第3フェーズ③
【主要登場人物】
①班
ボイル・マクレーン
レイド・ルーカス
ユキ・アマミヤ
②班
■■
ロロ・ウィル
シェリー・ハーミル
カン・リー
「時間がない!シェルターに急げ!」
「あ、あ…」
階段を駆けるユキの足音が微かに聞こえる。
「ごめん、ぼく…」
「いいから!早くいけ!バカ!」
再度殴られ、突き飛ばされた。
背には、シェルター入口がある。
「!?」
「俺は、この扉を閉めてからいく。ユキを頼む」
「待って!ボイル!」
ユキとは逆方向の階段をボイルは登っていく。
シェルターは人を感知したのか、自動で開いた。
ユキが僕の所に来る。
「…」
「ユキ…」
ユキは何も言わない。
告白をした時と同じように。
シェルターに入った僕は、彼女の手を掴む。
「いたっ…!」
「えっ?」
防護服を着ている彼女が悲鳴をあげたのだ。
手首あたりは焼けていて、肌が露出していた。
僕の手は防護服を溶かしていた。
もはや人の手の形状ではない。
溶岩に漬け込んでいたみたいで、異形だ。
彼女の顔は引きつっていた。
化物を見るような眼だ。
彼女は拒んだ。
ボイルは叫んだ。
やがて光が弾け飛んだ。
雷が落ちたような音とともに、爆風か吹き荒れる。
隕石の周りに黒い稲妻が走る。
防壁はもはや機能していない。
「ユキ、早く!」
僕は、もう一度彼女の手を掴もうとしたが、爆風がそれをさせてくれない。
シェルター入口も壊れたのか、身体半分しか開かない。
爆風は彼女をのみこみ、僕をシェルターの奥に吹き飛ばした。
次に聴こえたのは、軋む音と、鳴り止まぬ悲鳴。
僕の眼に映っていたのは、シェルター入口に挟まっていた、ユキだった。
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い…」
彼女を掴み中に入れようとした。
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…」
外部からは、風圧、建物破片。
内部からは、燃えるように熱い異形の手。
「死にたくない死にたくない助けて助けてよ!!」
圧迫され、所々膨れ上がり、内部出血。
口からも血が溢れ出ていた。
「あ、あ、あ…」
これは誰の声なのか。
音が止んだ。
全てが静寂となった。
光は再度弾けた。
さっきよりも大きく、黒く。
熱風が広がった。
燃えた。
ユキも燃えた。
ユキの肌はみるみる溶けていった。
何か言っていた。
彼女の悲痛な眼は最後まで僕を見ていた。
そして、僕も炎に包まれた。




