暗躍する者達①
【主要登場人物】
リン(主人公、男)
フィロ(獣人、女)
ジェット(傭兵、男)
【サブ登場人物】
ドム(赤牛亭の店主)
ヨルム・マギー(服屋兼仕立屋の店主)
オウル・P・マギー(ヨルムの孫?)
ギリコ(賭事店オーナー)
新たに改造した偽造パスコードの調子は良い。
購入先からの定時報告も良好。
自分が使用しても問題はなさそう。
あとは効果が切れる時間も知りたいところ。
「バージョンアップは必要かも」
背伸びをしたところで、ドアがノックされる。
入室してきたのはヨルム爺だ。
「どうかした爺ちゃん」
「いや、何も、ちょっと出てくるわい」
長い距離を歩ける足ではない。
「どこに行くの?僕も行くよ」
「よい、ちと葬式に行くんじゃ。向かいの店の親が亡くなったらしいからの。付き合いのある店じゃったからな、行ってくる」
「また!?今月で6人目だよ」
「他の区も合わせると今月は22人じゃ。情報に疎いのは良くない。それは何のためのパソコンじゃ。もしや何か悪いことしとるのではないか?」
「ち、違うよ爺ちゃん。ゲームだよゲーム。最近流行ってるんだ」
ヨルム爺は眉を顰めたが、その後は何も言わず、ドアを閉める。
カツカツと、音は遠ざかっていく。
慌てて閉じたパソコンを開き直す。
「知っているさ、それぐらい、だから心配なんだよ」
3ヶ月前から老人の死亡数は増えている。
病気や老衰は当たり前なのだが、数が多い。
延べ死亡した人は46人だ。
老人の死亡人数がだ。
これは高い数字だ。
この都市は人も多く、それなりに医療施設は普及しているが、46人は同じ症状で亡くなっている。
病名はない。
不治の病という者もいる。
兆候として、咳が出るということだけ発表されている。
効果があるか不明だが、治す手立ての1つとしては中央で売られている薬という情報。
中央区に入ることが出来るのは、専用のパスコードを持っている者、もしくは裕福な者や前科がない者で申請を受理できる者だ。
僕やヨルム爺はどれも該当しない。
だから偽造パスコードは必要不可欠。
中央のセキュリティは絶えず進化する。
僕の技術も進化をしないと追いつかない。
技術進化のための餌食として、今日は、ここをターゲットにしよう。




