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シンなる旅路【第一部、外伝】(カクヨムさんの方で修正版を投稿しています)  作者: 飯屋クウ
外伝⑦ それぞれの跡

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馬鹿

【登場人物】

レイス都市長

カレン・クジョウ

ロック・ロック

ザック

陰都(The・コスピラ)、800年前の世界崩壊後、世界共通硬貨が発祥した地であり、商人の都市とも言われている。

半年程前の隕石落下回避のあと、カレン・クジョウは古巣であるレイス都市長の下を訪れていた。


「久しいわね、カレン」


「レイス都市長も変わりないようで安心致しました」


「決戦日は行けなくて申し訳なかったわね」


「いえ、都市長が都市を離れるのも如何なものかと。通信だけでも存分にお力添えして頂きました。仲間達の代表として、お礼を述べさせて頂きます」


「仲間、ね………貴方に信頼し合える人達が出来たこと、親の様に嬉しく思うわ」


「はい、最高の仲間です」


「それにしても──あの人とあの人がね、あの子も意外によね、彼もそうだけど★✦*※✩☓△◯…」


「隠語はそれくらいでよろしかと、皆それぞれの道を歩んでますので」


「それもそうね」



都市長直轄の者達は諜報員が多く、カレンもその一人だった。

今は足抜けしているが、現役時と同じくらい情報収集は得意だ。

またここ陰都(The・コスピラ)は様々な情報が集まる。

仲間達の行方もしっかりとカレンは把握していた。



「貴方が此処に来たのは、そういう浮ついた話かと思ったのだけど違うのかしら?」


「はぁ、何故、私が?」


「ほら、2人連れて来たじゃない。てっきり、どちらかとくっつくのかと思って、報告待ちしてるのだけど、結局の所どうなの?」


「バカとアホの2人ですか、いいえ、まったく、はい、ぜったいに、アリエマセンネ」


「そうなの?」


「はい」


「残念」


普段は威厳のある都市長だが、恋バナとなると乙女となるのは、毎度のこと。

カレンは都市長の傍に長く居たから理解している。

この話は早々に切り上げた方がいい。



「よろず屋『ロリ・オウジ』を再開しているみたいだけど、あの2人はどうなの?やっていけてる?」


「ええ、個性ある男どもですので、彼らの長所を活かし、また新たなビジネスを展開しているようです」


「確か、貴方がオーナーをしているのよね?」


「ですね」


「ふぅん」


「何か?レイス都市長の期待しているようなことは起きないと思いますよ」


「三角関係なのに!?」


「三角もなにもまだ一角にもなっていませんよ」



リン達が経営していたよろず屋(ロリ・オウジ)を継承しているのは、熱い男ザックと変人ロック。

先代には及ばないが、順調に売り上げを伸ばしつつある、活気のある店。



「そろそろ私は失礼致します」


「頑張ってね、期待してるわ」


「………はい」



都市長の期待には応えられないと、カレンは思っている。

何故なら2人はカレンの理想の相手からはかけ離れているからだ。

趣味も違えば、波長も合わない。

四方やなんてことはあるはずがない。




「はぁ、先が思いやられる」


「どうかしたっすか、カレン?」


いつの間にか横に居たのはロック。

彼が作製したこだわり満点の店の衣装はハイカラだ。


「急に背後に立たないでよね、吃驚するでしょう」


「いや早流石に、気ぃ抜きすぎっしょ」


「考え事してたから仕方ないでしょうで、ザックは?」


「知らぬ存ぜぬ分かりませぬ」


店に戻るとザックの姿はいない。

しかし近くで熱い男の声は聞こえる。

店の裏の通りで自伝を交えたヒーローショーをやっているようだった。

店をほっぽり出して何をしているのかと思えば、無料の催し。

カレンはザックの耳を摘み引っ張っていく。

途中、小さな子供から怪人女と囁かれ、ザックへのダメージは増加していた。


「痛ってぇ、針はよしてくださいよ」


ザックの店の衣装は燃える炎のように暑苦しい。


「はぁ、2人共今日の売上はどれくらい?」


「半分くらいっすね」


「時間は何時?」


「夕方だ!」


「つまり?」


「「帰って飯!/帰って風呂!」」


「どちらも違うわ、帰らずに仕事しなさい。ノルマ達成するまで飯も風呂も抜き!分かった!?」


「「鬼!/悪魔!」」


「はいはい、御託はいいから始めて頂戴」





男2人は、慌てて店を再開する。

陽は沈みかけるも、彼らの夜はまだ長い。

店の灯りは消えることはない。



彼らの三角関係?は、まだまだ続く?



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