第3フェーズ①
【主要登場人物】
①班
ボイル・マクレーン
レイド・ルーカス
ユキ・アマミヤ
②班
■■
ロロ・ウィル
シェリー・ハーミル
カン・リー
多くの人が、反対方向へと向かう。
銃声がする方に向かうのは、僕達だけ。
警備員は何をしているのか。
倉庫に到着した時、居たのは3人。
逃避行動をしようとしているレイド。
その下で、血を流し倒れているシェリー。
銃口を向けていたのはカン。
その手には、最近試作品として貰っていた箱型保管具。
中身は、大量に摘出した隕石鉱物。
センサーロボット君が感知したのは、これに間違いない。
カンの肌は、少し爛れていた。
「いいか、カン、落ち着け。どういう理由があるか分からないが、それを置け。そして離れろ」
それ、というのは銃ではない。
箱だ。
試作品だったからか、漏れている。
きちんとした調査もできていないのに、あの量を必要以上に空気に触れさせてはいけない。
前に予想した理論ではあるが、このままでは危険だ。
尋常ではない被害が出てしまう。
「置け。いいから、後は、全部班長の僕が責任を持つから、それを置いて、このまま施設を出るんだ」
人を撃った人間を生かすべきかは問題になるだろうが、まだ殺人はしていない。
シェリーはまだ息をしている。
「ロロとレイドはシェリーの手当てをするんだ」
「…無理」
そう言い放ったレイドは倉庫室を出た。
「くそっ、じゃあロロ、君一人に任せてしまうかもしれないけどいいかな!」
返事をしない。
銃口を向けられていたからだ。
「ワタシオカネナイ。コレヲワタセバオカネモラエルキイタ。ソウコナンデモアル。キカイトクイ。カラダニウメコム、バレナイ」
「お金くらい貸すさ、僕達チームだろ」
「ムリ、ゴメンナサイ」
「いいから置いて、銃も置いてよ、カン!!」
「ゴメンナサイ、シェリー、ロロ、ミンナ、サヨナラ」
彼は、そう言い遺し、自死した。
「ちっ、くそったれ」
憐れむ時間はない。
早急に処理をしないといけない。
外に持っていくべきか、それとも上から何か覆い被せるのが適切か。
近づきすぎるのは危険だ。
場合によっては、カンと同じように皮膚は爛れるだろう。
「遅くなったすまない」
「ごめん」
判断に迷っている中、助成に来てくれたのはボイルとユキだった。
休憩中に銃声が聴こえ、警備員を探しにいくと眠らされており、状況把握に時間がかかったとのこと。
「すまない!俺が、もっと気づいていれば…」
「班長は悪くない、それよりも今は他にすることがあるじゃない」
「……ありがとう。それじゃあ、2人はシェリーを介抱しつつ研究所を出るんだ。俺と■■とで、これを持っていく」
「どこにもっていくんだボイル?安全な所なんてあるのか?」
「分からん…が、この箱よりは元の防壁の方が強固だ、もしくは簡易シェルターでもいい」
「つまり、中庭方面だな」
「私もある程度終わったら、そちらに向かうわ」
「いや危険すぎる。俺達だけでいい」
「僕らで大丈夫だよ、ユキは安全な所にいてよ」
「待ってよ、私もプロよ。この中で一番賢いのは誰?この研究、一番先に始めたのは私達の班で、摘出を試みたのも私が最初、私が必要でしょ?」
彼女の知識は申し分ない。
危険が伴わないのであれば、素直に受け入れただろう。
しかし、ここは戦場と同じ。
連れて行きたくはない。
反して、彼女は真剣な表情。
研究者の眼。
決意は固い。
断っても、嘘をついて戻ってきそうな雰囲気だ。
仕方なく僕達は、渋々了承した。
「早速、行動開始だ。全員、いつものように、チームワークを大事に」
ロロとユキはシェリーを担ぎ医療品を取りに、僕とボイルはそれを落とさないように運びつつ、途中で交互に防護服を着て、防壁へと向かう。
「センサーロボット、反応していたな」
荷物を取りに研究室に行った際、入室を断られた。
「そう言われても鍵は俺が持っているしな」
「危険度は65%みたいだよ」
「なら余裕だな」
研究員として考えると65%は高い数字なのだが、わざわざ雰囲気を悪くすることはない。
悲観する必要はない。
まだ可能性はある。
警報が鳴り響くなか、僕達は目的の場所まで辿り着いた。




