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シンなる旅路【第一部、外伝】(カクヨムさんの方で修正版を投稿しています)  作者: 飯屋クウ
第ニ章 交錯する刃

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激戦①

「あれはだぁれ?」

「フィロの知り合いとかではないんだね」


知らない様子だ。


「リン、悪いことしたの?」

「違うでしょ!可能性があるとしたらそっちでしょ!」


声が大きかったのか、傭兵は僕達の方へと近寄ってきた。

慌てて、口を塞ぎ、囁き声で喋る。

幸い、雷雨で気づかれてはいない様子だった。


「フィロに身に覚えがないなら分からないな。最近何かあったかなぁ?」

「おうかん、いっしょにぬすんだじゃん」

「あれは、違うでしょ。それに、あれはグンジさんが悪かったわけだし、あの傭兵とは別問題だよ」

「んー、そうかなぁ」

「そうだよ」


傭兵の身なりは、白っぽいコートに、軍靴のようなしっかりした靴を履いている。

銃片手に歩いている。


「あれって、じゅうでしょ?」

「よく知ってるね」

「こわいから。でも雨にぬれてもへーきなの?」

「んー、たぶんあれは最新式なんじゃないかな。大きな都市に行くと、バリアっていう障壁なんかも作れる武器があるらしいから、それが内蔵されてたりすると雨も問題ないんじゃない?」


ここより少し先にある都市は、技術的で発展している。

前の街と比べたら、文明の差は歴然だろう。


「でも、すごいねリン!私わからなかった」

「まぁね」


危機回避能力に長けている身体で良かったとつくづく思う。


「あれ?あの人どこにいったかなぁ」


いつの間にか見失っていた。

話に夢中で、どこに行ったか分からない。

今出ていくと、危険かもしれない。



「いいかい、フィロ。僕が指示するまでここを動いちゃだめだか…らぶない!」



フィロを押し倒す。

銃弾は、僕達の上をかすめた。

ドアが蹴り上げられ、侵入される。

砂埃が舞う。

雷が隣の家屋に落ちた。

傭兵と目が合う。

先に動いたのはフィロ。

傭兵めがけて突っ込み、構えた銃を奪おうとした。

が、歴戦の猛者のカウンターをくらい気絶。

構えられた銃は2丁拳銃。

さっきのスナイパー用ではない。


「死ね」


彼の言葉とともに、放たれた弾は迷うことなく、的に向かってきた。




2発の弾は、僕の頬近くをかすめた。


「なんでさっきから当たらねぇ!」

「その前に名乗りなよ」

「はぁ?…はっはっは名乗るかよ!今から死ぬやつに、なあ!」


傭兵は元よりだが、僕も少し苛立っていた。

友人を殴られたのだ。

怒らないはずがない。


「理由を聞いてもいいかい?」

「んなことどうでもいいだろうがボケがっ」


銃をリロードする。

その瞬間を見ていた僕は、サッと前に出て、彼の横を勢いよく通り過ぎる。

装填は間に合わない。


「は!?まじかよ、あの野郎」



傭兵が追いかけた先、さっきとは違って少し広い建物内で、また両者は睨み合った。


「俺の予想より、かなり動けるじゃねーか。あの街では隠してたのか?」

「やっぱり、あそこで目が合ったのはあなたですか」

「旅人なんて視たら分かるからなぁ、匂いが違う」

「さすがは傭兵ですね、で、お名前と僕を殺そうとする理由は?」

「ジェットだ。リン・フォワード君よぉ」

「!?」

「紹介所の受付嬢なんて脅せは簡単よ、まぁ脅さなくても寝れば情報くらい手に入るがなぁ」

「…そうですか」


この男は傭兵として高いスキルがあるだけでなく、執念深い。


「理由かぁ、まぁお前は間接的だから分からねぇかもしれんが、俺の仕事をパァにしたんだよ」


全く見当がつかない。

あの街以前のことなのだろうか。


「お前らが、あの王冠盗んで、あのクソデブを継承者から外させた結果、密輸用心棒ていう仕事がなくなったんだ!俺の経歴に傷がついたんだ!どう落とし前つけてくれるんだ!」


さすがだ。

フィロの回答は当たっていたじゃないか。

密輸も企んでいたとは。

僕達の行動は、間違いではなかった。


「死ぬしかないよなぁ」

「あと1つだけ聞く。もし僕を殺せたとして、フィロはどうなる?」

「あの獣人女か…俺は同族しか興味ねぇ、獣人はそそらねぇ、ガキだしな。まぁ反抗しねえよう、多少は虐めるかもしれねぇがな」

「…そう」

「ふ、覚悟は決まったかよ!犯罪者!」

「君もね!」


雷の合図とともに、両者動く。




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