3.5勢力の戦い①
【主要登場人物】
リン・フォワード(主人公、男、白髪)
フィロ・ネリウス(獣人、女、黒髪)
ジェット・エーギル(傭兵、男、金髪)
オウル・P・マギー(ハッカー、男、青髪)
【サブ登場人物】
レイス・ピコ(陰都市長)
カレン・クジョウ(?)
ビーブ(商人)
シュリ(糸目男)
ロックロッククロックロック(?)
覆面女(?)
よろず屋の人気は凄まじく、都市内で報道もされている。
そろそろ、同業者に目をつけられてもおかしくない。
僕も指輪捜索のおかげで、売上貢献ができている。
大金を持って帰ったあの日は全員に驚かれた。
次の仕事依頼だってある。
今日も慌ただしい1日が終わりそうな時に、その人は来た。
赤紫髪の女性、カレンだ。
「よおカレン久しぶりじゃねーか」
「あねごーおひさ!」
「お店、繁盛しているみたいね、よかったわ」
「カレンさんの読み通りですね」
「ありがとうオウル君、リンも意外とやるじゃない。私の手ほどきは必要なくなったみたいで悲しいわ」
「ま、まぁね、僕にかかれば造作もないことだよ」
生活している宿は店の隣にある。
ここもカレンが用意したものだ。
古家を再利用しているらしい。
家具などは新調されていて、ベッドはフカフカでいたせりつくせりだ。
彼女には、誰も頭が上がらないだろう、僕を除いて。
「で、話があるんだろ、聞くぜ」
いつにも増して神妙な面持ちだったことに皆が気づいている。
「察してくれてありがたいわ。急で申し訳ないのだけど、明日リンとフィーを借りていくわね」
「オッケーだよあねご」
「なんで僕まで必要なのさ」
「男手が必要なの」
「ならジェットの方がどう考えても適任でしょ」
「…ダメね。お店休ませられないでしょ?」
「そんなことないよね?」
ジェットは考え込み、眼をカッと開いた。
「わりぃが、今回は無理だなリン。俺は休めねえ」
「なんでだよ!」
「商売人魂に火が付いちまった」
「いやいや似合ってないでしょ」
「それに、オウルと売上が拮抗してるのも癪に障る」
「単価は僕の方が高いですからね」
「男の意地だ。負けるわけにはいかねーから、店番させてもらうぜ」
「僕も残りますね」
両者睨み合いが続く。
僕の同行は避けられそうもない。
「はぁ…で、何をさせるのさ」
「それは明日の朝説明するわ。今日はちゃんと身体を休めてちょうだい。明日は終日動いてもらうと思うから」
どうにもきな臭い。
問題事に駆り出されそうな嫌な予感だ。
その日のベッドは、いつにも増して重く沈んだ。
翌朝、僕より早くにカレンは朝食を摂っていた。
自分家のように振る舞う。
「おはよう、リン」
「おはよー、リン」
「2人は?」
「仕入れ、と聞いてるわ」
開店前から勝負は始まっているということか。
「それで?」
「まずは、これを見てほしいの」
写真が1枚置かれる。
目にしたことのある物が映っていた。
「これ僕見たことあるんだけど…」
「!?リン、それは本当かしら?」
「いや、でも少し違うか…僕の見たのは碧色だったね。でもその紅色の指輪も依頼されたよ」
「依頼というのは、もしかしてビーブから?」
「ビーブ?」
「彼じゃないとしたら、シュリかしら?」
「あ、そう!それ!糸目男!」
「なら話が早いわ」
カリンは2枚写真を追加する。
紋様が描かれた部屋と何かを保管していた部屋の2つ。
後者は間違いなく、指輪を保管していた部屋だろう。
「実は、この指輪、都市長が代々持つことが許されている物なのだけど、つい先日何者かに盗まれたの」
指輪を守っていたであろう箱には、鋭利な刃物で切られた痕跡がある。
「ちょっと待ってよ。そうだとして、カレンは何者なのさ?」
「都市長、レイス様に仕える者の1人よ」
「言っちゃっていいの?」
「貴方達なら問題ないわ。秘密厳守でお願いね」
「まかせてあねご!」
「絶対、厳守の意味分かってないよねフィロ」
フィロには諸々あとで伝えようと思う。
「それでこっちは?」
「これは財宝が隠されている部屋の写真」
「財宝?」
「ざいほー!!……ってなに?」
ドサっ、という音が正しいかもしれない。
2人して前のめりに立ち上がったのに、僕だけ転げた。
「それもあとで説明するよ、フィロ」
「お願いね、リン。あとは簡潔に説明するわ。要点はまとめて頭に入れて、記録には残さないように。準備が終わったら行動して、何かあればこの無線に伝えて」
耳に嵌め込む型式の小さな無線機。
僕達は早速、行動開始した。




