仕立屋①
【主要登場人物】
リン(主人公、男)
フィロ(獣人、女)
ジェット(傭兵、男)
【サブ登場人物】
ドム(赤牛亭の店主)
ドムさんの言うように、都市内に入るには時間がかかった。
特にジェットに対しての取調べに時間を費やした。
当たり前だが、火器類は没収、ナイフもだ。
喧嘩になりそうな雰囲気を何度静止しにいったかは数えてない。
一時的な没収ではあるため、都市を出る時には返却されるようだが、ジェットは不貞腐れたままだ。
「ありえねぇ」
用心さゆえだろう。
中央政府は、かなり手厳しいようだ。
「げんきだせジェット!」
「お前に慰められても嬉しくないわ猫女」
聞いていたとおり、中は広い。
建物もあちらこちらにある。
先ほど貰った地図を見ると、今は商業区にいるようだ。
「あ、あれがいっぱいある!すごい!」
指差すのは車だ。
フィロが車を見たのはこれで3度目だ。
最初に見たのは食の街、動いているのを見たのは湖の街が初めて。
機械都市にも車はあったが、ここの都市のほうが、ちゃんと人が乗っている。
「私ものりたい!リン買ってよ〜」
「それは無理だって。街でも言ったでしょ」
「破産するわな。車なんて金持ちしか乗らねーよ」
商業区を過ぎると次は工業区、住宅区、中央区、さらに奥には観光区と書いている。
ドムさんの赤牛亭は観光区だろうか。
そうなると今日は別の宿屋かもしれない。
「どうすんだこれから」
「紹介所は商業区の端にあるみたいだから、まずそこに行こうか」
「一応言っとくが、護衛は辞めないからな」
「私も〜」
「テメェは違うだろうが」
口喧嘩する2人。
ここでも、彼らを切り離すのは難しいかもしれない。
ふと下を見ると、クシャとなっている紙を見つける。
チラシには閉店セールと書いてあり、その店は目の前にあった。
段差を登り、店を覗く。
店内は静か。
2人も後から続く。
そっと扉を開けると、リンリンと音がなった。
店の人は見当たらない。
「無用心だな」
「やっほー!お客でーす」
返答はなかったが、奥の扉がガチャリと開く音がした。
「いらっしゃい」
か細い声の主は、杖をついた老人だった。
感想、評価、レビューお待ちしています。辛口でも構いません。




