第2フェーズ
【主要登場人物】
①班
ボイル・マクレーン
レイド・ルーカス
ユキ・アマミヤ
②班
■■
ロロ・ウィル
シェリー・ハーミル
カン・リー
告白が成功してからの毎日は気分がいい。
自作ペンダントも肌見放さず持っている。
きっと、彼女も持っていてくれていることだろう。
研究者は変人が多いからか、僕のご機嫌な顔について不思議がる人はいても、尋ねてくることはない。
「温度、濃度、基準値。異常なし、入室可」
入口のロボットセンサー君も、祝福してくれているようだ。
「おはよう、ボイル君!」
「最近、調子がいいじゃねぇか■■。何かあったか?」
「ふふ秘密」
「あまり気持ち悪いのは良くないぞ。周りに悪影響を及ぼし兼ねん、だいたいなぁ…」
「はいはい、わかったわかった。それで、上からの指示は?」
「大きく変わったところはない」
つまり、続行。
危険性はあるが、様々な研究を行えとのこと。
「理解した。それで、他の皆は?」
いつもなら、研究室に人が居ていい時間帯だ。
5人全員が休憩することはない。
「アマミヤとハーミルは、摘出作業中だ。リーは倉庫…からまだ戻ってきていないから、ウィルが探しにいっている。ルーカスは休憩だ」
「女子だけで大丈夫か?」
「新しい防護服は届いたし、賢い2人だ。慣れたものだよ」
「毎回この作業は手間だよな。もう少し大きく削ることができれば、運搬の回数を減らせて、研究に時間が割けるのに」
「今はまだ無理な話だ。防壁だって完璧ではないし、実験のデータで予測したように、多量に摘出して外部の空気に触れ続けていたら、ドカンだぞ」
「う…そうだな」
何かの因果により、隕石が飛来。
研究所の中庭に堕ちてきたことは奇跡で、建物被害はあったが死者はなし。
しかし、周辺濃度は高く、汚染レベル。
技術局が突貫工事で、隕石を囲む防壁を建設。
防護服を着ていれば、小さな破片程度の摘出は可能。
それから抽出されるエネルギーは膨大であることが判明し、元々関与するはずの無かった僕達に出番が回ってきたという経緯。
「小さな破片を削る最中にもエネルギーは出ている。試験的にではあるが、上から多量保管できる箱型の保管具を貰ってきたが、これを使うつもりはない。まずは今ある物で、長期保存可能がどうかを調べ、他物質との相性実験をするべきだ」
「それに異論はないよ。ただ関係ないけど、班員のこと、下の名前で呼んだら?名字で呼んでるのボイルだけだよね」
僕達の仕事は危険が伴う。
チームワークの向上は必須事項だ。
「う〜む、わかった。善処しよう」
「頼むよ」
僕は出世にはあまり興味はない。
適度な賞賛があればいい。
間違っても事故は起こしてはならない。
幾日が経った。
毎日が多忙で、ユキとはあまり会えていない。
ペンダントは欠かさず持っている。
「温度、濃度、基準値。異常なし、入室可」
センサーロボット君は相変わらず無表情だ。
向こうの廊下から、ロロが走ってくるのが分かる。
珍しい光景だ。
「何急いでるの?」
僕に気づいていなかったのか、驚いている様子。
「あっ!と、えっと、その、カンはこっち来てないよね?」
「うん、僕は今日彼に会ってない」
「わ、わかった、ありがと」
かなり慌てている。
カンとも、数日は会っていない。
「ん?レイドにシェリーじゃないか。2人はカンがどこにいったか分かる?ロロが探してるんだけど…」
「知らないわ、興味もない」
「同意」
「そう、か」
「もしかしたら、また倉庫かもね。彼いつも入り浸っているから、この前ボイルが注意してたわよ」
「そうなんだ」
ユキのこと以外は、僕もあまり興味はない。
「一応、班員だから私見てくるわ。レイドも来てくれる?」
「承諾」
そういえば、あの2人はいつも一緒な気がする。
もしかしたら、付き合っているのかもしれない。
研究室にいるのは現在、僕一人。
ボイルとユキは休憩中だが、そろそろ戻って来る頃合い。
少し過ぎたくらいか。
バタバタと走ってくる音が聞こえる。
自動ドアをこじ開けるかのように入ってきたのは、ロロだった。
肩で息をしている。
「はぁはぁはぁ」
「!?ロロ!どうした!?」
「は、やく、来て、助けて」
「何があった!?説明してくれ!」
「止めないと…」
その時、響き渡ったのは銃声と悲鳴。
位置を理解した僕は、ロロを起こし、研究室を出る。
「濃度上昇中、異常あり、危険性あり、入室不可」
ちゃんと、センサーロボット君は反応していた。




