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シンなる旅路【第一部、外伝】(カクヨムさんの方で修正版を投稿しています)  作者: 飯屋クウ
第四章 棘あり注意

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それぞれの一番③

【主要登場人物】

リン・フォワード(主人公、男、白髪)

フィロ・ネリウス(獣人、女、黒髪)

ジェット・エーギル(傭兵、男、金髪)

オウル・P・マギー(ハッカー、男、青髪)






【サブ登場人物】

ドム(赤牛亭店主)

アイ(ドムの娘)



「僕の一番の思い出はやはり幻想(アルジヨン)の街ですね」


ドムさんは、違和感に気付いた様子。


「ちょっと待て、ルートがおかしくねぇか?」

「そうですね、普通に行けば行き着きません」

「迷ったってことか」

「ワームに地図を食べられてしまいまして、フィロの感を頼りに向かった先が幻想(アルジヨン)の街でした」

「暗闇は横に長く広がっている土地だったというわけか」

「そういうことです。僕達はある意味開拓者ですね」



人の感覚を信じるのは、時と場合を考えたほうが良いということだ。

自動駆動の判断を採用すべきだったが、フィロが自信満々だったこともあり、彼女の感を優先。

結果的には街には着いたが、目的の場所とは違うため大周りとなり、ここに到着するのもかなりの時間を要した。

問題なく進んでいれば、2ヶ月前には到着できていたことだろう。

起伏の無い旅なんてないのだろうけど。



幻想(アルジヨン)はどんな街だったんだ?俺は行ったことがねぇから詳しく知りたい所だ」

「普通ですよ。気候も穏やかで、小さい湖もあって、よくある感じの街の風景でした」

「幻想とはどういう理由なんだ?」

「あそこは雲が少ないんです。天気も晴れが多くて、夜になると星が空いっぱいに広がるんです」

「ほぉ」

「湖のほとりには、草木も生えてるんですが、虫たちの奏でる羽音や、様々な発光虫もいて、幻想的な雰囲気になるんです」



フィロの横でアイちゃんが行きたそうな表情をしており、ドムさんが3人で行こうと約束していた。



「ホント虫が好きだよな。俺は分からんわ。風情も分かんね」

「格好いいですからね。煽って腹を立てて銃を向けたりしてきませんからね」

「おいぃ、それは誰に向かって言ってるんだ?マセガキ」

「誰がマセガキですか、僕は普通ですよ、金髪情緒不安定傭兵おじさん」

「あぁん?」

「まぁまぁ2人とも、そのへんで、小さい子もいるんだから」


「でも、わたしはのこるかもって思ったけどな、オウル」


その発言には僕も共感。

オウルと同じくらいの歳の子がいて、仲良く話をしていたから、街に留まる可能性を感じていた。


「それはないですよ」

「なんでだマセガキ。いい雰囲気だったじゃねーか」

「旅に出てすぐですよ、ありえません。恋にうつつを抜かすのはまだ先でいいです。僕よりジェットでしょう?あの話をしたらどうです?」

「いや、あれは、別にいいだろ、違うし」

「おじちゃん、ききたい」

「俺はおじさんじゃねーよ」

「娘からしたら立派なおじさんだぜジェット。俺もその話聞きたいから頼むぜ」



絶妙な流れで、ジェットへとバトンが渡る。

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