捜索①
【主要登場人物】
リン(主人公、男)
フィロ(獣人、女)
ジェット(傭兵、男)
【サブ登場人物】
ドム(赤牛亭の店主)
ヨルム・マギー(服屋兼仕立屋の店主)
オウル・P・マギー(ヨルムの孫?)
仙都に来てから、4日目。
僕らはようやく、都市の雰囲気にも慣れてきた。
滞在しているここは赤牛亭仙都店だ。
工業区と住宅区の間に位置する。
「許せねぇあのババァ!」
荒れているのはジェットだ。
昼間から酒を飲んでいる。
彼を宥める役はいつも僕だ。
「賭事で勝って、さっきのチャラになったんでしょ?いいじゃない」
「よくねぇ!問題なく依頼をこなしたのに、人相が悪いから金は払わないって、なんだそりゃ」
「まぁまぁ」
僕らは毎日、互いに違う仕事を請け負っている。
店に従事するというかたちではなく、住人の問題や争い、揉め事などの対処だ。
人が多いこともあり、そういった依頼は多い。
この都市だけで使えるパソコンを紹介所から貸与してもらい、対応できそうな仕事を各自で選ぶ。
ジェットの今日の依頼は、住宅区に住むおばあさんの頼み事。
報酬を貰えずに、憂さ晴らしで賭事の店に行き、見事勝利してのヤケ酒。
「結局俺は人を護るなんてできないんだよ。人相悪いんだからよ」
かなり酔っているようだ。
フィロはというと、毎日それなりに量をこなしてきているが、お金は貯まっていない。
報酬額が毎度ながら少ない。
予定の報酬を貰ったうえで何かに使っているのならいい。
簡単な依頼をしているだけというならまだ分かる。
しかし、フィロの依頼内容は簡単ではない。
獣人の機敏さを必要とする仕事が多い。
貯まらない理由は計算が苦手で騙されているからだ。
以前に、お金について聞いた時、まるで分かっていなかった。
見た目が良さそうな物を高いと思い込んでいる節がある。
依頼者もそういう鈍感さに気づいている場合が多いのだ。
スリをさせた方が儲かる気がするのは、一旦頭の隅に置いておく。
この方式は仕事が簡単に見つかるのはいいが、報酬に関しては、当人同士の話し合い。
紹介所は、この問題には関与してくれない。
仕方のないことではあるが、やるせない気持ちになるのが悪いところ。
「はい!お待ち!」
そんな気持ちを感じとられたのか、愛想良い笑顔でドムさんは料理を持ってきた。
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