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シンなる旅路【第一部、外伝】(カクヨムさんの方で修正版を投稿しています)  作者: 飯屋クウ
外伝⑦ それぞれの跡

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旅路

【登場人物】

ドム・カーティ

オウル・P・マギー

「はいこれ、ついでにオマケね」


「どうも、ありがとうございます」



隕石落下を回避してから2年後、世界に大きな変化はないが、その兆しは現れつつある。


「枯れた花を元に戻す獣人に、水辺を感知する人…か」


通信機からは最新の情報、世界情勢を知ることかできる。

何処にいても。

これまでは都市や街、そこでの情報しか手に入れるのが難しかった時代だが、現在は世界にエネルギーが充満していることもあり、荒れ果てた荒野であっても、辺鄙な田舎でも知りたい情報を手に入れられる。

もちろん、そういった機械や設備を購入する必要はあるが、世界の生活水準は一定化しつつある。

その街の特色が無くなる可能性は否定できないが、飢餓で苦しんだり、内乱が起きたりすることは少なくなるというのが、とある学者が打ち出した論文である。



「次の街にいこうか、そろそろ着くはず…」






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





「はい、どうもお待ち道様、焼き上がりだぞ」


ここは、とある酒場兼宿屋、以前の名前は赤牛亭(レッド・カーティ)、改名した今は闘牛亭(ブル・カーティ)、店は大いに賑わっている。

店主の名は、ドム・カーティ。

リン達の仲間の一人であり、合成獣(キメラ)へと改造された男。

その強さは未だ健在。



「待たせたなオウル、あとこれはサービスだ」


()()()ありがとうございます」



店に来ていたのは、オウル・P・マギー。

彼もリンの仲間の一人。

闘牛亭(ブル・カーティ)には初めての来店だ。

にも関わらず、()()()と付けるのは、これまで何度も赤牛亭(レッド・カーティ)を利用してきたからだ。

感謝の意味も込めている。



「ジェットの所、子供生まれたみたいじゃねーか」 


「そうですね、夫婦仲も良好みたいですよ」


「嬢ちゃんは、まだ発明都市(The・ベント)に?」


「ええ、時々ロックも帰ってるみたいですが」


「ロックといえば、カレンとはどうなんだ?」


「さぁ、どうでしょう。僕個人の判断で言えば無いと思いますよ」


「ふーん、そうか」


「ドムさんは、もう必要ないんですか?慕ってくれる人はけっこういらっしゃると思いますけど?」


「俺の妻と子はあいつらだけだ、それ以上は望まねぇ、これは過去の俺の戒めだよ───それよりもだオウル、お前はどうなんだ?」


「僕は───」



オウルは皆と別れたあと、仙都(The・ハミット)に一度戻り、幻想の街(アルジヨン)に行ったあとは一人、旅をしている。

ドムか言うのは以前、幻想の街(アルジヨン)で知り合ったという女の子のことだ。

ジェット達からはいい雰囲気だったと聞かされている。



「───挨拶しましたよ。特に進展はしていません。もう少し一人旅をしたいと思ってますからね」


「リンのようにか?」


「はい、あの人の偉業を伝えれるのは僕達だけですから。僕は一番近くに居ましたしね」


「だが無理はするなよ?リンもそれは望んでいないはずだ。お前にも、ちゃんと未来はある」


「分かっていますよ、ですからまたいつかあそこへ戻るつもりです。そうしたら2人旅なんてこともいいかもしれません」


「その時は闘牛亭(ブル・カーティ)をよろしくな」


「是非とも早めに2号店、3号店を宜しく頼みます」


「これは大忙しだな」





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




翌日朝、オウルは店を出ようとしていた。



「本当に料金無料で良かったんですか?」


「初回サービスだ」


「なるほど」


「もう少し居ても良かったんだぞ」


()()()()()()()()()


「誰かの考え方と一緒だな」



空は澄み、天気良好。

店のベルは出立を祝う。



「ご来店ありがとうございました!またのお越しをお待ちしています!」



ドムは、敢えて丁寧に伝えた。


オウルはキョトンとしていたが、直ぐに気付き礼をした。


「ご馳走様でした」


「また来いよ」



「ええ、またいつの日か」




若者の旅は続いていく。















【外伝⑦ それぞれの(みち) 完】



【外伝 終わり】

【次回 あとがき】


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