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シンなる旅路【第一部、外伝】(カクヨムさんの方で修正版を投稿しています)  作者: 飯屋クウ
第四章 棘あり注意

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忍び寄る影

【主要登場人物】

リン・フォワード(主人公、男、白髪)

フィロ・ネリウス(獣人、女、黒髪)

ジェット・エーギル(傭兵、男、金髪)

オウル・P・マギー(ハッカー、男、青髪)



【サブ登場人物】

カレン・クジョウ(?)

意外にも、ロリ・オウジは繁盛していた。


オウルやジェットの前には、行列ができるほど、人が並んでいる。

フィロの周りも人集りができている。

ワームの抜歯は早々に高値で売れ、現在の売上高は拮抗している。

貢献していないのは僕だけだ。

僕の前には誰もいない。

分かりきっていたことだが、ただただ時間が虚しく過ぎる。


今日もまたゼロ。

このままでは非常にまずい。

早く手を打たなければ、あれが手を差し伸べてくる前に。


困り顔をしても客は来ない。

気分転換に店を出たところで、声がかかる。

振り向くと、道の端に誰か座っている。

そこにいたのは、額にゴーグルをかけた緑短髪の青年。


「兄さん兄さん、困り事っしょ、オレっちにまかしぃ」

「君は誰?」

「オレっち?オレっちはロック。ロックロッククロックロック」


間違いなく変人につかまった。

外見は普通だが、喋り方は変だ。


「困り事っしょ?来なしぃ、早く、さぁさぁさぁ!」

「僕は大丈夫だかってうわぁ!」


見た目とは違い、腕力は凄い。

片腕だけで引っ張られる。

足音も重量感がある。

聴き間違いかもしれないが、左右の音は違った。



「ついたっちー、さぁさぁさぁ、おはいんなしぃ」


連れてこられた場所は料亭。

店の周りは繁華街。

ジェットがカレンから紹介を受けていた店がある。

大商人の1人、西のケイと呼ばれる人物が支配している地区だ。

他に南のウン、東のハツという人がいて、髭面男は南にあたる。



「どうぞこちらへ、おかけ下さい」


この人は見たことがある。


「あなたが、ケイさん?」


宿屋で見た糸目男だ。


「まさか違いますとも。私はシュリと申します。ケイ様の傘下に入った新参者です」

「へぇ、そうですか。お仕事頑張ってください。失礼します」


彼の持つ扇子が1つ音をたてると、開いていた襖が閉じられる。


「お待ち下さい。別に悪い様には致しません。依頼をしたいのです。探し物を見つけてくれるのでしょう?」

「……特徴は?」

「話が早くて助かります。こちらの写真の指輪です」

「期限は?」

「ありません。報酬は達成速度による、ということでよろしいでしょうか?」

「理解しました。では今度こそ失礼します」



強引陰湿な客は好きではない。

依頼を受けるのは一度だけにするつもりだ。


「終わりやした?はやっすねー帰りますぅ?連れてけますよ、さぁさぁさぁ」


「大丈夫です、方向音痴ではありませんから」


「オレっち、仕事ない?残念無念概念記念!」


この人ともあまり関わりたくない。

悪い人ではなさそうだが、変人極まりない。


「オレっちの名はロックロッククロックロック」

「はいはい、また今度来ますね」


軽く接するぐらいが丁度よい相手。


指輪の捜索は明日の朝から、今日は早く休むことにした。

















「オレっちの名はロック・ロック(俺の名はクロック・ロック)、新しい客だ(次の獲物はあいつだ)、稼ごう(貪ろう)、2人のために(俺達のために)」




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