渦巻く糸①
【主要登場人物】
リン・フォワード(主人公、男、白髪)
フィロ・ネリウス(獣人、女、黒髪)
ジェット・エーギル(傭兵、男、金髪)
オウル・P・マギー(ハッカー、男、青髪)
【サブ登場人物】
カレン・クジョウ(?)
シュリ(糸目男)
ロックロッククロックロック(?)
「それで、例の物は見つかったかしら?」
膝をつき頭を垂れる者は首を振る。
「そう」
「申し訳ございません」
「犯人は?」
「調査中ですが、大方目星はつけております」
「複数犯?」
「いいえ」
「手口は?」
「窓辺に細い痕跡がありましたので、おそらくあの女の糸でしょう」
「目的は?」
「分かりかねます」
「あそこに目を向けさせない、もしくは注意を引くということかしらね」
「可能性はございます」
「…そう。ままならないわね」
玉座に座す者の椅子が、より深く沈む。
もう一人は、動かない。
「話を変えましょう。彼は、どう?」
「探し人に間違いございません」
「それは上々。事がうまく運ぶといいわね」
「…はい」
話は終わり、奥へと消える。
静かになったことを確認した彼女も、大広間から退出した。
都市の外れでは、闇取引が盛んに行われている。
癖のある者や、互いを信用していない者達も多い。
盛んという表現は間違いかもしれないが、どの大商人にも属さない地区で、各々が暗黙の了解のもと、表に出にくい商品を売り出すことで、大様に商売が成立している。
「この型式でこの値段は高くないか?」
覆面をした者が商売人にケチをつけている。
「嫌なら買わなくていいんだ。あんた以外にも客はいる」
頭からフードも被っている。
「任務中でなければ、お前の首はなかっただろうな」
覆面フードは店外に出た。
「あぁ、私だ、繋げてくれ」
沈黙のあと、回線が繋がる。
「君か、報告してきたということは成功したのかい?」
「ああ。しかし、これを外部に持ち出すのは不可能だ。追跡装置はないが、ある一定の区画を出ると街中でアラートが鳴る仕組みになっている」
「そのままでいい。一番の目的はあの女を我々から遠ざけることだからな」
「私はいつまでここにいればいい?」
「追々連絡を入れる」
「この指輪は何なんだ?」
「君がそれを知る必要はない。指輪があっても、3つの暗号が分からなければ意味はない。それを探す必要もない」
「そう、契約は継続中で間違いないな?」
「もちろん。君の今後の活躍に期待している」
「分かった、また連絡する」
「不要だ。次はこちらから連絡を入れる。回線が傍受されている可能性も考慮する必要があるからな」
有無を言わさず、回線は切れる。
覆面フードもその場をあとにした。




