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シンなる旅路【第一部、外伝】(カクヨムさんの方で修正版を投稿しています)  作者: 飯屋クウ
第三章 受け継がれる意志

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赤牛亭②

【主要登場人物】

リン(主人公、男)

フィロ(獣人、女)

ジェット(傭兵、男)


【サブ登場人物】

ドム(赤牛亭の店主)

話の最中に、こちらに駆けてくる足音が聞こえる。


「んー!いいにおい!」


席に着くとフィロは、好物の魚に齧り付いていた。


「どこいってたの?」

「おはんほ」


散歩に行っていたのは知っている。

聞きたいことはそれではない。


「はし!」

「おっ、都市入口の橋だな」


フィロがコクコクと頷いている。

口で言わないのは、頬いっぱいに食べ物があるからだ。


「検問も厳しいからな、役に立たんかもしれんが、一応俺の書いた紹介文もってけ。マジの外部よりかは多少は時間短縮になる」


そう言うと、いつの間に準備をしていたのか、一枚の紙を机に置いた。


「景気がいいねぇ」

「客にはな」


椅子をブラブラしながら聞いていたジェットは、カウンターに戻るドムさんを観ていた。


「そういえば、さっきから気になってたんだが、あの額縁にある写真はかなり古いのか?」

「ん?あーあれか、俺の先代の先代、そのまた先代くらいの写真だな。年数的には300年くらい前か」

「ふーん」

「どうかしたか?」

「いや、昔話さ。…俺の親もそうだが祖父母も頭イカれててな、信仰的な部分もあってか、よく昔に起きた事件の話を聞かされたんだ。それを思い出しただけっつー話だ、忘れてくれ」


「…ふむ、昔に起きた事件というと大爆発が有名だな」

「まさにソレだよドムさん、俺はその話を何度も聞かされた」

「未だに原因が分からない大事故、死者は数千万、負傷者は数しれず、疫病なんかも流行ったりしたと言われたやつだな」

「事件なのか、事故か災害なのかも分かっていねぇらしいじゃねーか。クレーターもあるから、隕石衝突も疑われてるって話だろ」

「国家という制度が衰退し、生態系も著しく変化したというしな。800年くらい前の出来事が解明されていないってのは難儀だよな。ジェットの爺さんはなんで、その話を?」

「俺は火器を使うからな。何が引き金になるか分からねぇから、いつも気をつけるよう言われてたんだ」

「なるほどな」



2人の会話中、フィロはずっと食事をしていた。

話は、おそらく聞いていない。



「ごちそうさま!」

「綺麗に食べたな嬢さん」


フィロは満面の笑みを見せていた。


「お前の分も食べられたんじゃないか、リン?」

「満足してくれたならそれでいいよ」

「相変わらずお人好しだな」


残り少ない水を飲み干すと、ドムさんは片してくれた。


「さぁ御三方、まだ陽はあるが明日に向けて休んだほうがいい。検問には数時間かかるだろう。都市に入ったらまず俺の店、赤牛亭(レッド・カーティ)をよろしく。このマークが目印だ」


自慢げに服に縫い付けたマークには赤眼の闘牛が描かれていた。

感想、評価、レビューお待ちしています。辛口でも構いません。

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