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シンなる旅路【第一部、外伝】(カクヨムさんの方で修正版を投稿しています)  作者: 飯屋クウ
第ニ章 交錯する刃

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荒野

【主要登場人物紹介】

リン(主人公、男)

フィロ(獣人、女)

荒野に鼻唄。


「あ、チョウチョだ」


止まり木めがけて、狙いを定めてジャンプ。

よくもまぁ、体力があるものだ。

同じ量の荷を背負っているはずなのに、鞄は同じに見えても女性の方が軽いのだろうか。


「元気すぎない?フィロ」

「ん?そう?」


この暑さも平気そうだ。


「もういっしゅうかんだよねー、次のまちはいつ?」

「もう少し先かな。この荒野を抜けると今は使われてない街があるみたいだから、まずはそこを目指そう」

「それまちなの?」

「厳密には違う。要するに廃街だね。目印にはなるよ。そこを抜けたら、次の街まではそう遠くない」


地図をまじまじと見ている。


「街をいくつか過ぎたら、その後は大きな都市があるから、一緒にいられるのはそこまでにしよう」


地図をクシャっとするフィロ。


「いーや、ずぅとたびするの」


毎回こうだ。

この話をしようとすると、断られてしまう。


「ふぅ、ほら地図返してよ」


紙はクシャッとなったまま。

声をかけたフィロはというと、一点を見つめていた。


「あそこ、くもがもくもくたってる」

「……ああ煙か、誰かいるのかな」


地面が少し高くなった場所で煙が立っている。

同じ類の旅人かもしれない。


「あ、ちょっと待ってよフィロ」


追いかけた先には誰もいなかった。


「いないね」

「荷はまだあるから、食糧探しとかに行ってるのかもね」

「ふーん」

「あ、こらフィロ、そこゴソゴソしない」


目を離すとすぐこれだ。

3日前も同様な光景があった。

あの時は、1人用の荷しかなかったけれど、ここには複数人の荷がある。

前とは違う人だろう。


「長居は無用だよ」


まだゴソゴソとしている手を引っ張り、高台を降りはじめる。

元来た場所に戻った時、ふと視線を感じた、そんな気がした。



悩みながら歩いていると心配そうに見つめてくる。


「どうかしたの?」

「あーいや、んーとね」


歯切り悪く、曖昧な答えになってしまう。


「なんとなーくだけど、ほんとに僅かだけど視線を感じるんだよね、フィロは何か違和感ない?」

「んー、どっち」

「後ろの方」

「わかんない、おなかすいた」


感覚の鋭い獣人が気づかないということは、僕の体質が過剰反応しているということか。


「はい、パン。もうすぐ備蓄切れるから今日はもう間食はなしね」

「うん」


早いところ、廃街を通り過ぎて、次の街へ行かないといけない様子だ。

悪い予感は当てたくない。

今から早足であるけば、2時間もしないうちに廃街にはたどり着けるだろう。


「少し急ごうか」



1時間以上は歩き、上を見上げる。

暗い。

夕暮れにはまだ早い。


「もくもくだ」


雨が降りそうだ。

いや、もうすでに降っている。

水音を感じた。

大降りになる前に廃街に入って雨を凌ぎたい。

そう伝えようとすると、背筋に悪寒が走る。

何か来る、そう思って、咄嗟に頭を下げた。

耳元をこするかのように、キンキン音が響く。

それが何か伝えるよりも早く、僕は叫んだ。


「走って!フィロ!」


フィロもそれに気づいたのか、瞬時に対応する。

ここには遮蔽物がない。

急ぎ建物内に入る必要がある。

2発目が足下をかすめる。


「もう着く!」


更に2発ほど、射線を掻い潜った僕達は、目の前の塀を飛び越え、建物に入る。


雨音も大きくなる。

声を潜め、窓越しに外を見ると、1人の傭兵がそこにはいた。


感想、評価、レビューお待ちしています。辛口でも構いません。

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