決意
【主要登場人物】
リン(主人公、男)
フィロ(獣人、女)
ジェット(傭兵、男)
視線もそうだが、ジェットからの質問も多い。
それに全部答える僕ではない。
「人より治癒能力が高いんだよ」
「いやいや、は?お前バケモンだろ」
「じゅうじんつよいぃー、私のしっぽはさいきょー!」
いつの間にかフィロも近くに来ており、ガッツポーズを繰り返している。
「もういいでしょう、今はとりあえず、この場から離れましょう」
彼らが意識を取り戻す前に。
「それには俺も賛成だが…」
「ケガしてるの?くすりかしてあげよっか?」
「おい!それ俺のじゃねーか!返しやがれ猫女」
彼は座ったままだ。
「ここでお別れですね、これからどうするんですか?」
「ここまでプライドがズタズタになると、もうどうでもよくなるもんだ」
「自暴自棄は良くないですよ」
「ほとんどお前のせいだがな!依頼は失敗するし、助けられるし、バケモンだしよ、目標とかも希薄になるわ!」
動かない。
どう声をかけていいかも分からない。
最初は自分を殺そうとしてきた相手だ。
「大勢殺して生きてきたのに、殺せなくなっちまったかもな。傭兵稼業は潮時か」
煙草を吸い始める。
明日を見ているような雰囲気だ。
「なら、これからは人を護ればいいんじゃないですか?」
「……この俺がか?」
「あなたらきっと出来ますよ、生まれ変われます、僕には分かります」
「護るねぇ」
僅かに溜まっていた水溜りに吸い殻を入れる。
ようやく、彼は立ち上がった。
「よし、決めた。お前らの護衛やるわ」
「は?なんでそうなるんですか!?」
意味が分からない。
何故、その判断に至るのか。
殺そうとした相手を次は守ろうと、何故思えるのだろうか。
確かに、僕は言った。
これからは人を助ける側になればいいと。
励まそうと考え、強さを活かす仕事をして欲しいと思ったからだ。
それほど、時間は経っていないのに。
僕らはついさっき会ったばかりなのに。
なぜ、こんなにも疲れるんだ。
「ワーイ!なかまふえる?」
「おい猫女、まずは俺から盗んだ物を返せ」
「猫女じゃないぃ!私はフィロ!」
「知ってるさ、猫女さっさと出せって」
「む〜、名前ちゃんと言わないならかえさないー」
「返してあげなよ」
廃街の中を進む。
雨は上がり、雲の隙間から光が差し込む。
「あ!あれ見て!キレイ!」
「虹だね、もしかして虹は見たことない?」
「に、じ?」
「バカにはちと難しかったか」
「む〜、私はバカじゃない」
「というかフィロ、このお金どうしたのさ?」
「この前、ぬすんだんだよ、さっきのひとたちから」
「え!?」
「は!?」
次の街は、食が盛んだという。
その後は、湖に囲まれた街、そして技術が大きく発展した都市へと行き着くことになる。
世界に点在する都市は数多くある。
その中でも顕著に発展している都市は、いくつかの街や都市の監視役ともなる。
それが都市連合であり、そういう都市は世界に12都市あるといわれ、そのうちの1つに訪れる予定となる。
前回と同じように、一緒に旅をするのはそこまでと2人に伝えたが、受け入れてくれたかどうかは微妙だ。
騒がしい毎日は、まだ続きそうな予感がする。
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