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シンなる旅路【第一部、外伝】(カクヨムさんの方で修正版を投稿しています)  作者: 飯屋クウ
外伝④ お金は大事に

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豪運

【登場人物】

リン

フィロ

ジェット

オウル

カレン

ロック

翌日、僕はジェットの賭けを応援していた。

カレンとロックの2人はそれぞれ別行動のようで、僕の隣にはオウルとフィロがいる。


「よし!今回も読み通りだぜ!どうだ、見たかお前ら!」


「うわあすごおい」


「お♪さ♪か♪な!」


「イカサマしたんじゃないんですか?」


「おい!もっと喜べよ!宿代と飯代稼いでるのは、このジェット様だからな!」


読み合いに勝てているのは強運なのか、それとも才能か、どちらにしろジェットは今まさに破竹の勢いだ。

僕としては、そろそろ止め時だと思っている。


「記録更新と行くぜ」


終わりそうにないね、これは。





◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆





その後の賭け勝負は、一喜一憂だった。

勝っては負けて、また勝つの繰り返し。

勝率的に言えば、半分以上は勝利しているが負ける時の額が大きすぎるため、利益は出ていない。

むしろ減っている。

所持金はどんどんマイナス域へと急降下していた。

ジェットは少しずつ苛々を募らせていた。


「ありえねぇ、次は絶対勝つ!」


「もうやめたほうがいいよ」


「そうですよ、もう何時間此処にいると思ってるんですか!」


「おさかなまだぁ〜?」


「ちったぁダマっとけ!これで最後、全賭けじゃあ!!」


何処から調達したのか、いつの間にか持っていた酒瓶を一飲みすると、物凄い剣幕で残金をオールベッドしていた。


「これが、俺の、生き様よ」


もう、神に祈るしかない。

この勝負の行く末は、僕達の明日を左右する。

借金生活だけはしたくない。


『最後の勝者はクロ様でした!これにて今日の催しは終了致します。また明日も是非お立ち寄りくだい!』


ジェットは失意の如く崩れ落ちた。

僕達も天を仰いだ。

この世は非情だと。

明日からの生活をどうするか悩んでいたとき、声を掛けてきたのはカレンだった。


「もしかして、負けたの?」


「だから僕は止めたのに…」


「ジェットの銃を売ればいいと思いますよ」


「そんな事できるわけないだろうが!お前の自動駆動(オートマシン)を売れよ!」


「勝負したのはジェットでしょう!」


「仲間なら是可否でも止めるだろ!」


「酒飲みのアンタを止めれるわけないですよ!」


「2人とも喧嘩してもお金増えないんだから静かにしてよ!」


「私のごはんわぁ?」


「そんなに気落ちしなくてもいいんじゃない?()()は大丈夫かもしれないわよ」


「へ?」


「なんで?」


「やぁやぁやぁ皆様方!ご機嫌麗しゅうでさぁ!」


「ロックか…何処行ってたのさ」


「オレっち?オレっちはずっと一緒にいましたっすよ」


「は?何言ってんだお前」


「いやいやいや本当真実事実っすよ」


「私は最後の勝負しか観覧してないけど、勝者はロックだったんでしょ?」


「いえいえいえーす!!クロ様とはこのオレっち、ロック様のことでさぁ!!」


「「「はぁ!?」」」


確かに参加者の中には一人だけ、ジェットと同じように最初の試合から席に座っていた人物がいた。

まさかそれがロックだったなんて、全くもって気づけなかった。

彼が変装を得意とするというのもあるが、賭け中は会話もある程度で済むために、本人と結びつけることができなかった。


「つまり、最後の勝者はロックだから逆転勝ちってこと…?」


「しゃあ!天は俺を見放さなかった!」


「ジェットのおかげじゃないから」


「同じ事だ。それにしてもやるじゃねぇかロック、見直したぞ」


「それで、結局いくら儲けたんですか?」


1、2、3………。

………?

あれ、これもしかしたら………。


「………」


「どうなんだよ!?」


「あー、うん、はい、お疲れ様でした」


「ふふ、まぁそう甘くはないわよね」


「人生こんなもんですよね」


「おいっ、つまり何なんだ!?」


「勝ってるよ、ただ金額を言うと、今日ジェットが最初に持ってた所持金と同額になるね」


「つまり………」


「丸一日意味無し無意味ってことっすね!」


「………ふざけんじゃねぇ!!俺の時間を返せやあぁぁ!!」


それを言うなら僕達の時間も返して欲しい所。

まぁ、2日間で見れば勝ちは勝ちだし、これにて一件落着──


「──あ!思い出しやした!オレっち、この賭けする前に、自分の身体の部品とか購入したんすよ。だからここから差っ引きやすねー」


「はぁ?俺の金盗んじゃねーよ!」


「Riバースに長く在籍していたなら持ってるんじゃないの?」


「あるっすけど、口座の中っすよ。都市じゃないとおろせないっすね!いやはやすんません!」


「もういっかいかぞえるとぉ………わかんない」


「生活はできるけど、豪遊はできない。つまりいつも通りってことだよフィロ」


「じゃあ、さかなかえるね」


「そうだね」


新鮮であるかどうかはまた別の話になるけどね。

お金に関しては、ロックの未払いを差し引いても若干はプラスではある。

ロックが居たから良かったかどうかは分からないけど、居ないよりはマシだったのは間違いない。

これで彼の評価が上がったのなら、僕としては嬉しい限りだ。

まさに豪運。

山あり谷ありの人生。

まだもう少しは続くであろう僕達の旅路に、お金は大事に使うことが教訓として刻まれた。










【外伝④ お金は大事に 完】



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