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シンなる旅路【第一部、外伝】(カクヨムさんの方で修正版を投稿しています)  作者: 飯屋クウ
第五章 這い寄る闇

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フィロ&カレン VS 44位ナツメ ①

【主要登場人物】

リン・フォワード(主人公、男、白髪)

フィロ・ネリウス(獣人、女、黒髪、16歳)

ジェット・エーギル(傭兵、男、金髪、28歳)

オウル・P・マギー(ハッカー、男、青髪、17歳)

カレン・クジョウ(?、女、赤紫髪、23歳)



【サブ登場人物】

キャロル・グレンズビー(試練の街長)

ザック(仙都、ギリコのボディガード)

3人組

コザ(元Riバース、97位)

シシオウ

ロック・ロック

最初の爆発のあと、カレンはフィロと一緒に行動していた。

バランス的に考えれば女同士というのは良くないのだが、ザックは一人でどこかに行き、リンは残ることを選択。

オウルとジェットは男手が必要な場所へ駆り出されおり、選択の余地なし。

フィロを一人にしてはいけないと思ったのは彼女の判断だった。


彼女達は会場からはかなり離れてはいたが、2回目の爆発の余波は届く。


「きゃぁー!」

「フィー!こっち!」


爆風を前にしては普通の家屋は意味をなさない。

いくつもの建物は倒壊したが、彼女達は無事だった。


「びっくりしたぁ」

「最初の爆発よりも大きい…こんなのが立て続けに来たら人命救助なんてできやしないわ」

「あねご、どうする?」

 


カレンは賢い女だ。

幼少期から波瀾万丈な人生を送ってきたが、上手く乗り越えてきた。

危機的状況は回避してきた。

そんな彼女も今回は身の危険を感じた。



「逃げるわよ、フィー」

「え?まちの人は?」

「全部は助けられないわ。道中で困っている人だけ。私達の安全も確保しないことには無意味よ」


私は、ヒーローではない。

蹂躙できるほどの力があるわけでもなければ、俊敏さがあるわけでもない。

得意なことは、話術と少しばかりの暗殺体術。

仕込針の操術で相手を翻弄し、自慢の毒針で命を奪う。

毒の配合も自分で研究。


戦闘能力は決して高いわけではない。

しかし、レイス都市長直轄の工作員は万能でなければならない為、訓練は厳しかった。


幼かった私は大人になった。

ここまで成長できたのは、レイス都市長のおかげ。


それでも、根っこの部分は変わらない。

私は表舞台に立つような存在ではない。

せいぜい脇役。

()のようにはなれない。



「あねごがしなくても、私ひとりでたすける」

「それは無理よ、フィー!逃げましょう!」

「いや!手を、はなして!」

「だめ!」

「私、いろんな人にたすけてもらった。私をみても、こわいことばを言う人はいなかった。たびにでてよかった。こんどは私がたすける番なの。リンならそうするはずでしょ?」

「っつ…」



確かに、リンならば迷いなく助けることを選ぶ。

不利な状況下であったとしても、彼は自分の決めたことを全うしようとするだろう。


フィーの言葉に触発されたわけではない、が、心は揺れ動く。


「はぁ、ヒロインという枠でもないでしょうに、ここは名脇役狙いでいいかしら?」

「うんうん!じゃあまずは、こまっている人さがそう、あねご」


「あら、そんなことできるのかしらん?」



不意を突かれた彼女達は咄嗟に身構える。

振り向いた先には、淡い色の着物の女が扇をなびかせていた。



「まさか……」

「出会ったばかりで申し訳ないでありんすが、お命頂戴いたします」


「あねご、あれは?」

「貴方達の計画だったのね」

「左様でござりますれば」 

「喋り方、統一した方がいいんじゃないの?」

「それには及びません。混沌、カオス、ぐちゃぐちゃ、私お好きですの」

「面倒なキャラね」

「お褒めにあずかり光栄でありんす」


「人助けの前に、まずはこのバカ女を倒す、いい?フィー」

「がってんしょうちのすけ!」


「ふふ、ではでは、楽しいパーティーを始めましょう。私は再誕の芽『Riバース』所属、44位のナツメ。いざ参る!」



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