よろず屋『ロリ・オウジ』②
【主要登場人物】
リン・フォワード(主人公、男、白髪)
フィロ・ネリウス(獣人、女、黒髪)
ジェット・エーギル(傭兵、男、金髪)
オウル・P・マギー(ハッカー、男、青髪)
【サブ登場人物】
カレン・クジョウ(?)
店名の次に大事になるのは商品決め。
売上は多くある必要はない。
生活費と旅資金、僅かな貯蓄ができれば不満はない。
商品統一を図りたいところだが、今回は無理そうだ。
議論が白熱して、絞ることができない。
4人とも趣味嗜好が違うのだ。
結局、各々自分が売りたいと思う物を売ることになった。
所謂、なんでも屋だ。
オウルは自分の器用さを活かし、その場で客の似顔絵を描く。
自動駆動に補助してもらうことで、立体的に製作するようだ。
ジェットは、フィロが食べていた、果物を飴でコーティングした菓子に似た物を作る。
飴を酒に変えたり、裏メニューとして果物の代わりに火器や弾を使うらしい。
この都市は、火器類の規制はされているが禁止ではない。
フィロは、旅で手に入れた物を販売するようだ。
ワームの抜歯は誰も買わないと思うが、目玉商品として売られている。
仙都のときのような、お手伝いもするらしい。
僕はというと、フィロに似た感じだ。
ワームの抜歯は売らない。
探し物を見つける依頼一点に絞っている。
多少の非難はあったが、裕福層を狙いとした手法だ。
誰かさんのようなギャンブル依存はないが、勝負運はある方だ。
一発逆転の可能性も期待できる。
「看板準備できたよ」
「機材のメンテナンス終わりだ」
「レジはいらないか、各々だし」
「いすとつくえと、あとふうせん?」
「風船は要らないと思うわよ、フィー」
フィロをフィーと呼ぶのはカレン。
店の初期費用は全て彼女持ち。
営業する場所も、お誂え向きな所を紹介してくれている。
大商人3人のテリトリーとする地区を躱しているからだ。
援助はこの上なく有り難いが、ここまでくると逆に不気味だ。
ジェットは夜の店の紹介を受けていたらしく、彼も既に堕ちている。
外堀を埋め尽くされ続けている。
残りの首は僕だけ。
ここが正念場。
死守できるかどうかが、今後の人生に影響する。
「あねごー、これどう?」
「悪くないわフィー、あとはもう少し中央に置きましょ」
「カレンさん、看板傾いてませんか?」
「問題ないわオウル君。色付けもさすがね」
「おいカレン、この機材の燃料はどこで買えばいいんだ」
「あとで教えるわ。次いでに食材も良質な所を紹介してあげる」
雰囲気が良好すぎて怖い。
可怪しいのは自分。
そうおもってしまいそうだ。
「リン、貴方は大丈夫かしら?」
「ん?ああうん、問題ないよ」
「何か困ったことがあれば言って頂戴。些細なことでもいいから」
「あーはいはい、そのうちね、あったらね」
「貴方の場合、待ちの姿勢になりがちだけど、それではマズイわ。自分を売り込みに行かないと。良い所教えてあげましょう」
「いやいいよ、気を使わなくて、自分でできるさ、このくらい、うん」
強がりを言ったわけではないが、皆の視線は痛い。
気を取り直しつつ、僕も最終準備を手伝う。
そしてついに恙無く、僕達の店、よろず屋『ロリ・オウジ』は陰都にオープンした。




