合流
【主要登場人物】
リン・フォワード(主人公、男、白髪)
フィロ・ネリウス(獣人、女、黒髪、16歳)
ジェット・エーギル(傭兵、男、金髪、28歳)
オウル・P・マギー(ハッカー、男、青髪、17歳)
カレン・クジョウ(?、女、赤紫髪、23歳)
【サブ登場人物】
キャロル・グレンズビー(試練の街長)
ザック(仙都、ギリコのボディガード)
3人組
コザ(元Riバース、97位)
シシオウ(獣人チーム)
ロック・ロック(Riバース、15位)
クロック・ロック(Riバース、15位)
ナツメ(Riバース、44位)
クレイ(Riバース、9位)
クレイが起き上がることはなかったが死んではいない。
彼の熱は一般的レベルだが、それが感じ取れるのが証拠。
周囲を見渡すとコザ達も生きていた。
全弾燃やし尽くしたことで流れ弾もなく、意識もある様子。
縄をほどくと3人組と何処かへ行ってしまった。
試練中に一緒にいた奥方は無事なのだろうかと少し心配になった。
ザックも問題はない。
絶賛気絶中ではあるが致命傷はない様子。
僕は自身の治癒はできるが他人のケガは治せない。今は有り難いかぎりだ。
ザックを肩で担ぎ、やや引きずるような形で歩いていると、向こうからフィロとカレンがやってくる。
その後ろからはジェットとオウルもだ。
皆無事で嬉しい。
会場だった場所まで戻ってくると、多くの人達が集まっていた。
中心には大会の主催者であるキャロル様と数人の護衛兵。
その脇には担架で運ばれるシシオウさんがいた。
「貴殿らも無事だったか」
「はい、おがげ様で」
「もしかして爆発による傷ですか?」
「そうではない」
「シシオウ殿は余を庇ってくれたのじゃ。やはり余の夫となるは貴方様をおいて他にありはせん。余とともに未来を築いては下さらぬか?」
「キャロル様、お話は有り難いが我とて修行の身。武の境地はまだまだ先。この話はまた我が戻ってきた時に願いたい」
「おお勿論じゃ、余はこの地を再建して待っておるぞ」
途中で恋バナに遮られてしまったが、そこは大人。
ちゃんと話を戻してくれる。
「貴殿らも件の構成員と対峙していたのだろう?」
僕達は相槌を打った。
「我もだ。それも数人。まぁ強者はおらぬゆえ大したことはなかったが、人を守りながらの戦いは初めてゆえ苦戦してな、この体たらくだ。まだまだ修行が足りんということよ」
「余は感動しておる。愛じゃ、愛が勝ったのじゃ」
「…それはさておき、貴殿らも一戦交えていたのだろう?奴等は何者か知っているか?」
「…いえ…知りません」
「左様か…なればよし、この話は終わりとする」
「お身体気をつけてくださいね」
「貴殿らもな」
仲間の獣人メンバーも一緒になってシシオウさんを運んでいく。
キャロル様はそれを見えなくなるまで眺め終わると、僕達の方を振り返った。
「お主らにも感謝せんといかんな」
街長は深々と頭を下げる。
異例なことで周りもざわめきはじめる。
「それと敬意と賞賛もじゃ、大会の表彰式も出来ずじまいじゃったからの」
護衛の兵士達も同じように礼をする。
「優勝金じゃが…」
「あっ!それについては要りません!」
「はっ?」
皆が一斉に僕を見る。
意外にもカレンだけが笑っていた。
「10億だぞ!おい、リン!頭おかしくなったんじゃねーか?」
ジェットは僕を激しく揺さぶる。
「いやだってほら、街の再建費用に必要でしょ?僕達が持ってたってしょうがないよ。預けることもできないんだしさ」
お金を生身で持つのは危険だ。
盗賊に襲ってくださいと言っているようなものだ。
「はぁ!?だからって10億だぞ!遊んで暮らせるんだぞ!」
「僕は別に遊びたいわけじゃ…」
「みっともないわよジェット、リーダーの決めたことでしょ」
「はぁ!?あーあーもういいぜ!好きにしろや!このお人好しが!」
「ということみたいですので、優勝金は返金します」
「まちのみんなで使ってねーー」
その言葉に、その場の全員が開いた口が閉まらなかった。
シシオウが未来の街長なら、彼らは英雄だと誰かが言った。
リン達一行は、街の復興は手伝わない。
悪者を退治しただけでなく、復興金も出してくれたのだ。
これ以上は甘えてはいけない。
そう強く主張したのはキャロル本人。
リン達は大手に振られ、街の外に出た。




