス都市長。
あの御方が用意してくれたのは、秘蔵の高級車であり、10人乗りの大型車だった。
車なら、5日もあれば到着できるだろう。
歩き疲れることもない、快適な旅だ。
「なまえつけよーよ」
「閃光の龍なんてどうだ?」
「ネーミングセンス無さすぎですよ」
「快適無敵公的ブンブン丸でどうっすか?」
「無敵ではないと思うよ」
「皆、ほどほどにね。で、誰が運転するのかしら?」
全員、顔を見合わせる。
視点はジェットに向いた。
「俺は無理だぞ。大型車の免許なんてもってねー」
「さっきイジろうとしてたのにですか?」
「見た目に決まってるだろうが」
「私はむりだよ」
「免許とれる年齢じゃないしね」
「私は免許あるけど実際の運転はしたことがないわ」
「僕もレースとかゲームでしかないですね」
「オウル、君も年齢的に無理でしょ」
「オレっちがいけるっすよ」
仰天した様子でロックを見る。
車の中での視点移動は動きにくくて難しい。
「ほんとっすよー!技師の街出身者が車を動かせないわけないでしょーが。オレっちに任せんさい!」
「ホントに?本当に大丈夫?免許は?」
「ないさぁ!でも大丈夫さぁ!さぁさぁさぁ!出発するぜぇ!野郎ども!シートベルトは締めましたかぁ!?」
無免許運転。
公道でないため、捕まることはない。
ただ車の出どころを調べられたとき、レイス都市長にはなんていうべきか。
いや、考えることはやめよう。
いまは、安全に着くことを祈るだけ。
自信満々のロックは快調に飛ばす。
車内には歌声。
天気は快晴。




