第3フェーズ②
【主要登場人物】
①班
ボイル・マクレーン
レイド・ルーカス
ユキ・アマミヤ
②班
■■
ロロ・ウィル
シェリー・ハーミル
カン・リー
「着いたはいいが、どうする?」
「考えてないのかよ」
「持ち運びに注意するのに精一杯だったんだ。仕方ないだろ?ここまで無事なことに感謝してもらいたいぐらいだ」
お互い怪訝そうな顔をする。
いつもの議論を交わしているようだ。
「間に合ったみたいね」
「!?早いなユキ」
「レイドが戻ってきてくれてね、彼らに後を任せたの。まだ私の知恵は必要みたいでよかったわ」
「頗る助かるよ。何か良い案ある?」
「あると良かったんだけど、ないかな、たぶん」
「ユキでもお手上げとは、困ったなこりゃ」
「そうだね、詰みかな」
誰も怒りはしない。
危機的状況ではあるが、これは未知の領域だ。
理論なし、数値不明で、爆弾処理するのと一緒。
いくら給料が良くても、僕なら願い下げる。
1人ならだ。
しかし、ここには仲間がいる。
チームを信じ、遂行するしかない。
「まずは冷静になろう、簡易シェルターはすぐ後ろにある」
「なんで近くに作ったんだろう」
「突貫工事だし、スペース足りなかったんだろうよ」
「このダメダメ試作品から取り出して、いつもの容器に入れるって流れだよね?入るの?」
「測ってみたが、やはり大きすぎる」
「取り出したら、そのまま防壁内に入れるしかない」
「私が防壁開閉スイッチを押すわ」
「ああ頼む」
「いれる、つまり地に置いて扉を閉めるとして、それで何とかなるのか?」
「なってもらわないと困る」
「はぁ、そうだよね〜。もっと時間が欲しかったよね。大量に摘出した場合の保管方法についてさ」
「人員を増やすよう要請すべきだっかもな」
「2人とも、そろそろ始めないと、脱出の時間もあるんだからね」
箱を開封する。
ロボットセンサー君の代わりに鳴らす警報音が、危険度70%まで上がったことを知らせていた。
「2人で持ち上げよう、1人では支えきれないかもしれない」
「ああ」
防護服を着ていても分かる。
お互い、皮膚が腫れてきている。
直接持つことで、症状はまだ悪化する。
「共同作業だな■■」
「これを最後にしてもらいたいね」
「違いない」
丁度よい高さまで持ち上げた頃、防壁扉が開く。
ナイスタイミング。
振り向き、彼女にウィンクする。
「気を、抜くなよ■■」
「ボイルこそ、そっちの方が中心部に近いんだから」
理解はしていたが痛い。
治療で、現代医学で治るのか不安だ。
両手の感覚はだんだんと麻痺していくのが分かる。
「もう少しだ■■」
「あぁ」
「このくらいいけるだろ?一番痛かったのはカンのはずだ」
「そう、だな」
間違いない。
彼を救えなかったのは、僕の、第2班班長としての罪だ。
「さぁ、そこに置くぞ■■。集中しろ」
「……あぁ」
意識が遠のきかけ、ハッと気付く。
手ではなく頭に、体ではなく思考に意識を向けてしまった際に、体勢がぐらつく。
両手は石から離れた。
離された石は地に落ちた。
落とされた石は発光していた。
何が起きていたか理解できずにいた。
頬に何か感じた。
痛みだ。
ボイルが、僕の頬を殴ったのだ。
なぜだ。
僕が失敗したからか。
怒りゆえの暴力か。
違う。
僕の目を覚ますためだった。




