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シンなる旅路【第一部、外伝】(カクヨムさんの方で修正版を投稿しています)  作者: 飯屋クウ
第一章 最初の旅仲間

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奪還②

ガードが硬くないことに驚きを隠せないでいる。

もしや罠なのではと逆に疑ってしまいそうだ。


ただし、働けるといっても王冠の近くではなく、外周の掃除など誰にでもできる内容だ。

定例査定の前後一週間というだけの雇用。

ジモンさんには申し訳なく思うが、残りの一週間は休みにしてもらった。

特異体質のおかげで、鉱石を山程採掘できているというのも了承の理由にあるだろう。




「そこっ、手を止めないで!ちゃんと掃除して!」

「はっはい!」


採掘場のことを考えていると、叱られてしまった。

ピリピリしているのは、ここの上長。

僕の他にも数人叱責をくらっている。

雇用されたばかりの人達は多い。

人手不足のおかげで、敷地に侵入できたのは有り難い。


建物内に、ほとんど入ることができないのが難点なくらいだ。

隙を見ての位置把握は何度か実行した。

この2日間で、おおよその見当はついている。

というのも、あきらかに厳重そうな扉があるし、外から感じるエネルギーも、その場所を指しているため、間違いはないと思う。


あとは、決行日と時間帯。

時間帯についたは、夜が最適だろう。

人気も少なくなるし、フィロは夜目も効く。

予定外が起きても闇夜に乗じれば、回避できる可能性は上がる。


それと決行日は、前日。

早すぎると隠す手間がかかる。

そもそも()()がまだ出来上がってない。

ジモンさんに見せてもらった写真だけで出来るのだろうか、こればかりはフィロ達に期待するしかない。



「おい、そこのお前」


挙動不審に思われたのか、振り返った先には、グンジさんがいた。

後ろにいるのは従者だろうか。


「見ない顔だな」

「あ、はい」

「使用人は多い方がいいとおっしゃったのはグンジ様でしょう」

「そうだったな。見栄がいいしな」


少しだけビックリした。

話を聞いたときに見せてもらった写真と、今間近にいるグンジさんは全く違う雰囲気だ。

穏やかさがまるでない。


「ではグンジ様、あまり時間もありませんので、そろそろ…」

「そうだったな。おいお前、ちゃんと働けよ、この街で一番偉いのは俺様だからな」


人はここまで変わってしまうのか、少し怖いくらいだ。


「やっぱり、このままではいけないな」


誰の耳にも入らないよう、僕は呟いた。






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