よろず屋『ロリ・オウジ』①
【主要登場人物】
リン・フォワード(主人公、男、白髪)
フィロ・ネリウス(獣人、女、黒髪)
ジェット・エーギル(傭兵、男、金髪)
オウル・P・マギー(ハッカー、男、青髪)
【サブ登場人物】
カレン・クジョウ(?)
仙都と同じ12ある都市連合の1つ、ここ陰都は世界共通硬貨発祥の地。
業態は多数あり、他地域の商人で溢れかえるのは日常茶飯事とのこと。
「はい嬢ちゃん、100PKね」
「わーい、ありがとう」
購入したのは、果物を飴でコーティングした菓子。
フィロは気分よく食べている。
PKとは、ルーズ・ピコという人物の名前に由来している。
昔この都市を統治していた人で、現在の統治者の名は、レイス・ピコラス。
フィロと出会った街、砂の古都にも来訪していた女性都市長だ。
任期は長く、支持率も高いらしい。
あの時、一番聡明さを感じたのはあの御仁だ。
ここで会えるかは分からない。
もし出会うことができれば、お礼を言おうと決めている。
事が上手く運んだのは、あの方の配慮も合ったと思えるからだ。
「ここも1ヶ月の予定でいいんだよな」
「うん、いつも通りでいくつもりだよ」
小さな街は2週間、大きな都市は長くて1ヶ月の滞在で旅をしている。
「仙都のような業態もあるんですかねぇ?」
「たんこうでもフィロはいいよ?」
「雰囲気的に探鉱は無いと思うよ」
「ガキとジジババにこき使われない仕事がいいぜ」
皆思い思いに耽っていると、尻尾を掴まれたようで、フィロが跳ねている。
「んにゃ!あねご!!」
姉御とは誰かと思い振り返ると、そこには宿屋で出会ったカレンがいた。
「どうも皆さん、御機嫌よう。奇遇ね、陰都に来てくれて嬉しいわ。歓迎、してあげる」
こっそりと、後をついてきたのではないかと思うくらい自然な入り方だ。
意外と皆は歓迎ムード。
人に取り入るのが得意なんだろう。
僕だけは騙されないよう、気をつけないといけない。
彼女に対して、感知を一段階引き上げる必要があると思った。
「仕事を探しているんでしょう?私が、いい事を教えてあげる」
「うんうん、あねご!おしえて!」
「ここで稼ぐ一番の方法は、自分の店を出すことよ」
「おみせー!!」
はしゃいでいるのはフィロだけ。
「店を出すにしても色々な問題があります。土地とか商標とか」
「経験者が言うんだ、普通に考えて無理だろ」
「ノウハウは教えてあげるわ。懸念している問題は私がフォローしてあげる」
「普通に紹介所の方が楽なんじゃない?」
「それは無理ね」
「なんで?」
「他の都市に比べて盛んなことは見て分かったでしょ?確かに、仕事はたくさんあるわ、でも紹介所は機能していない」
「というと?」
「宿屋に髭面の男がいたでしょう。この都市に大商人は3人いるのだけど、自分達の利益欲しさに、お互いが牽制しあっているから、紹介所も迂闊には紹介できないのよ」
何となく理解はできる。
その3人に楯突くのは面倒ということ。
「それで店を出すのか」
「少し稼ぐ程度なら大商人達は何も言わない。滞在が短いなら、尚更お勧めするわ」
「何を売るか、商品名に店名も必要ですね」
「それは貴方達にお任せね。旅に関する何かというのもありかもね。私は準備があるから、また後で連絡するわ」
オウルも懐柔されている。
電子端末で連絡先交換をしていた。
「名前どうします?」
「分かりやすいのがいいだろ」
「4人の名前を使うとか」
「なら私が、いちばん、ロ!」
「じゃあ2番は僕で、リ」
「3番、オ」
「ケツは俺か、ジ」
「ロリオジですか、なんかおじさん臭がありますね」
「そもそもなんか悪い気がする」
「オジよりオウジの方がよくねぇか」
「それはそうかも、でもあまり、んーまぁいいか」
「ロリオウジ!わかった!」
無事に開店できるか少々不安な店名となった。




