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シンなる旅路【第一部、外伝】(カクヨムさんの方で修正版を投稿しています)  作者: 飯屋クウ
外伝⑦ それぞれの跡

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青春

【登場人物】

ショウタ・スルガ

フィロ・ネリウス

世界に光が降り注いでから半年後、リン達との最終決戦に加勢していた者の一人、発明都市(The・ベント)の若手発明家ショウタ・スルガは、自宅へと戻り創作の日々を過ごしていた。

ロック・ロックの紹介がなければ、こんな大きな戦いに身を投じることはなかった。

自室に籠もったままでは得られなかった経験と知識を培った。

様々な出会いがあり、人脈が広がった。


そんな彼の下には現在、リンと共に旅をした者の一人、獣人のフィロ・ネリウスが来ている。

あの後、彼女は幾つかの世話になった街や都市を巡り、現在はここ発明都市発明都市(The・ベント)に滞在している。

リンのように旅をするというわけではない。

リンのように多くの人を救う人になりたい、ということを、ショウタは彼女の口から聞いている。

ショウタにとってもリンという存在は大きく、尊敬している人物の一人である。

それに為りたいという彼女の願いを、ショウタも手助けしたいと思っている。


「これとこれはなに?」


「これは水を自動で出す仕組み。人の熱を感知して、ボタンを押さずに出してくれる。リンの体質を参考にして作った。子どもや老人が使いやすいようにした感じ。で、もう1つは安眠枕。自動駆動(オートマシン)の機能の一部を枕に組み込むことで、使用者の頭や姿勢にフィットするようにしている」


「人のためになる?」


「勿論!試作段階ではあるけどね」


「じゃあ、私もてつだう!」


フィロは製作品の仕組みのほとんどを理解はしていない。

それでも人の為になるならば、自分もという意志の表れ。

触れることの少なかった機械に、新鮮さや興味を持っているというのもある。

またショウタは、フィロの固有武器の製作に携わっている。

手足を覆う甲は、大いに役立ち彼女を助けた。

そのおかげで、ショウタは慕われているのである。


「手甲は持ってる?」


「うん、かばんに入れてるよ」


「改造したかったら、いつでも言ってね。僕にできることはそれくらいだしさ」


「ロックみたいにビューンってのびる!?」


「はは、さすがにそれは無理だよ。フィロの手がなくなっちゃう」


「またたたかいはあるかな?」


隕石落下を回避した世界は、多少の変化はあっても希望に満ちている。

しかし燻る炎が絶えることはない。

いつかはまた、そういう時が起こるかもしれない。

望まなくても事は起こる。

ただ────


「手甲は別に、相手を倒すためだけの道具じゃない。これは使用者を守護する物、温もりを生む手だ───から、これからは何かを守るために使っていったらいいんじゃないかな、上手く言えないけど

……」


「ショウタ、いいこというね!」


「ありがと、それで話は変わるけど今日の夕飯はどうする?」


「さかな!」


フィロは宿に滞在しているのではない。

お世話になった人達へ挨拶する際は、毎回のようにそこに居候させてもらっている。

今回もそう。


「またぁ?他に好きな物ないの?」


「んー、にく?」


「何で疑問形なのさ」


「やさいじゃなければ、なんでも」


「駄目だよ、野菜も食べなよ」


「…これからがんばる」


「ふぅ、分かったよ。じゃあ今日も魚でいこう」


「やったね!ショウタだいすき!」


「うえ!?……あ、うん、ありがと…」


「どうかした?」


「いや、あのさ1つ聞きたいんだけど、食べ物以外に何か好きなものある?」


「んーー」


「…な、さそうかな…分かればプレゼ──っとイケないイケない」


「んーー、あっ!こども!!」


「ええ!!!!子供!!?」


「うん!!」


「うっ…分かった、僕頑張るよ」


「ん?…がんばってね」


「うん」





ここに、ショウタ・スルガの運命は決まった。

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