提案と邂逅
【主要登場人物】
リン・フォワード
(主人公、男、白髪、825歳)
フィロ・ネリウス
(猫獣人、女、褐色肌、黒髪、16歳)
ジェット・エーギル
(傭兵、酒と女好き、男、金髪、28歳)
オウル・P・マギー
(妖人と人間の混合種、ハッカー、男、青髪、17歳)
カレン・クジョウ
(元工作員、針使い、女、赤紫髪、23歳)
ロック・ロック
(元Riバース、元二重人格、改造、男、緑髪、21歳)
ドム・カーティ
(元Riバース、赤牛亭の店主、合成獣、男、銀髪、32歳)
【サブ登場人物】
ボイル(Riバース、1位)
イズミ(Riバース、3位)
ユキ(Riバース、研究員)
覆面女(Riバース、29位)
ボイルの執務室は研究地区の一番奥。
室内は本や資料がぎっしりと置いてある。
整理整頓はされていない。
「単刀直入に言う。隕石が大地に落ちて世界を終わらそうとするとき、そのエネルギーをその身で受けろ」
「はぁ?」
「最初の崩壊でお前は生き残り、人間を超越した存在となった。今回の崩壊は、さらに進化するチャンスだ。組織の武器に隕石のエネルギーが使われていたのは知っているだろう。もちろん武器以外の用途しても、この隕石エネルギーは有用であるとデータが証明している。これは崩壊した世界の中で、残った人類が進化成長していくために必要なことだ」
「エネルギーの必要性は理解できるけど、僕自身がその身で受ける必要はないでしょ」
「前回は小さかったから爆発はしなかったが、今回のは遥かに大きく、大地に触れた瞬間に大爆発となる。せっかくのエネルギーも四散してしまうし、高濃度に充満した大地を歩けるはずもない。エネルギーの採取は絶望的となり、人類は地下にいる俺達で終わる。お前のエネルギーを使うのもありだが、無限ということではないのだろう?」
「………よくわかったね。その通りだよ。少しずつ熱量の最大値は減ってきている。再生力はまだまだあるけど、これもいつかは消える。僕は不老不死ではないからね」
「蓄えは必要だ、リン。その身で、高エネルギーを浴びて自分の物にして、俺達を導いてくれ。これはお前にしかできない。提案を受け入れてくれるのなら、お前が連れてきた者達も全員地下へと入れてやろう。本当はRiバースと進化都市の人間だけの予定だったが、譲歩しよう」
リンは、考えていた。
本当にこれしか方法はないのかと。
自分と同じ研究員が捻り出した中には、実現不可能な、ただ何かしら可能性のある失敗案もあるのではないのかと。
「そういえば、この都市に入る時に、気になったんだけど、あの筒状の塔みたいなのは何?」
都市攻略を練っていた際、文献は山程見た。
筒状の塔はある時期に造られ、使った試しは一度もない。
「あれは…ダメだ。失敗案だ。初期に宇宙都市と共同合作した代物だが、あの固定砲台では隕石を撃ち落とすなんてことはできない。砲弾もないしな」
「起動はするの?」
「たぶんな。数百年起動していないがな。というより、何を考えているんだ。お前の選択は俺の提案を受け入れる、その一択だろう?」
リンがボイルに回答を迫られていたとき、執務室の扉が開く。
中に入ってきた人物達に、リンは驚愕していた。
「えっ!?はっ?僕がいる!」
模造人間が6人、それとオウルと覆面女。
模造人間の6人とボイルを含めた研究員は“至宝”と呼ぼれていたが、それは過去の人物達。
リンが昔に、一緒に研究をしていた者達と瓜二つだった。




