暗躍する者達②
【主要登場人物】
リン(主人公、男)
フィロ(獣人、女)
ジェット(傭兵、男)
【サブ登場人物】
ドム(赤牛亭の店主)
ヨルム・マギー(服屋兼仕立屋の店主)
オウル・P・マギー(ヨルムの孫?)
ギリコ(賭事店オーナー)
ここは、中央区・中央街・中央政府が管理する中央塔。
中に座す者は、外の景色を優雅に眺めていた。
側近の者は伏したまま、何も言わない。
「長は?」
「……」
「あぁ、口を開くことを許す。長の様子はどうだ?」
「この3ヶ月、最上階からは外出しておりません。調子は普通、健康体ですが…」
「が?」
「酷く怯えているようにも見えます」
「それは上々」
「まだ続けらるのですか?」
「発言を許可した覚えはないが?」
「誠に申し訳ございません!失言でございました!」
「ああ失言だ、これは査問会に言わねばならんな」
震える側近者。
それを見て愉悦に浸る。
「案ずるな、冗談だ」
「…ありがとうございます」
「よい、気にするな。私に従っていれば安泰だ」
「ありがとうございます!」
地に頭をつけるように腰まで低くしていた。
「では、そろそろ最終段階に入るか」
座す者は立ち上がり、ワインをグイッと飲み干した。
少し場所が変わり、ここは中央区・中央街・中央政府が管理する病院の入口。
男はボケェと突っ立っていた。
闇取引をして偽造パスコードをくれた主の依頼は、不治の病に聞く薬を手に入れる、もしくは在り処を見つけるということだった。
「無理だろ」
武闘派の自分には無理。
早々に諦めたい。
しかし恩は返したい。
男として。
「ケガもしてないのに、病院に入るのは無理だよな」
男は、煙草に火をつける。
すると、簡易警備ロボがサイレンを鳴らしながら向かってくる。
「くっ、またかよ」
すぐに火を消して、ロボを撒く。
ここは生活しづらい。
アウトローな俺には無理だ。
窮屈すぎる。
「今度は何だ?」
無我夢中で走った先は、この区では珍しいほど古びた施設だった。
「きな臭いな」
野生の感が働く。
ここには何かある。
こういう場所は、重要施設であることが多い。
入るしかない。
入るべきだ。
「漢として!」
簡易警備ロボのサイレンが鳴るのは、それから15分後のことだった。




