傭兵
少し前に遡る。
職業には様々なものがある。
商業しかり、農業や技術者、教師など人の数ほどあるといっていい。
その中でも特殊なものに分類されるのが傭兵という仕事だ。
暗殺、狙撃、遊撃など、金銭を稼ぐ者達だ。
その1人でもある彼、ジェット・エーギルは、これまで多くの仕事をこなしてきた。
所属はない、フリーの傭兵。
割の合わない仕事はしない主義。
成功率は驚異の100%を誇る。
そんな彼も、数多の街や都市を巡っており、一定の場所には留まらない。
シンジゲート同士のぶつかり合いなどに巻き込まれないためだ。
1つの組織に属すると信頼され報酬は増えるが、別の組織の仕事を請負うことは非常に難しい。
組織を抜けるというのも難しくなる。
そういった面倒さをジェットは嫌っており、依頼数を減らすのも好きではない。
たいていは、条件の良い方につく。
小さい頃から、そうやって生きてきた。
普通の子供なら、学校に行き、勉学に励み、夢を持ち、恋をしたり、趣味に明け暮れたりして、大人になる。
そういう普通は生きていない。
子供の頃から、戦いの場に駆り出されていた。
親が、そうさせたというのもあったが、その親は今はいない。
自分が復讐する前に野盗に襲われている。
身寄りはいない。
一人で生きていくしかない。
出来ることといえば、相手の命を奪うこと。
力の強さ。
自然と、できる仕事は限られてくる。
得意な分野を仕事にすることで、これまでミスは一度たりともなかった。
そんなジェットの次の依頼は、とある密輸の用心棒。
反抗勢力がある、もしくは雇い主が瀕死の危機に陥る場合は敵の命を奪うが、事が起きなければ、近くに突っ立っていればよいだけの仕事。
簡単な仕事ではあるが、見返りは大。
話を持ちかけてきたのは、ある程度裕福な家柄の主だ。
この依頼を達成できれば、暫くは小さい仕事でも食べていくことができる。
失敗があってはならない。
経歴に傷はつけたくない。
そもそも自分に自信のあるジェットは、失敗することを露にも思っていなかった。
用心に用心を重ねるジェットは、いつものように、現地調査を行う。
場所は、砂の古都。
くしくもそこは、旅人リンがフィロと出会った街だった。
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