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シンなる旅路【第一部、外伝】(カクヨムさんの方で修正版を投稿しています)  作者: 飯屋クウ
第四章 棘あり注意

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よろず屋『ロリ・オウジ』②

【主要登場人物】

リン・フォワード(主人公、男、白髪)

フィロ・ネリウス(獣人、女、黒髪)

ジェット・エーギル(傭兵、男、金髪)

オウル・P・マギー(ハッカー、男、青髪)




【サブ登場人物】

カレン・クジョウ(?)

店名の次に大事になるのは商品決め。

売上は多くある必要はない。

生活費と旅資金、僅かな貯蓄ができれば不満はない。


商品統一を図りたいところだが、今回は無理そうだ。

議論が白熱して、絞ることができない。

4人とも趣味嗜好が違うのだ。


結局、各々自分が売りたいと思う物を売ることになった。

所謂、なんでも屋だ。


オウルは自分の器用さを活かし、その場で客の似顔絵を描く。

自動駆動(オートマシン)に補助してもらうことで、立体的に製作するようだ。


ジェットは、フィロが食べていた、果物を飴でコーティングした菓子に似た物を作る。

飴を酒に変えたり、裏メニューとして果物の代わりに火器や弾を使うらしい。

この都市は、火器類の規制はされているが禁止ではない。


フィロは、旅で手に入れた物を販売するようだ。

ワームの抜歯は誰も買わないと思うが、目玉商品として売られている。

仙都のときのような、お手伝いもするらしい。


僕はというと、フィロに似た感じだ。

ワームの抜歯は売らない。

探し物を見つける依頼一点に絞っている。

多少の非難はあったが、裕福層を狙いとした手法だ。

誰かさんのようなギャンブル依存はないが、勝負運はある方だ。

一発逆転の可能性も期待できる。



「看板準備できたよ」

「機材のメンテナンス終わりだ」

「レジはいらないか、各々だし」

「いすとつくえと、あとふうせん?」

「風船は要らないと思うわよ、フィー」


フィロをフィーと呼ぶのはカレン。

店の初期費用は全て彼女持ち。

営業する場所も、お誂え向きな所を紹介してくれている。

大商人3人のテリトリーとする地区を躱しているからだ。


援助はこの上なく有り難いが、ここまでくると逆に不気味だ。

ジェットは夜の店の紹介を受けていたらしく、彼も既に堕ちている。

外堀を埋め尽くされ続けている。

残りの首は僕だけ。

ここが正念場。

死守できるかどうかが、今後の人生に影響する。



「あねごー、これどう?」

「悪くないわフィー、あとはもう少し中央に置きましょ」

「カレンさん、看板傾いてませんか?」

「問題ないわオウル君。色付けもさすがね」

「おいカレン、この機材の燃料はどこで買えばいいんだ」

「あとで教えるわ。次いでに食材も良質な所を紹介してあげる」



雰囲気が良好すぎて怖い。

可怪しいのは自分。

そうおもってしまいそうだ。



「リン、貴方は大丈夫かしら?」

「ん?ああうん、問題ないよ」

「何か困ったことがあれば言って頂戴。些細なことでもいいから」

「あーはいはい、そのうちね、あったらね」

「貴方の場合、待ちの姿勢になりがちだけど、それではマズイわ。自分を売り込みに行かないと。良い所教えてあげましょう」

「いやいいよ、気を使わなくて、自分でできるさ、このくらい、うん」


強がりを言ったわけではないが、皆の視線は痛い。

気を取り直しつつ、僕も最終準備を手伝う。



そしてついに恙無く、僕達の店、よろず屋『ロリ・オウジ』は陰都にオープンした。

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